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2010.03.08
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カテゴリ: 読書
湊かなえ「告白」を読み終えました。



「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をコンセプトにした
「本屋大賞」の2009年の受賞作であるこの作品は、
湊かなえさんのデビュー作なのだそうです。

本当は数日前に読み終わっていたのですが、なかなか
言葉がまとまらなくて。
それについては おいおい書いていきます。

まずはあらすじ。
***

1年生の担任である女性教師が最後のホームルームで
生徒に話しかけているところから始まります。

もうすぐ自分は教師をやめると。
その理由を問われ、衝撃の告白が…。
数カ月前、学校のプールでまだ4歳だった自分の一人娘が
死んだのは事故死ではない、このクラスの中の2人に
殺されたのだと。
犯人である少年2人の名前こそ言わないものの、クラスメイトには
分かる形で告発したうえで「警察に言うつもりはない。法の裁きなど
不要である。その2人には既に復讐を仕掛けた…」と宣告する。
***


女性教師の告白は第1章「聖職者」の部分です。
もともとはこの部分だけが独立して2007年8月に「小説推理」に
発表され、第29回小説推理新人賞を受賞しています。
「愛美は事故で死んだのではありません。
このクラスの生徒に殺されたのです。」

お聞きになった方もいらっしゃると思います。
(公開は2010年6月)
秀逸なセリフです。「いったい何が?!」と思わず前のめりに
させられる。第1章は、細かいつっこみどころはあるにせよ
おもしろく読めました。

第2章は、犯人A、Bやその後のクラスの様子を、学級委員の女子の
視点から。
第3章は、犯人Bの母親の日記。
第4章は、犯人Bの語り
第5章は、犯人Aの語り
第6章は、犯人Aと、復讐を仕掛けた女性教師の語り

と、視点を変えながら、事故死と処理された幼児の死の真相と、
かかわった人々の背景をひも解く形式になっています。
確かに構成などは面白いなと思ったし
デビュー作とは思えないなぁとは感心しましたが、
読み終わってこれほど胸の悪い作品は、久しぶりです。

いやいや「胸の悪い」なんて美しい言葉では、
この淀んだ気分は表現できかねます。
はっきりいって「胸くそが悪い」これに尽きます。

私は「本屋大賞」というものを買い被っていました。
出版社の思惑や利害にとらわれず、読者に一番勧めたい本を
選ぶ賞なのだと。
これまでは素敵な時間を過ごせる作品が多かったのに。
コンセプトの「一番売りたい本」というのは文字通り
「売りたい」であって、「勧めたい」とは違うんだなと
がっかりしています。

救いのない小説、残虐な内容の小説は過去にいくつも
読みました。
しかしそこに何かキラリと光るもの、
見ないふりをしてはいけない、人間の本質のようなものが
描かれていれば良いと思う。
中学生同士が最後の一人になるまで殺戮を繰り返す、
最悪最低と思われるような設定から始まる高見広春の
「バトル・ロワイヤル」などはその典型かなと。
(あれだけ残虐なのに読んだあと、希望にも似た明るい
ものが胸に残ったし)

ところがこの「告白」は…。
陰湿な復讐劇を描くのであれば、もっと緻密さが必要では
ないかな、と感じました。

まずはHIVという病気を安直に「怖いもの」「死」と結びつけて
復讐の道具に使うというのは疑問が残ります。
モラルという点だけではなく、現実的な話として
「それがそもそも復讐になりえるのか」という説得力も含めて。
その上、その復讐方法が可能になるような、登場人物の設定も安直。
そして自分には一点の非もないのだとし、教え子二人を追い詰めていく
この教師自身がとても幼く感じられる。
幼いわが子を殺された母親の気持ちを思わないでもないけれど
それを割り引いても、いただけない。

もしかしたら、単行本にするために書き足したからかもしれませんが
書き込みが不十分で、犯人Aの「発明」にも説得力がないので
結末を読んでも「そんなアホな」と若干白けてしまうのです。


ああ「本屋大賞」。
これまでの受賞作品 を振り返ると
2004年 小川洋子「博士の愛した数式」
2005年 恩田陸 「夜のピクニック」
2006年 リリー・フランキー
          「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
2007年  佐藤多佳子「一瞬の風になれ」
2008年  伊坂幸太郎「ゴールデン・スランバー」
納得の作品ばかり。

今年のノミネート作品は
村上春樹「1Q84」 夏川草介「神様のカルテ」
三浦しをん「神去なあなあ日常」 東野圭吾「新参者」 など
納得のラインナップ。

2009年は 和田竜「のぼうの城」、 東野圭吾「流星の絆」
押さえてこの作品?
信じられません。

お勧め度
☆☆☆☆☆
ゼロ。
誰にもお勧めする気はありません。
でも、ここまでけなすと「いったいどんな?!」と
読んでみたくなるかもしれませんね。
で「意外とおもしろいやん」となるかも。

付け足しておきますと、おもしろくないわけじゃないんです。
中途半端には面白い。
ただただ、胸くそ悪いんですっ!!
(本日二度目のスラングお許しください)
教師のモラルとか、中学生の犯罪を描いているとか
そんなことが問題じゃない。
クオリティの問題です。

小さな水槽の中のお話を(だいたい警察が出てこないわけがない)
刺激的な言葉で釣られて(釣られたのよね、私)
読まされたこの不快感。

著者を責めているのではありません。
普通にデビュー作として読んでいれば、ここまで思うことは
なかったでしょう。
なんでこれが「本屋大賞」?!
もし図書館で借りたのでくお金を出して買って読んでいたら
私は今頃 *「本屋大襲撃」してました。

「全国の本屋」の責任者出てこーい!


*村上春樹「パン屋再襲撃」は読む価値アリですよ、もちろん。スマイル

パン屋再襲撃

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最終更新日  2010.03.08 11:26:37
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