「東京ららばい」は中でも芸が細かい。イントロはギターのコードで(原曲のキーで)Gm-A♭-B♭と上がっていき、そこに1965年のブリティッシュロック・アニマルズの「悲しき願い(Don't Let Me Be Misunderstood)」のイントロとニアミスをするようなエレキギターのフレーズが挿入されている。歌の部分を基調部、結合部(あるいは転移部)、サビに分けると、基調部はごく普通の4小節ずつのA・A・B(「午前3時の東京ベイは・・・」)、それに続く結合部ではフラメンコ風のカスタネットが挿入されて続くサビで昂揚する前のモノローグのような寂しさを漂わせている。実際、間奏の後でこの結合部が繰り返されるときには、ドラムもベースも不在で基調の4ビートだけを残して歌声にフラメンコ風ギターの絡まる作りになっている。そして、結合部の終わり(「ねんねんころり寝転んで眠りましょうか」)に続いてエレキギターとベースの裏ビートでサビに繋げ、「東京ららばい、夢がない明日がない」となる。構成が素晴らしく、フラメンコの彩も巧みで、編曲も過度に装飾的でなく、僕にとっては文句ない4位である。