
これは、セープ(ポルチーニ)のフリカッセ。
クリヤ・マコトと同じウエストバージニア大学出身の友人の商社マンAは、今インドネシアのジャカルタ勤務で、先日遅い夏休みを取って帰国すると早速うちの店に来てくれた。彼は仕事柄世界を食べ歩いているグルメだから、きっとインドネシア勤務じゃあまり美味しいものに出会えなくて苦労しているんじゃないかと思っていたら、やはりそうだったようで、、、。私の料理を食べながら、しみじみと「いやー、ほんとに美味いなぁ!」と、一週間余りの休み中に2回も来てくれた。なにしろ社員食堂のようなところでの昼食が多くて、ナシゴレン(炒飯)とミーゴレン(焼きそば)ばっかりらしい。確実に美味しいものはトロピカルフルーツだけなんだよね!と言っていました。
まあ、確かにインドネシアはまだ途上国といえるだろうし、かつてはオランダ領だったのも関係あるかもしれない。オランダはイギリスと並んでヨーロッパの中では、美味しくない国として有名だからだ。(私が決めたわけじゃないですからね!)高級ホテルのレストランなどに入っても、ちょっとインチキくさいイタリアンがあるくらいで、フレンチなんてあるかどうかもわからないと言ってました。まあ、強靭な肉体と精神とあふれるほどの知的好奇心の持主のAのことだから、何とか乗り切ることでしょうが、、、。次回は暮れか正月になるのかな?ジャカルタはほとんど被害が無かったようだが、インドネシアでは最近大きな地震があったばかりだし、マラリアなんていう予防薬がない熱帯病もあるし、とにかく身体だけは気をつけてください。

うちの猫たちはますます仲良し。涼しい夜はくっついて寝てます。
最近、奈良から来てくれたお客様がいました。まだ若いご夫婦。まさかとは思ったが、一応聞いてみました。「何かのついでに千葉方面に来たからサンク・オ・ピエに寄ってくれたんですよね?」と、私。「いや、前からシェフのブログのファンでここに食べに来るために来たんですよ」と、お客様。いやー、ビックリしました。最後に「やっぱりわざわざ来るだけのことはありました。美味しかった。また来ます。」と言ってくれたので良かったです。
その他にもベルリン在住の方がこのブログの読者で、千葉に引っ越したお友達にサンク・オ・ピエに行ってくるようにすすめられて、、、。という方もいました。インターネットは世界中につながっていますから、どこでどなたが見ているか分かりませんねぇ。いつも料理の話を書きながら、結構無責任に“私の記憶が確かなら、、”という感じでろくに資料も見ずに適当に書いているので、恐縮します。
レストランの格付けで有名なミシュランガイドは、もう100年以上も前にフランスのタイヤ会社であるミシュラン社が、来るべき車社会を予想して、車での旅行の助けにということで、ホテルとレストランのガイドブックを作ったのが始まりで、レストランの星は最初は定義がシンプルで、一つ星は美味しいお店。二つ星は近くを通るのなら少し遠回りしても行く価値があるお店。三ツ星はそこに食べに行くために旅行する価値があるお店。ということだった。そういう意味では、奈良のお客様にとってはうちは三ツ星?ありがたいことです。
20世紀の最後には、三ツ星の基準がゴージャスになりすぎて、三ツ星に上がりながらコストをかけすぎ借金がかさんで傾いたり、つぶれたりした店が出てきたために、ミシュランも最近は考えを変えて、料理の実力重視になっているようですが、、、。それでも、パリの三ツ星レストランの料金は上がる一方で、現在はディナーのコース料金が料理のみで2万円台後半から上は7万位になっているようだ。それだけ払えば、不味かろうはずもないでしょうが、ちょいとそうそう行けるものではないですよね。ちょっといいワイン飲んだら二人で20万超えますよ!(パリの三ツ星レストランのワインは東京のレストランのワインより高いことも少なくないです)ここ10年くらいで倍以上になってしまったようです。
三ツ星などの高級店は、まず人件費が凄い。たとえば50席程度の店で、料理人とサービス合わせて50人以上ということも珍しくない。つまりお客様の数と従業員の数が同じなんですね!だからレストランの売り上げだけでは、本当に儲かっている店は少ないです。系列の支店を出したり、お店のブランドの数々のグッズを売ったり、シェフが世界各地のホテルなどでフェアをやったり、いろんなことでグループとしての利益を上げないとやっていけないんです。だって、1テーブルにボーイさんが二人も付くようなサービスをして、50席のレストランで料理人を15人も使うような仕事をしていれば、いくら売りあげても儲かるはずないですから!50席の店ならサンク・オ・ピエのような感じでよければ、キッチンが3人か4人、サービスも3人か4人で回せます。コース料金も1/10ですよ!(笑)実際サンク・オ・ピエは50席の1/3の16席で働いてるのは、私とマダムだけですからね。
もっとも三ツ星ほどの店になると、世界中から修業にくる料理人が結構くるので、そういうのを受け入れる考えのシェフだと、ただ同然で腕の良い料理人を使えるという事情はありますが、言葉の通じないやつは使わないという考えのシェフも多いです。
食べ物なんて、はっきり言って誰でも作れます。“とりあえず食える”というものであればですよ、、。だから安易な考えで脱サラや主婦が趣味的気になんてノリで飲食業を始める人がいますが、甘くないですよ!この業界は、、、。世界最高峰の三ツ星でさえ独力では成り立たないところも多いんですからね、、、。
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