子供のころ親父が大事そうに工具箱からいろんな工具を出して余計なことをしてたのを見て道具フェチになりました。何人もの人に今まで 道具が物を作ってくれるわけではないよ!作るのを便利にするだけだから。って怒られてきましたが、本当に使わなくても道具が大好き。道具は何かを作ったり修理したりするときに役に立つ利便性があるのだが、その利便性あるいは使用価値を度外視して道具自体に惹かれるような心の状態が表現されている。これは蒐集家という言葉と同じような意味で使われるのだろうが、フェチと表現することで蒐集の意味もはっきりする。つまり、そのモノの有用性、利便性、使用価値から離れた場所でそのモノに拘るという心の傾向を指すのが、フェティシズムの意味だろう。注目すべきは、この種の使用法にはあまり否定的な意味が含まれていないという点だ。オタク的蒐集という意味のフェティシズムは、おそらくそのもとの用法であった性的なフェティシズムにあった<倒錯>という否定的な意味が抜け落ちている。利便性や使用価値を無視しているという意味で、本来のものでない<倒錯>であるということも言えるが、そこに否定的な意味合いがないということは、倒錯と言う概念がもはや存在しないなんでもありの時代に生きていることの証かもしれない。
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