I talk to the windは、ロック小僧のクラスメートに頼まれて譜面に起こした記憶がある。なんだか日本のフォークソングみたいだよね。今日、本読みながら聞いていたストローブスの曲にも、歌詞が日本語で聞こえてきそうなフォークソングがあって、この時代は世界共通でこうしたノリのフォークが全盛だったことも思い出した。メロディラインがきれいで、母音の多い日本語がぴったりはまるシラブルのつくりになっている。もしかしてこういうのがやがてユーミンとかにつながっていくのだろうか。
5分に及ぶピアノソロでは、イエスのライブでのソロにはないジャズやブルースっぽいフレーズも入れていて、20歳をやっと超えたくらいの若者に、ちゃんと場を用意してくれたカズンズに感謝。もう1曲、さまざまなハモンドオルガンの音色とテクニック(すごくキレがよくてギターかと思った)を聞かせる12分もの曲もあって、頭と終わりにヴォーカルも入るんだけど、完全にリックの独壇場みたいな曲。これもお気に入り。なんだっけ。Where is this dream of your youth? アドリブっぽいメロディラインがスタッカートみたいに粒立って聞こえる。こういうの、ラテン系のジャズバンドとかの演奏で聴いたことがあるかも。こういう音やフレーズはイエスでもソロでも聞くことができない。ポップでノリがよくて、でもいかにも60年代の音(ハモンド)で、貴重な演奏だと思う。あと明らかにハープシコードみたいな音が聴ける曲もあった。ピアノならまだしも、ハモンドでこれだけ引出しの多いところを聞かせる(しかもライブで即興)20歳やそこらの若者って、そりゃほうっておかれないだろう。