PR
Calendar
Category
Comments
Keyword Search

(
JR
熊本駅新幹線口 玄関前の おてもやん像
)
日本の民謡としては珍しく、陽気でユーモアに溢れたリズミカルな曲。当初、明治時代には熊本の「お座敷唄」として歌われていたようである。全編、熊本弁のオンパレードで歌詞の意味が解りづらい部分もあるので、詳しくは対訳をご参照いただきたい。
曲のルーツには諸説あるが、作者は三味線と踊りの師匠「永田イネ( 1865 ~ 1938 )」という女性で、友人の登茂(トモ、通称チモ)をモデルに作られた、とする説が有力視されている。
今ではこの「おてもやん」のメロディーは、毎年 8 月に熊本市で開催される「火の国まつり」のメインイベント「おてもやん総おどり」で流れており、祭りを大いに盛り上げている。
(「五木の子守唄」もそうだったが、細部に楽譜の歌詞と相違点があることを お断りしておく。民謡が素材の場合は 歌詞のバリエーションがありうるのだが、若松正司編曲の 2 種類の楽譜- 99 年版と 08 版-を比べても歌詞の読み方が異なる部分があるのだ。わざわざ歌詞を変える理由はないから、どちらかが誤植なのは間違いないだろう。)
おてもやん
あんたこの頃 嫁入りしたではないかいな
嫁入りしたこた したばってん
ご亭殿 (ていどん) が 菊石平 (ぐじゃっぺ) だるけん
まぁだ盃 (さかずき) ゃ せんじゃった
村役 鳶 (とび) 役 肝煎 (きもい) り殿 (どん)
あん人達の 居 (お) らすけんで
後はどうなろ きゃぁなろたい
川端町 (かわばたまっ) つぁん きゃぁ巡 (めぐ) ろ
春日南瓜 (ぼうぶら) どん達 (たちゃ) ぁ
尻ひっぴゃぁて 花盛り 花盛り
ピーチク パーチク 雲雀 (ひばり) の子
玄白茄子 (げんぱくなすび) の いがいがどん
(標準語訳) おてもさん
あなた最近、お嫁にいったんじゃないの?
うん、嫁入りしたことはしたんだけれど
旦那が、痘痕(あばた)顔のブ男だったので
まだ三三九度の盃を交わしていないのよ
村の顔役や火消しの頭や世話役さん
あの人たちがいらっしゃるので
あとのことは何とかなるでしょ
それより、川端町の方へ回って歩きましょう
ごろごろ転がった春日かぼちゃの
お尻側に裏返しになった花がくっついて
畑いっぱいに今を盛りと咲いている
空には雲雀の子が、ピーチクパーチクさえずり
下の畑には出来の良くない、えぐい茄子が実っている
(あら あの茄子、何だか旦那に似てるわねえ)
<注釈> 春日ぼうぶら :熊本の伝統野菜で、ひょうたん~へちま型のかぼちゃ。「春日」は地名で、現在の JR 熊本駅周辺。 玄白なすび :蘭学者・杉田玄白が広めたとされる茄子だが、「出来の悪いなすび」のことを指すとも。
一つ山越え
も一つ山越え あの山越えて
わたしゃあんたに 惚 (ほ) れとるばい
惚れとるばってん 言われんたい
追い追い 彼岸も 近まれば
若者 (わかもん) 衆も 寄らんすけん
熊本 (くまんどん) の 夜聴聞詣 (よじょもんみゃあ) りに
ゆるゆる話も きゃぁしゅうたい
男振りには 惚れんばな
煙草 (たばこ) 入れの 銀金具 (ぎんかなぐ) が
それがそもそも 因縁たい
アカチャカ ベッチャカ チャカチャカチャ
あなたは 幾山を越えたような
遠い存在なのかしら
わたしはあなたが好きよ
好きだけど打ち明けられないのよ
でもそろそろお彼岸が近くなると
村の若い衆も集まって来るでしょうし
熊本の普賢寺に夜のお説教を聴きに行って
二人でゆっくりとお話でもしましょうか
あなたがイケメンだから好きになった訳じゃないのよ
タバコ入れの洒落た銀金具がステキだったから
そういうことで好きになってしまったのよ
アッカンベーのベロベロベー
<注釈> 夜聴聞詣り :夜にお寺の説教・説法を聴く会のことで、熊本市・普賢寺でお彼岸に行われていた。住職のありがたいお話が聴けると同時に、当時は男女の出会いの場でもあり、若者たちで境内は賑わっていたようである。
演奏会のパンフレット完成! July 1, 2019
アカペラ・五木の子守唄 June 29, 2019
演奏会の第3ステージは、これですよ。 June 29, 2019