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北朝鮮の核 この悪循環を断て
運転を止めていた5千キロワットの原子炉から8千本の使用済み核燃料棒の取り出しを「成功裏に終えた」と北朝鮮外務省が表明した。
この燃料棒を数カ月間冷やして再処理すると、核爆弾の材料になるプルトニウムを抽出することができる。
一方、北朝鮮が核実験を強行するかもしれないとの観測もさかんに飛び交う。東北部の山中にトンネルが掘られ、視察用とも見えるスタンドがつくられたという。米国の衛星が動きを察知した。
そうしたなかでの核燃料取り出しである。北朝鮮外務省は「核兵器庫を増やすのに必要な措置を引き続き講じている」と述べており、核増強が目的であることを示唆している。
危機をひとつ、またひとつと積み重ねていく北朝鮮に憤りを禁じえない。核不拡散体制をいかに実効あるものに改善するか、ニューヨークで続く5年に1回の再検討会議を挑発するかのようだ。
まして核実験となれば、これまでの平和解決を目指す国際的な努力を文字通り吹き飛ばすことになる。国連安保理での制裁論議に直結するし、この地域が軍事的に緊張することにもつながる。暴挙というほかない。
北朝鮮にすれば、危機を極限まで高めていくことで米国を二国間協議の場に引き出したいのだろう。米国が応じなければ、核の量産を続けて核保有国の立場を固める。その延長線に核実験を位置づけているのかもしれない。
今すべきなのは、こうした悪循環を断つことだ。どうすれば袋小路から抜け出せるかを現実的に考える必要がある。
北朝鮮は激しい言動の一方で、米国の意向を心底探りたがっている。「米国が(北朝鮮を)主権国家として認め、6者協議の中で朝米会談をする準備があるとの報道があるが、それが事実かを米側に直接確認して決断する」。北朝鮮の外務省報道官は8日にそう語った。
鍵を握る米国は、北朝鮮との真剣な対話に乗り出すべきだ。 事態を本当に動かせるのは米朝の腹のぶつけ合いだろう。北朝鮮の脅しに譲歩する形になるのを嫌うかもしれないが、 これ以上、瀬戸際外交を続けさせるわけにはいかない。
ブッシュ大統領が金正日総書記のことを「暴君」「危険な人物」となじり、北朝鮮も「人間のくずだ」とやり返す言葉の応酬を繰り返しても、何の益にもならない。話し合う雰囲気をどう醸し出すかが重要なのだ。
中国もエネルギー供給や食糧支援などのつながりをテコに自制を北朝鮮に求め、対話へ戻るよう説得してほしい。日本は米国に対し、協議に応じるようねばり強く促すことだ。
最大の責任が北朝鮮にあるのはいうまでもない。 だが、非難するばかりではこの悪循環に歯止めはかけられない。各国の建設的な努力が求められている。
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