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2016.04.04
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カテゴリ: 音楽全般
オリヴァー・ウェイクマンのイエスでのパフォーマンスをずっと聞いてみたかった。
2008年(40周年)ころのワールドツアーの際、リックがドクターストップにより不参加となり(100回のツアーはNG,25回くらいならと打診したらしい)、代わりにオリヴァーを推薦したとある。しかし、文字情報だけだと、オリヴァーは途中で解雇されて(?)ジェフ・ダウンズに代わったとかで、本当に参加していたのか確認できなかった。私はずっと、リックの遺伝子を受け継いだ息子の演奏によるイエスの曲を聞きたかった。この時期に出たスタジオ録音のアルバムではキーボードは曲によってジェフとオリヴァーの両方がクレジットされているらしい(FFHかな)。

で、アメリカでのライブで演奏されたClose to the edgeの一部を聞いたんだけど…これはまずいでしょって出来だったorz。下手ではないんだろうけど、馴染まなさすぎる。がちがちに緊張しているのかもしれないけど、なんだか 一人だけ外部と遮断されて仕事している感じで浮きまくっている。あまり広いステージではなかったので挙動不審な様子は他のメンバーからも丸わかりだろうし、なによりそのパフォーマンスはイエスのキーボードとしてはかなり残念な出来だった。そりゃあね、父親が長年出たり入ったりしていたプログレ史に残るバンドへの、いきなり父親からの代打指名参加、覚えないといけない曲は膨大だし、本人、いやだったのかもしれない。それが演奏にも態度にも表れているような気がした。

特にClose to the edgeみたいなマスターピースは、途中のチャーチオルガンの響きとか、バロックチェンバロの部分とか、ファンは「さあ、次くるぞ、リックのあの分厚いオルガンの音、あのバロックのフレーズ!」って期待しているから、スティーヴ・ハウのアドリブ以外、もう何一つ変えちゃいけないと思うのよ。それはこれまでの代打キーボードが証明している(モラツの演奏も批判が多かったらしい)。必要とされているのは、オリジナル(リック)のそっくりさんであって、装飾音が入りまくるリックの手癖まで正確に再現できてこその代打を期待されているんだよね。

なのにオリヴァーのプレイは、即興的なフレーズも父親ほど指が速くは動かないようで、音は抜けるし、リックのきらびやかなアルペジオやスケール、装飾音を聞き慣れている耳には、かなり不出来なものに聞こえる。音色の選び方もおかしいし、音量のバランスも奇妙だ。出だしの音も本来アランの合図と同時に響かなくてはならない音が、合図を待ってから弾いている感じがする(実際にはコンマ何秒というわずかな瞬間だけど)。ああこれは誰が聞いても解雇だろうという演奏だった。プレイ中にキョロキョロする挙動不審も気になる。周到に組み立てているであろう次の準備を、さらに「次はまずこっちで弾いて、ここからこっちに移って…」みたいにいちいち頭でシミュレーションしている感じなんだよね。まったく余裕がない。なんかすごく残念。オリヴァーってこんなもんなの?というのが実感。

クリス・ウェルチのイエス本には、1999年頃?イゴールの入国ビザ問題でイギリスでのライブ参加が危うくなったとき、急遽二男のアダムが代打を 務めるべく一夜漬けで父親のプレイを覚え、代打出演しかけたエピソードが紹介されている。リックの子どもたちはそれまで、イエスの曲はほとんど聞いていなかったようで(彼らが育った時代はプログレはとっくに過去の音楽だったんだからまあそれは仕方がない)、「危機は持っていたけど、お兄ちゃんのフット ボールと交換したんだ」という無邪気なアダムにぞっこんだ(笑)。

イエスの曲を泥縄で覚えようなんて所詮無理で、必死で覚えてメモった楽譜を車の中に置き忘れたり、音源を入れたCDをローディーのミスで壊された りとアクシデント続きで散々だっ たようだが、結局ギリギリでイゴールは間に合い、でも頑張ったご褒美にと、アダムは1曲だけプレイを許された(燃える朝焼けだったかな)。つまり、2歳違 いの兄弟のうち、弟のほうが先にイエスデビューをしていたことになる。ちなみにこのデビューで、ジョンはオーディエンスに対して、ちゃんと「リックの息子のアダムだよ。時間がないのに全部覚えてきたんだ。えらい子だよ~」と紹介している。ジョン、グッジョブ!

ところがアダムは、自分のソロパートを自分なりに考えたアドリブで弾いたらしく、終わってからスティーヴに「そこはそうじゃないでしょ」と注意されたらしい。アダムは「24小節のソロ部分でさえも好きなように弾いてはいけないんだ」と思ったという。これがイエスの歴史の重みだろう…というのは大袈裟で、多分スティーヴが、いつもと同じでないと自分のプレイに影響出るから気に入らなかっただけかもしれない。なにかのライブで、ジョンがいつもより抑揚付けて歌ったら「そんなじゃハモれない」とばかりに顔をしかめ、あからさまに手を耳に宛て自分の声を確認してた彼を確認している。そしてその後のソロプレイで仕返ししていたシーンがあった。それぐらいスティーヴは神経質なんである。

そんなことがあって、その後、ロンドン公演でもバッキングスタッフとして詰めていたアダムに、クリスやイゴールは「一曲弾いて行けよ」と好意的 だったが、ジョンとスティーヴが許さなかった。まあ、ロンドン公演はおおとり、千秋楽みたいなものだから、失敗は許されないというのもあるだろうけど、バンド側からしたら、正規に雇っているリックのそっくりさんがいるのに、わざわざパートタイマーのリックの息子のお披露目なんてする義理はないわけで、アダムがちょっぴり残念そうだったのはかわいそうだけど(またそのうちチャンスがあるかも、と思っているらしいが、多分ない)、ジョンとスティーヴは正しい大人の判断をした(そしてこういうところではクリスは実に鷹揚でいい奴だ)。



子どもの頃、父親は不在がちだったろうし、彼らが6~8歳くらいの時、リックは母親と離婚しているから、そんなに一緒に暮らした時間は長くはない はずだが、リックとはとても仲がよさそうだし、2人ともプロのミュージシャンになったのはたいしたものだ。
特にオリヴァーは自分のサイトで音源も公開していて、いくつか聞いてはみたけど、なんかイージーリスニングとヒュージョンがまざったみたいな微妙な音楽だった。アダムはブラックサバスな どのレジェンドバンドのサポートプレーヤーとしても活動しているらしい。サポートなんだ?え?とちょっと引っかかってはいた。結構プライベートな スタジオとかも公開していて、キーボードだけじゃなくギターとかさまざまな楽器も手掛けるようだ。でもクリエイティブな要素はどうなんろう。ソロの時は父の名前とセット売りのほうが多い気がする。

気になるのが父・リックの2人に対する評価なんだけど。
リックはアダムとは大分早い時期(アダム20代)に一緒に4枚のアルバムを作成しているし、何度も一緒のステージに立っている(海外公演にも同行している)。リックの大掛かりなライブで、アダムと一緒にフロントに降りて来てショルダーキーボードを演奏する様子はいくつも動画が出て来る。今でも時々ライブで共演しているようだし、父が息子にインタビューするという番組も見た。ちなみにアダムは結構肝の据わったベジタリアンだ。

一方、2歳違いの兄、オリヴァーとの共作はないようで、これまで私は、オリヴァーは一人でも十分やっていける才能があるけど、アダムはそうじゃないから手助けしているのだと思っていた。バカな子どもほどかわいい、みたいな心境で。でも、このイエスでプレイするオリヴァーを知って、違うんじゃないかと思い始めた。

この2人、リズム感は明らかに父より劣るのは、短い動画を見ただけでもわかった。たぶん経験不足なんだろう。リックの才能は、どんな他人の曲でも一瞬にして構造を理解し、瞬時にして自分に求められている「華麗なアレンジ」を提供できるところだ。それは4年間の2000セッションという膨大なプロとしての仕事が証明している。でも40を過ぎている息子たちには、そういう経験の蓄積が絶対的に足りない。

追記:オリヴァーのインタビューを聞いていたら、リックは自分が5歳くらいのときに家を出ていったから、彼から教えてもらったことはなく、母は自分がピアノを練習していると不機嫌だったとか語っていて泣けた。そうかあ・・・基礎を築くべき幼少時に十分練習できなかったのだろうか。もしかしたら無邪気なアダムと違ってオリヴァーは長男ということもあり、母を守らなくちゃという思いから、父への反発みたいなものもあるのかも。石田純一といしだ壱成、市川猿翁と香川照之みたいな(笑)。でも見返したいならもっと腕を磨かなくちゃ。
リックの最初の妻・ロズ(ロザリン)との正式離婚は1980年だけど、1977年には破局していたと何かの記事で読んだから、時間軸は合っているな。

【アンダーソンの声】
リレイヤーあたりを最高傑作に位置づけている熱狂的なイエスファン(ほぼ男性)にとって、ジョン・アンダーソンのメルヘンな作品(「不思議なお話 を」や 「ザ・ミーティング」「ホーリー・ラム」など)は駄作扱いなのね。密林のレビューを読んでちょっとショックだった。
私は上記3作はくり返し何度も聴いても飽きない。ドラムもベースもハウのギターもなくてもいい。35周年ライブではアク―スティック部分だけ何度も繰り返し見てしまう。リックのピアノだけのLiving Treeも大好きで何度でも聞いてしまう。


そして同時に私にとってはジョン=イエスなんだ。だから、上記3作を駄作と言われると悲しい。ああいうのも立派なイエスの楽曲の一つだし、大げさな大曲の間に箸休め的に置かれていたらほっとする。「ビートルズになり損ねた」といわれるイエスのポップな部分は、ジョンのシンプルな楽曲であり、プログレバンドとしてのイエスの一つの側面として必要不可欠な要素になっているんじゃないのかなあ。少なくともこういう曲もイエスだと認めてほしい。

ジョンの声は聞いていて「あ~きれいなだあ~きもちいなあ~」と思う。たしかに曲はポップスとしては平凡なのかもしれないけど、ジョンの声だよ? この声でシナトラやビング・クロスビーのナンバーを歌われても嬉しくない。ジョンの曲だからいいんだ。値千金でしょう!そう考えると、私がなんでラビンイエスがだめなのか、理由がはっきりする。答え:ジョンじゃないから。そしてジョンの声が活かされるような楽曲じゃないから。
バグルスイエスやFFH、H&Eは、あれはイエスじゃなければ、すごくいいアルバムだ。でもイエスのアルバムとしてはやっぱり平凡だと思う。なにしろジョンがいない(結局ここ)。

ジョンとリックの2人ショーLiving treeのライブ、高性能イヤホンで聞いていると、リックのデジピ(シンセのピアノ音?)は、鍵盤叩く音まで聞こえそうほど圧が高い。やっぱりなー。粒立ちが半端ないと思っていたけど、やっぱり打鍵の力がかなりあるということなんだろうな。手も、クリスよりは小さいとか勝手な想像していたけど、ユニオンツアーくらいまでのリックは指が細くてきれいだったのよ。だから勝手に手も小さい(それでも11度は届く)と思ってた。でも、キーズトゥのライブ映像みていたら、左で和音抑えるときに、そんなに必死に開いていないのに1-5で10度触ってた。こりゃきっちり広げたら12度は軽いと思う。

それで、メドレーなんかだとジョンは途中でインターバルがあるけど、リックはずっと弾きっぱなし。イエスのソロみたいに細かい速弾きなんて求められていないから、緩めのテンポで、その中にも例の装飾音を入れながら、ほとんどミスタッチもなくずうーっと弾いていられる。楽しいんだろうなあ、ジョンとの仕事。






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Last updated  2016.04.05 22:50:44
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