だから、このまきも汚染されてる、それから、この畑も汚染されてる。だから、全部生態系の中に入ってきちゃうんです。
これは自給自足で、こういう料理、日本では絶対ないんですけど、これはトマトの塩漬けという料理なんですね。すごいロシアの人の知恵なんですけど、冬はもうマイナス 30 度、 40 度なので、野菜は買うわけにはいかないんです。お金はないから。スーパーマーケットなんかにも当時は入ってきませんでしたので、これは全部夏の間にとれたトマトを塩漬けして冬の間、食べるんですね。これもリンゴを塩漬けして食べるわけです。
そうすると、冬でも野菜がいっぱいあって、冬はすごいマイナス 30 度、 40 度になってて、 10 、 11 、 12 、 1 、 2 、 3 、 4 は働かないんですよね、ほとんど。朝、コルホーズの乳搾り行って帰ってきたら、もう何もしなくていいという、どんだけ豊かな生活なんだって。
だから、コルホーズの給料が出ないとか、当時、旧ソ連が崩壊したときにみんなデモしてるんですけど、すっごいでぶでぶに太ってて(笑)、どんだけ現金生活してないんだという感じなんですけど、これだけ 1 軒の家で食物を冬の間の分、保存するこれは瓶なんですけど、これだけお母さんね、秋口に全部作り終えて、自然の自給自足でずっとやってきた民族なんです。
これは何かというと、またろくなことしないんだ。お父さんがこれはウォッカを自家製でまたこれも 1 年分保存して、冬の間、飲むんですよね。作るんです。
で、私は、ウォッカの話はちょっとそれちゃうんですけど、お金の価値が下がって本当に大変なときに移住したお母さんが、どうしても移住させられたアパートのどっかを直さなきゃいけないというのにお金がない。そうしたら、田舎でウォッカを醸造する技術を身につけてるから、ミルクのタンクあるんですけど、それにウォッカを醸造して、大工さんにそれで払うという交渉をしたら、大工さんが、じゃあ、やるっていって。それほどお母さんたちが子どもたちを育て上げるのに、あの手この手でやってるのを見たときに、私は本当にベラルーシの人たちってすごいなって思ったんですよね。
これは、放射能というのは、この間、水道の中に入ってるとかって言ってるけど、川も海も汚れて、今度、川底に沈んでいきます。だから、海底からもセシウムが出たというのはそういうことなんですね。上にあるものは下に落ちていきます。
だから、川に流れてって、これは湖なんですけど、水が舞い上がると同時にまた放射能も舞い上がって、これは保養で帰った子どもたちなんですけど(湖で遊ぶ写真)、すごく元気にして帰ったのにこんな放射能にまみれて遊んでるんだと思ったら、すごいぞっとしたんですけどね。
ここもさっき言ったものすごい高汚染の森なんですね。ですので、ここら辺一体もものすごい汚染地帯です。
やっぱり移住することができなかったんですね。みんな農民ばっかりで、そこで汚染されたものを食べて、汚染された環境の中でこうやって生きていくしかないという感じです。
これは、向こうの農村というのは、全部そこの、 3 軒分ぐらいのアヒルなんですね。鶏もそうなんですけど、みんな放し飼いしてるんです。自由に村の中を行き来してて、こういう水たまりとか、こういう芝生、それから木の根元なんかを放射能をはかると、ものすごい高い数値が出てきます。それは水が放射能を運びますので。
で、この母親の胎内の放射能を子どもに移していきます。栄養と勘違いして。だから、現地のお母さんは第一子を産むと、胎内の放射能を子どもに渡すことができるので、お母さんはすごく元気がよくなって、第一子はすごい病気だらけで生まれてくると言われています。
これはうちで保養した子どもですね。大体チェルノブイリから 150 キロぐらいの汚染された村なんですけれども、大体 0.16 マイクロぐらいです。
やっぱりここに全部放射能が入ってる上でほほえんでるんですけど、で、またこれを食べた牛がまた汚染されたミルクを作るので、それで、向こうではミルクをほとんど飲みませんね、子どもたちは。子どもには飲ませてないです。加工用に出してます。汚染地から。
で、おれたちはもう農業を継いでくぞみたいな感じなんですけど、やっぱり生態系の頂点にいるのって人間なんですよね。だから、いろんな動物の口を経て、最後は人間のところに入ってくるとか、本当にこういう自然豊かな中で子どもたちは育ってます。
で、放射能というのは色も味もにおいもないので、わかりません。若干鉄の味するという人はいますけど、それは相当濃い味ですね。
これはさっき言ったまきを燃やしているとこなんですけど、ペチカというロシアの暖炉なんですけど、この裏側で調理ができるようになってる、かまどみたいになってて、で、ここでちょっと子どもたちが寝たりするベッドがあるんですけど、ここはまきをたくと、木の中に放射能が入ってるので、「小さな原子炉」って呼ばれてるんですね。たくと、放射能値がくくくっと上がるんですって。本当かなと思ってやったら、やっぱり 0.16 くらいになったりするんですね。
これは、さっき言ってた 7000 カウント、 1 万カウントの森で、私たちが行くからということで、すぐ隣の森で 4 時間かけて摘んでましたよ、待ってましたよみたいな感じで言われて、えっ、さっきはかってきたあの森で、みたいな感じだったですね。でも、 4 時間そこにいるということはものすごい被曝で、ありがとうと思って食べたんですけど、本当においしかったです。味もにおいも何もしないんですね。何の遜色も起こらないという。本当につらかったですね。子どもたちがこれを食べてるんだなと思うとね。
で、こういう汚染地帯がありますよね。こういうところに入っちゃいけないというふうに、さっきの放射能看板とか、こういう放射能看板があって、遊んじゃいけないとか、入っちゃいけないということを言われていて、すごい最初は国民はぶーぶー言ってたんですね。キノコ狩りもできない、ベリー狩りもできないなんてどういうことだとか、入れさせてくれとか。
でも、とてもじゃないほどの高濃度に汚染されてるわけですから、そうすると、やっぱり子どもたちというのは、そんなことわからないわけで、どうしても入っていって、自分でおなかがすいたら食べたりとかするわけです。それが徹底されてないと、言うことを聞いた子と聞いてない子では体内の汚染値も全然違いますし。
これは加藤登紀子さんの通訳を後にされたトクちゃんという男の子なんですけど、ウクライナに語学留学してて、私たちがベラルーシに行くときいつも通訳で駆けつけてくれてたんですね。
で、トクちゃんが、野呂さん、このカウンター、借りてっていい?って帰るときに言ったんです。で、また来年野呂さんたち来るときに返すからって言ったから、どうするの?って言ったら、自分のキエフに持って帰って、アパートの放射能値知りたいんだって言ったんですね。で、はからないほうがいいんじゃないのって言ったんですね。
放射能の勝てる人と勝てない人というのは、無茶してもだめなんですね。無茶も駄目なんだけど、怖がりすぎても駄目なんですね。もちろん、正しい知識で防衛していかなきゃいけないんですけど、やっぱり、何ていうかしら、最後は、私、トクちゃんもそうだったと思います。全部もう自分の寿命は、私も行くときはものすごい怖いので、寿命は全部天に預けたというふうに考えて、自分たちの体のことは全部天道様に預けました、寿命のことは一切考えませんという形で入ってるんですね。そうでなければ、とてもじゃないけど、怖くて入れないです。
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