2020.05.16
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戦争映画でよく描かれる行動倫理、戦友が傷を負った時にはできるだけ見捨ててはならない。アメリカのプロスポーツで、チーム・メイトが相手チームに傷つけられたら(たとえば、野球の死球やバスケのハード・ファウル)、そのチーム・メイトを守る、これも同じものだ。同胞は守らなければならない、という行動倫理は、多分古代の共同体を維持するために築きあげられた規範で、それが共同幻想となり、文化となり、遺伝子に刷り込まれてきたのだろう。

僕と同い年で最近ガンが見つかった友人が、ある日突然、奥さんから離婚を言い渡された。20数年、仕事上も協力し合って、順調なカップルだと思っていた僕は、言葉を失った。現時点では命に別状はないものの、手術を受けたばかりの<同胞>をなぜこの時期に見捨ててしまうのか。僕が仮に同じような状況になったとしたら(憎み合っているとか暴力を受けているとかではないと仮定して)、とても相手を棄てることはできない、と思う。たとえ、その人を思う気持ちが薄れていたとしてもだ。

しかし、こんな感傷はゴミ箱に投げ捨てて蓋をする時代が来たのかも知れない。

なにしろ、コロナが広がる前にすでに、現アメリカ大統領は新しい行動倫理を「提唱」していた。一つ、ホントとウソの境目はもともと曖昧なものだったが、いまやその違いは完全に消滅した。諸君、もう気にすることはない、嘘は堂々とつけば真実となるのだ、昨日のウソは今日のホント、豹変しない君子はもはや君子ではない。二つ、キミたち国民の利益は私の利益であり、私の利益は私と私の家族の利益である。名分は国民、大義は私にある。その三、権力の構造というのは神の恩寵による存在の連鎖であるからして、下から上への忠誠は絶対であり、諫臣は処刑され、忠臣は大義(つまり私)の犠牲になるのが使命である。大統領が模範を示しているのだから、このミーイズムこそがこれからの時代を牽引する原動力となること間違いない。

ここにコロナというピリ辛味を加えてみよう。もはや、共同体の同胞は、守らなければならない対象ではなく、感染のリスクでしかない。私たちはお互い慣れ親しんではいけない、握手はもちろんハグなどというものは前時代的なセクハラもどきである(セクハラはもどきではなく毅然としてやらなくてはいけない)、マスクをして歩けば道ですれ違う他人に笑顔を見せる必要もない、オキシトシンが出るような行動は極力避けなければならない。ミーイズムに加えて共同体のメンバー同士を疎遠にさせる、新たな行動規範が形成されつつあるのだ。

これを進化と呼ぶ。進化とは種族を維持し・繁栄させるためにある、というか、突然変異した部分の中で残っていくものだけが進化なのだ。そこに善悪はなく、美醜があるのみ。何億という人々と多くの国々が醜にまみれる。

ガンを患う僕の友人は、同居人にとっては老後の生活における経済的リスクかつ介護リスクでしかない。ミーイズムとコロナ・モードが席巻する世界では、捨て去られる運命にある。いや、僕だって同じことだ、古い行動規範を期待して横柄な口を叩いていると、ぬれ落ち葉だか散り椿だか知らないが家庭ゴミとして処分されかねない。戦々恐々、暗雲低迷。





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最終更新日  2020.05.16 17:26:40
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Re:新・進化論(05/16)  
alex99  さん
ひとつの悲しい例が身近におこたとしても

トランプは、私も最悪の範疇の人間だとは思いますが
彼以外は、彼よりひどいという候補者もいないのでは?
まあ、今の国際的な政治風土が
そう言う傾向にある事は事実ですが
私はどちらかというと、ファイターなので
(英国の言い方だと思いますが、米国でも言いますか?)
単純で、諦めは悪い方です(笑)
(2020.05.16 19:37:07)

Re[1]:新・進化論(05/16)  
cozycoach  さん
alex99さんへ

今回は文章のトーンを変えて、アニマル・ファーム風にしたかったんですが、伝わらなかったですか(涙)。こんな世界になるとは思っていませんよ。ただ、トランプ的な倫理観とコロナの影響による行動パターンを組み合わせると、こんな風になるか、という思考実験です。変に、友人の話を挿入したのがいけなかったか。ここは、ひとつレジリエンスでまた頑張らねば。

ファイターって、めげないで戦い続ける人のことですか?トランプは、これだけ叩かれてもめげないんだからすごいファイターですよね、尋常の精神力じゃありません。ただね、人間的に絶対に許せません。

ちょっとAlexさんのコメントの趣旨を誤解してるようです。できれば、clarifyしていただけると助かります!

僕としては、何としても再選を阻止してもらいたのです。これ以上、アメリカの民主主義を壊してほしくない。でもね、いまだに核の支持者は彼を支持しているんですよ。30%くらいかな。 (2020.05.16 20:05:20)

Re[2]:新・進化論(05/16)  
alex99  さん
cozycoachさんへ

以前、何百人もの精神科の医者が
トランプは精神異常、に近いメッセージを出しましたよね
トランプは、ファイターじゃありません
明らかに異常者です

私が米国国民をおかしいと思う点は
それでも40%前後の岩盤支持者がいると言う点で
米国民のモラルや判断力は明らかにおかしい
自分に有利だからトランプを支持する
それだけでは、それはもう、まともとは言えない
バイデンの過去のセクハラが問題になっていて
それは恐らく事実なのでしょうが
トランプのそれは、もう、推挙にいとまが無い

私は東海岸にいたので
プアホワイトやラストベルト労働者
それに原理主義的キリスト教徒
彼等との接点はありませんでしたが
妹の話では
東海岸でも今は黒人がヒスパニックに追い出され散るとのこと
米国もいろいろ変わったんでしょうね

なお、われわれ
お付き合いの歴史は長いですが
それほど深く語り合ってきた関係ではありませんね
それに、個性・思考などで、必ずしもぴったり合う
それに越したことはないが
それはかならずしも、特に現段階では
意識しなくてもいいのではないでしょうか?
完全理解は難しい
人はそれぞれ違う
でも、意見交換できればいい
でれに cozycoachさんは知的レベルが高いですし
私なんか、数多くいた友人とも、かなり喧嘩別れで(笑)
ほとんど残っていません(笑)
それでも一向に平気ですけれど
私は stando alone 状態でも平気な方です
(2020.05.16 21:32:57)

Re[3]:新・進化論(05/16)  
cozycoach  さん
>40%前後の岩盤支持者がいると言う点で米国民のモラルや判断力は明らかにおかしい

異論:政治・宗教・倫理に関する意見については、合理的に判断できる人はあまりいない、ということが実証されているそうです。彼らがトランプを支持するのは、(political correctnessを含めた)今までの政治に飽き飽きしているからでしょう。これは、どんな論理的・合理的な説得をしても、変わらない。そして、この点をもって「モラルや判断力がおかしい」と言っても無駄だし、言えないと思う。向こうから見れば、こちらの人々はモラルや判断力がおかしいのだから。

>人はそれぞれ違うでも、意見交換できればいい

僕は対立することがそれほど好きではないので、不毛な(というのは、上に書いたように、政治・宗教・倫理についての対立は、ほぼ絶対に交わることはないから)議論はあまりしたくない。家庭でもそうだし職場でもそうだったけど、この分野のことについては触れないに越したことはない。だから、一般的な話ですが、意見交換は役に立つ情報とか学術的な理論についてするのが、一番生産的だし面白い。政治・宗教・倫理の話は、フラストレーションがたまるだけで、健康にもよくない。

>cozycoachさんは知的レベルが高いですし

お世辞と受け止めますが、仮に知的レベルが高くても議論には関係ない。

>私なんか、数多くいた友人とも、かなり喧嘩別れで(笑)
ほとんど残っていません(笑)それでも一向に平気ですけれど

喧嘩別れでは必ずしもないのですが、人は去っていきますね。僕の場合は人徳がないということでしょう。平気ではありません。時に悲しいです、しかしそれが現実と受け止めています。結果的に、僕もstand aloneではあります。 (2020.05.17 06:01:05)

Re:新・進化論(05/16)  
tom☆  さん
このコロナ危機で人との関わり方が変わるのは確かですね! ご友人はお気の毒ですが、別れが有れば出会いもあります。 もし夫がガンになったら?、捨てようとは思いませんが 色々面倒くさい事を頼まれるのは想像出来ます。 しかしガン体質では無いと思うので、心配していません! それよりも【これ以上片付けないなら、断捨離するのはまずお前だぞ!】と、考えているのも事実です☆ cozyさんはそこまででは無いと思いますが、用心に越した事はないですよ☆ (2020.05.21 14:26:45)

Re[1]:新・進化論(05/16)  
cozycoach  さん
tom☆さんへ

>cozyさんはそこまででは無いと思いますが、用心に越した事はないですよ

実は、我が家では片付けるという点に関しては、僕の方がまだキレイ好きなので、どちらが用心すべきなのか微妙なところです。僕には僕の問題点が他にあるので(たとえば、片付けないということに対して口うるさい、とか)、総合優勝はどちらに軍配が上がるのか。でもね、「用心する」という言葉には完全に当てはまらないかもしれませんが、自分の問題点を自覚するというのは必要なことですね。僕の友人の場合、原因が全く思い当たらないそうですから、自覚は全くないわけですね。もちろん、まったく非がなく先方の自分勝手という可能性もあるわけですが。 (2020.05.21 17:04:14)

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