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【コンセプト】Inspired by Aman Venice, Italy(アマン ヴェニス、イタリア)16世紀建造の『パラッツォ パパドポリ』にあるアマンヴェニス。歴史あるインテリアにフレスコ画やレリーフ、その空間からインスパイアされた『ウンバー』はラテン語で『影』を意味する。ヴェネチアの豊かさ、オークと革の深さとスパイスの貴重な瞬間を組み合わせた、豊かで重層的な香り。【調香師】Jacques Chabert/ジャック シャベールアマン全7作品担当。【香調】トップ:ローズ、ブラックペッパー、サフランミドル:ナルガモタシプリオール、オレンジブロッサム、ゼラニウムラスト:アンバー、レザー、サンダルウッド■感想:私の好み度<70-75>煙たい石鹸の香り。ダークスモーキー:レザー×ベチバー×ペッパーなローズ。トップは洋酒の木樽からのアルコールと燻したような匂いとブラックペッパーの辛味。数分するとグレープかベリーっぽいリキュール系の濃厚な甘みをほんのり感じます。その背景にはレザー、アンバーが陣取りジロリと睨まれるよう。鼻の奥にツンツンとペッパーの刺激を受け、少し慣れると倉庫の埃っぽさ…暗闇に差し込む月夜の光で目が慣れぼんやりと視界がひらけるような感覚でベチバーやパチュリのような香り(たぶんナルガモタシプリオール)に気づきます。ハードボイルドな世界を思わせるミドルからのエンディングはレザー、アンバーの甘さに、トップとは違う焦げと燻り臭さが重なります。体を動かしたりして体温が上がると、遠ーーーくにローズがレザーと絡みあいねっとりとした香りがフワフワっと。ちなみに『ウンバー』のレザーは香水らしさのあるアニマリックで、ザ・野獣といった獣度はかなり低め。レザー系は苦手で『ウンバー』もスプレーした瞬間からあぁこれはちょっと…と遠ざかっていましたがレビューのために腰を据え3-4日連続して使ったところ香りの良さに気づけました。使うごとにイタリアらしさが増した香り。(水の都ヴェネチアということでウォータリーなイメージではありません)■拡散性・持続性拡散性はやや強めから強め、持続性は長めからかなり長め。使用時間の始めの3割程度は強めですが、中の4割は普通、終わり3割はほどよい感じ。■液の色・ボトル淡いイエロー。細長い円柱形。クリアガラスにゴールドでロゴ&品名。キャップとスプレー部分もゴールド。サイズ:約φ14×h104mm[7.5ml] イギリス製■包装詳細はこちらで。■季節秋冬。1-2月つけることが多いですが雪深い山荘の暖炉の部屋に暮らしているような気分。■年齢30代半ば以降。男性、夜向き。女性は40代後半以降の大人の体臭と相性がよさそう。香水上級者向きの香り。■現代ならこれかも?1970~80年代のアニマル系オリエンタルが好きだけど2020年代に使うには重い…と感じるのであれば『ウンバー』はいいかも?■リピート7.5mlで十分に楽しめた香り。
2024.02.13
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【コンセプト】最も純粋な感情を唯一無二のエッセンスに昇華させたD&G初のブライトグルマン。「ディヴォーション オードパルファム」が象徴するのは、人生において最も崇高な価値、情熱に意味をもたらすときめき、そして大切な人々への感謝の心と寛大さです。D&Gの新時代が幕を開けます。オリヴィエ・クリスプの直感と経験から生まれたフレグランスは、きらめくトップノートと、官能的なベースノートという絶妙なコントラストでイタリアらしさの真髄を表現。マダガスカル産バニラの甘さとオレンジフラワーのフレッシュさが出会い、砂糖漬けのシトラスがグルマンテイストを醸し出しています。光り輝くグルマン調の香りの構成と同じように、ディヴォーション(献身)という刺激的な名前を持つこのフレグランスは、サクレハート(聖心)のオーナメントによってブランドのDNAを力強く表現しています。【調香師】オリヴィエ・クレスプ・D&G『ライトブルー(2001)』『ライトブルー サマーバイブス(2023)』・DIOR『デューンプールオム(1997)』『ミッドナイトプワゾン(2007)』・ニナリッチ『ニナ(2006)』『ニナルージュ(2019)』・ヴァレンティノ『ヴァレンティーナ/2011』・YSL『モンパリEDP(2016)』『 ブラックオピウム(2014) ・ ネオン(2019) ・ イリシットグリーン(2022) ・ オーバーレッド(2024) 』【香調】ブライトグルマンノートトップ:砂糖漬の柑橘ミドル:オレンジブロッサムラスト:バニラ■感想:私の好み度<75>トップは甘くパウダリーなシトラスにラムネのようなクリアでシュワっとした爽やかさも。数分するとメレンゲがのったレモンパイを思わせるお菓子の香り。ただお菓子ではなく、レモン果汁が生っぽくも香水らしくも感じられフルーティーでメルヘンチックなグルマン。ミドル/ラストからはレモンは控えめになりバニラの甘さとラム酒の香りが強くメレンゲをフランベしたような感じ。何かわからないけど温かみのスパイシーとココナッツのような甘さもほんのり。このあたりでは少しやんちゃなパウダリーなグルマン。夜向きだけど陽気で明るさ。この香り方は甘美で大人っぽい。…と『トップ』と『ミドル&ラスト』ではグルマンのパターンが変わる作品。また、他の香水でもいえますが涼しい場所や体温が安定していればトップの印象が長くミドルラストの濃厚さは控えめ。逆であればラストの甘さがしっかり、といった点がはっきりする作品。よって通常よりテスターで確認したほうが良さそうですがどちらにせよグルマン~な香り。ミューズはケイティペリー。デビューから歌声は力強くきれいな子だなぁと好印象でしたが『ディヴォーション』の映像をみるとお茶目さはありながらもマダムなオーラ。マドンナファンとしてはLike A Prayerの彼女を思わせ懐かしい。二人ともブロンドもいいけどブルネットになると瞳の魅力が際立って素敵。■拡散性・持続性拡散性は普通からやや高め。持続性はやや長め。■液の色・ボトル液は淡いピンクオレンジ。ミニチュアボトル、5ml。サイズは約w24×d13×h58mm。イタリア製。ボディはクリアガラスで長方形、フロントのハート型エンブレムはバッグなどでお馴染みのモチーフ。キャップは艶ゴールド。■季節2・3月から5・6月あたりまで。甘さがあるタイプにしてはどっぷりと重くないので暖かい季節まで使えそう。■年齢20代前半までオフィスにも、以降はカジュアル。女性向き。後半の洋酒がでやすいなら学生の夜遊びにも。■リピート5mlで楽しめたのでリピートなし。
2024.06.10
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■コンセプト2020年発売『Les Epures de Parfum Discovery Set』は3種類の香り、各15mlのセット。¥20,460-(@2020.11)・Pur Kinkan Eau de Toilette <ピュール キンカン>・Pur Muguet Eau de Toilette <ピュール ミュゲ>・Pur MAGNOLIA Eau de Toilette <ピュール マニョリア>シンプルで感覚的な美しさを求める人のための「レ ゼピュール ドゥ パルファン」コレクション。カルティエの調香師マチルド・ローランは香水をハイジュエリーのように捉えることで、抗いがたい魅力を放つフレグランスを生み出しました。レ ゼピュール ドゥ パルファンを通して、カルティエは生物の美しさや独特の共鳴を祝福します。レ ゼピュール ドゥ パルファン ピュール ミュゲ、レ ゼピュール ドゥ パルファン ピュール キンカン、レ ゼピュール ドゥ パルファン ピュール マニョリア この上なく写実的で、印象深く、心を揺さぶる3つのフレグランス。■香調:キンカン(kumquat)肌から漂うのはこの香りだけ。柑橘類をこの上なく純粋に表現した香り。■感想:私の好み度<75>スプラッシュ×ビターシトラス。スプレーすると霧が黄金の粒に見えてくるようなキラキラとしたシトラスノート。作品としては複雑ではありませんが香りの変化はおおらかで豊か。トップが数分続くと金柑の甘さの部分、もしくは温州蜜柑のような日本人に馴染みのあるシトラスが広がります。このあたりのシトラスの甘さはディプティック『オイエド』を思い出しました。ミドル以降にはクローブやカーネションっぽい少しスパイシーなローズをほんのり感じますが中心にはシンプルなシトラスの甘さがあり、それが好みの方はリラックスできそう。ラストは香水にある重さはなくさっぱり。「キンカン/金柑」を意識すれば金柑らしさを感じます。柑橘の果皮なのに噛むと苦味よりも甘味が追い越してくる不思議な果実。皮の内側の少しゼリーっぽいところの甘みを深追いし噛むと目の覚める酸味。こうして舌と鼻からの刺激を深く考えてみると、苦味×甘味×酸味が口のなかで広がるフレーバーは「食べられるシトラスフレグランス」として優れたもの。その再現性抜群な香水が「レ ゼピュール ドゥ パルファン ピュール キンカン」!! ■液の色淡いイエロー■拡散性・持続性拡散性はやや弱めから普通、持続性はEDTにしてはやや短め。2-3時間後にはしっかり姿を消してしまうことが多い。■季節春・夏。春の陽気さを感じ始めた頃に使うと自身にもヒョコっと新芽がでてくるような元気と明るさ。■年齢20代以降。ユニセックスですが女性向きなシトラス。普段使いなら年齢・性別問わず。オフィスでも使えますが新人の頃までで20代半ば以降はフローラルやシプレなど何かに寄せたシトラスが雰囲気にあいます。■リピートは?3種類のなかでは一番好きでしたがミニボトル15mlで楽しめたのでレギュラーボトルの購入予定はなし。自宅での気分転換にはとても使いやすかったです。コーダリー『フルールドヴィーニュ/2002』『ゼストドヴィーニュ/2011(生産終了)』が好きな人にはあのフルーティー、爽やか、軽さ、持続などが合うはず。ただ、カルティエといえどEDTで75mlで¥32,340-は高いかな。(2020.11時点では¥28,650-だったけれど、現在の3万超えでは他の香水を選びます)ボトルデザインは、クリアベースに背面に白ベースに網点で写真調の金柑の断面と葉。キャップは艶ゴールド。スプレーは程よい広がり。
2022.06.12
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【コンセプト】Inspired by Aman puri, Thailand(アマンプリ、タイ)プーケットにある『アマンプリ』熱帯の濃い緑に囲まれた宿から長い階段を下りれば白い砂浜。打ち寄せる波、プルメリア、チュベローズにジャスミンのホワイトブーケ、ジューシーなシトラス、ココナッツの心地よい温かさ、肌に溶け込むサンダルウッドとムスク。トロピカルなタイの海岸からインスピレーションを得た作品。【調香師】Jacques Chabert/ジャック シャベールアマン全7作品担当。【香調】トップ:ベルガモット、レモングラス、ココナッツミドル:チューベローズ、ジャスミン、アクアティックノートラスト:ムスク、サンダルウッド■感想:私の好み度<80>クリーミーで軽やか、トロピカルなチュベローズ×ココナッツ。まず香調から『想像』したのは、スピーカーから流れる賑やかな音楽で陽気なビーチボーイ&パーティーガールの若さが弾けるようなココナッツとチュベローズの甘く熱と湿度を感じる香り?ところがこれは静かな浜辺。潮騒をBGMに自分と向き合うための空間に出逢えます。スプレーするとベルガモットとレモングラスでトップらしい煌めきと透明感、それに重なるココナッツとチュベローズにジャスミンはクリーミーな表現でひんやりとしながらも夢見心地なふわりとした始まり。ミドル以降のジャスミンはミュゲのように感じディオール『ディオリシモ EDT(2009)』のフレッシュなグリーンノートを思わせます。アクアティックな表現もこのあたりから感じますがアクア/マリン系が苦手な私でも『ヴァイユ』にはオゾンっぽいとか瓜系っぽさはなく、パウダリーな塩といったイメージで受け入れられます。ラストまでメイン、キーノートとなる『ココナッツとチュベローズ』の香り方が涼しげでエレガント。香りの変化は控えめで霧が晴れていくようなシアーな様子も美しい。アマン作品で一番『南の島でのバカンス』らしい香り。サンスクリット語で『⾵』を意味する『Vayu/ヴァイユ』。コンセプト通りの表現。■拡散性・持続性拡散性は普通、持続性は淡いながらも普通からやや長め。シアーで長く香るため扱いやすく楽しめる。■液の色・ボトル淡いイエロー。細長い円柱形。クリアガラスにゴールドでロゴ&品名。キャップとスプレー部分もゴールド。サイズ:約φ14×h104mm[7.5ml] イギリス製■包装詳細はこちらで。■季節春夏。3月から6-7月アクアティックさがありながらも夏や海を強くイメージさせないため通年でも。■年齢20代後半以降。女性向き。バカンスっぽさはあるけれどふんわりとしたフローラルでキャラクターによってはオフィスでも。10-20代でココナッツの香りが大好きで30代以降に大人なステージに馴染むものを探す方にはとてもおすすめ。■エスティーローダー系に似てるかも?・『ビヨンドパラダイス(2003)』のクリーミーシトラスなガーデニア。・『プレジャーズ(1995)』のチュベローズとミュゲ、ジャスミンのホワイトフローラルっぽさ。あたりの大人の気品漂うクリーミーでウォータリーなフローラル好きなら『ヴァイユ』はおすすめ。エスティーローダーよりも化粧品っぽさが気持ち控えめ。他に思い出したのはコーダリー『ソレイユ(2021)』のココナッツ部分でしたがグリーンやシトラスのビターさとバニラが強く、これとは違うかな。■リピート7.5mlで十分に楽しめた香りでリピなし。
2024.03.28
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【コンセプト】Inspired by Aman jena, Morocco(アマンジェナ、モロッコ)モロッコの伝統芸術のモザイク『Zouaq』、バラ色の砂岩の建物の町マラケシュ『レッドシティ』、食品に香辛料、衣類、金細工と魅惑な迷宮都市『メディナ』ダンジョンからインスパイアされた香水『ZUAC』。【調香師】Jacques Chabert/ジャック シャベールアマン全7作品担当。【香調】トップ:ピンクペッパー、ベルガモット、タンジェリンミドル:クローブの蕾、ベイセントトーマス、サフラン、レザーラスト:フランキンセンス、ラブダナム、ベチバー、パチョリ■感想:私の好み度<80>スモーキーでスパイシーなヒノキとレザー。トップはピンクペッパーらしい華やかなスパイシーさ、ベルガモットとタンジェリンのシトラスの果汁を思わせる酸味は花火のようにパッと煌めく程度のエッセンス、その後につづくのは果皮の苦味でドライフルーツ・スパイスのような香り方。そして何より感じるのはシャープでクリアなヒノキ。檜風呂を思わせる水っぽさも。辛口ジンジャーエールのようにも。ミドルあたりにレザーが加わると真新しい透明感のある革製品の匂い。ここで体温の上昇があると獣の野生感が足され、(獣臭いわけではなく整え美化された感じ)革が強い/メインの作品が苦手な私は少し険しい顔つきになり数分待ちそこを抜けるとベチバー、パチョリのスモーキーで力強い大地を想像させる香りへ。燻製をするときのチップの燻された香り。息苦しい煙たさでなく、いい薫りだぁ…といったスモーキーさ。そこにクローブとベイセントトーマス(ピメンタ)の温かいスパイスのブレンドが重なることで煙・燻しの匂いから『香水』らしさへと導いています。そんなスモーキーは徐々にフランキンセンスの甘さが増すことで4:6くらいの割合で仕上がります。モロッコを旅したことはなく、サハラ砂漠、マラケシュ、タジン鍋、ハリラ、アルガンオイル、バブーシュ、SATCのロケ地…といった私のベタな連想でも「たしかにモロッコっぽい」と納得してしまうストーリー。つけはじめはリラックス感と同時にリフレッシュ感もありますが、15-30分経ちリラックス度がグンと高くなったタイミングを見計らい入眠すれば深く沈むように眠れていた気がします。寝香水にもおすすめ。<家人の反応と評価>私がさまざまな香水を楽しむことを知る夫。『ザァック』の時はいつもと違うとすぐに反応したのをきっかけに感想を求めると・(デパートの化粧品フロアのような)化粧品臭い匂いではないのがいい。・高級感があるいい香り。・(私がたまにつける似合っていない)花の匂いは加齢臭と相性が悪いが、これは加齢臭と合う。とモヤモヤグサグサときましたが高評価。一般的なフローラル要素は低くレザーが強い作品と説明すると「なるほど、面白い、いいんじゃない」と。■拡散性・持続性拡散性はやや強め。持続性は長め。■液の色・ボトル明るいイエロー。細長い円柱形。クリアガラスにゴールドでロゴ&品名。キャップとスプレー部分もゴールド。サイズ:約φ14×h104mm[7.5ml] イギリス製■包装詳細はこちらで。■季節通年。『ザァック』はレザーを感じるものの全体的にヒノキも存在する森林系で意外と日中にも使いやすい香調。ただしレザーの動物的な部分がでやすいなら3月から9月までは避ける。■年齢ユニセックス。やや男性向き。男性の場合、なじむのは30代半ばから。女性なら香水を得意とし、それを認識&許容されているのであれば20代からでも、キリッとしたカッコよさを持ちたい方に。■コムデギャルソンの『ベチバー・パチョリ』を思わせる?『インセンス 京都(2002)』『ザァック』よりやや明るめのヒノキ。『2マン(2004)』スパイシーさ、ベチバー、サフラン、レザーっぽさ。『フロリエンタル(2015)』のピンクペッパー、ラブダナム、ベチバーの感じは近いかも?『ルージュ(2020)』全体的に違うけどピンクペッパー、ラブダナム、パチョリの使い方。■リピート7.5mlで十分楽しめリピートはなし。だが、モロッコはいつか行きたい!
2024.03.29
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2020年9月発売パルファンサトリ『 トライアルセットC 匂いの帝王のお気に入り(1.5ml×5種) 』より■コンセプト辛夷(コブシ)、白木蓮(ハクモクレン)、そして朴(ホオ)の花冬を耐え、固いつぼみの殻がはじけて白い花が咲くなよやかな草花の上で、力強い木の花がどんどんと開いていく朴(ホオ)の花の蕊は、花開く意思を持つ「ハナヒラク」とき、道がひらける■香調:ドライオリエンタル朴の巨木の白い肉厚の花が、大地から得た生命力をみなぎらせて「ハナヒラク」ように、フルーティなトップノートから、マグノリア類に特徴的なクリーミーなフローラルが徐々に姿を現します。存在感あるホワイトフローラルのミドルノートは、マットにもかかわらず内側から光り輝くような明るい香り。ラストは、日本人にはどこか懐かしいみたらし餡や味噌餡の甘さに、イリス、ウッディをバランスよく合わせ、ドライにふんわり香り続けます。アブソリュートやエッセンスなど、花の天然香料をふんだんに使い、質感にこだわりました。肌残りが軽やかです。トップ:クリーミーメロン、ベルガモット、ガルバナムエッセンスミドル:マグノリアエッセンス、チュベローズアブソリュート、ジャスミンアブソリュート、 イリスバター、ローズエッセンス、イランイラン、カモミールブルーラスト:味噌餡、焦がし醤油、ビーズワックス、サンダルウッド、グアイヤックウッド■感想:私の好み度<30>(世界香水ガイド★4→80)生メロン果汁×ホワイトチョコレートトップ1分以内は生々しいメロン果肉の種部分の甘さと微かな苦味と塩味があり、たいへんリアル、かなりリアル、そのまま!とも思えます。香水好きで1000種類は使用・試香してきましたがこれほどの作品は初めて。メロンの漬物のような青さと塩っ気、徐々にクリーミーな甘さが足されメロンクリームソーダのよう。そしてホワイトチョコレートのような甘さでメロンチョコっぽく。トップはそんな多くのイメージが浮かびお腹も満たされそうな展開。ミドルからは、マグノリア、チュベローズ、ジャスミン、イリス、ローズ、イランイラン、カモミール…とフローラル要素がふんだんにつかわれていますが味噌、焦がし醤油との絡み具合のせいか、いずれもねっとりとした花粉の生っぽさ、発酵臭を思わせます。集中すればそれぞれの花の芳香(フローラルさ)を感じ取れますが、この作品の花に当てられたスポットは生っぽさで、しかも際立っています。終始、メロンの香りが中心(どの時間帯でも80%は存在)。果汁、クリームソーダ、チョコレート、と形?は変化していきますがメロンのコース料理のような作品。さて、私の好みが<30>というのはパルファンサトリのなかではもちろんですがここまでの評価は過去に10作品あるかないかといったほど、正直、この香りは苦手を超え嫌いです。直近では断トツ。眠る前に手首につけたところ2時間は寝付けなくなるほど。そもそもメロン・ウリ系は苦手な香りで、食べることも。(でもキュウリを食べるのは好き、キューカンバーの香りは嫌い)辛うじて果肉の部分は美味しさを感じ取れますが、種部分の濃縮された甘さと青臭さは美味しいのだろうと分かるものの好みません。また、食後に濃厚な甘さから喉がイガイガするのもあり苦手。とはいえ、これは好みで受け入れられないだけ。『ヒョウゲ85-90』『サトリ/85』『桜/85』『シルクイリス/75』『ニュアージュ/80』『ソネット/80』はフルボトルを検討するほど魅力的。『ハナヒラク』は対極にありますが、調香師の生み出す力を見せつけられ感服です!■拡散性・持続性拡散性は普通、持続性は普通からやや長め。■季節季節は4月から7月。トロピカルさがあり初夏は特に似合いそう。甘いけれどもべったりとした重さはなく日本の気候だからこそ扱いやすいかも。■年齢年齢は20代後半から。カジュアル。女性向き。男性で似合う人は限られそうですがウッディが出やすければお勧め。なにより、メロンが好きな人には100%おすすめ!■リピートは?ボトル購入はありませんが、数年に一度は試香し再確認したくなる香り。「メロンの香りなら『ハナヒラク』だ!」とインパクトのあった作品。
2022.08.30
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【香調・コンセプト】オレンジブロッサムの純粋さをテーマ。チュニジア産オレンジブロッサム、レバノン産ネロリ、イタリア産ベルガモットで煌めきを表現。コモロ諸島産イランイランとフローラルムスクで繊細に。【調香師】Aurelien Guichard/オーレリアン ギシャール・JPG『ル マル テリブル(2010)』・資生堂『エバーブルーム(2015)』『 マティエール プルミエール 』はオーレリアン ギシャールが2019年に創業。ギシャールの父ジャン ギシャール/Jean Guichardも調香師で手がけた作品は、カルバンクライン『オブセッション(1985)』、パコラバンヌ『ラニュイ(1985)合作』カルティエ『ソープリティ(1995)』、ニナリッチ『レベルドゥリッチ(1996)合作』などで香料会社「ジボダン(旧ルール)」運営のパフューマリースクールの取締役。香水界のボスともいえる父、花の栽培から香水制作まで関わる名家の生まれオーレリアンの真摯な熱い思いは私が使用した三作品からも伝わってきます。展開は全11作品とまだ少ないですが注目したいブランド。( 『ジボダン フレグランス&ビューティー』 )■感想:私の好み度<80-85>シトラス×ホワイトフローラル祭り。トップから透明感と迸る煌めきを思わせるシトラスノート。ネロリのビター、オレンジブロッサムの新鮮な香りがくすみなく、とにかく透明度の高い湖のように不純物を感じさせない香りが開きます。それでいてトップからしっかり骨太。シトラス系にありがちな繊細で消え入る様子がないのはイランイランの引き継ぎ具合が絶妙だからかも。個人的にイランイランがメインの作品はくどさが鼻に残りがちですがこの作品については『ネロリオランジュ』というタイトルを理解し主役を引き立てようとしているイランイランの役目・意志を感じます(笑)香りの個性が強いのにちょっと健気。ネロリ&オレンジブロッサム&ベルガモット6、イランイラン3、ムスク1。ネロリ好きな人におすすめ。個性はないけどネロリをしっかりと、よい素材と思わせる点では優れた作品。成分のことも素人で適当ですがリモネン、リナロール、シトラールといったシトラス系が強めでブチルフェニルメチルプロパナール、ヒドロキシシトロネラール、ファルネソールといったホワイトフローラル(リリー、ミュゲ系)の2つがタッグを組んだ感じでもあります。くだいて表現するならバスクリン系。入浴剤を入れたてのシャープでエッジのある時のイメージ。穏やかな気持ちよりも元気が出てくるようなタイプ。■拡散性・持続性拡散性はやや高め、持続性はやや長め。ネロリ、オレンジにしてはかなりロングラスティング。ネロリ、オレンジブロッサムの扱われ方、原料が優れているのかミドル以降はもちろんラストになっても存在感があり、スカスカになることはなく、ムスクに覆い被さられて終わることもない。香りの変化、強→弱はあるものの、終始一貫してネーミング通りの表現は素晴らしい。■液の色・ボトル液の色は少し淡いイエロー。6mlは、スプレーは自分でセットする仕様。詳細は『パリジャンムスク』で。サイズ:約w20×d20×h58mm[6ml](スプレーなしのキャップの状態ではh48mm)フランス製展開が豊富で試しやすい!ムエット(5€)、1.5ml(5€)、6ml(32€)、50ml(145€)、100ml(205€)。■季節季節は通年。真夏はイランイランの香り方が強い場合は高温多湿の日本では難しいかも。■年齢年齢は20代半ば以降。やや女性向き、男性でも。オフィス可能。年齢を重ねるにつれカジュアル、昼向き。■似てるかも?・セルジュルタンス『フルールドランジェ/オレンジの花(2003)』『ネロリオランジェ』の方がバスクリンっぽく大衆的で、シトラスの割合が多め。『フルールドランジェ』はセルジュルタンスの作品のなかではシンプルめですが香りの変化がドラマティック。・トムフォード『ネロリポルトフィーノ(2011)』2015年に12ml使用。メモ忘れで詳細不明ですがカテゴリーは同じ。トムは大胆でスパークで観光地の整備された自然、マティエールはたおやかで大地のありのままの自然といった違い。■リピートネロリが恋しくなったら6mlをリピート。それにしても100mlの場合この2年で約15€値上がり。香水の趣味もなかなかきびしい。
2023.11.04
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【コンセプト】官能的なコーヒーフローラルのオリジナル『ブラックオピウム』に、魅惑的に輝きジューシーなチェリーで赤く染まった作品『オーバーレッド』は魂からフルーティーな世界に引き込まれるような香り。【調香師】Oliver Cresp/オリヴィエ クレスプ(D&G『ライトブルー』『ディヴォーション』、ミュグレー『エンジェル』、ケンゾー『アムール』)Nathalie Lorson/ナタリー ローソン(ショパール『ウィッシュ』、ディオール『リメンバーミー』、クリスチャンラクロワ『オーフローラル』)Marie Salamagne/マリー サラマーニュ(レプリカ『フラワーマーケット』『ビーチウォーク』『バイザファイアプレイス』)Honorine Blanc/オノリーヌ ブラン(ヴァレンティノ『ヴォーチェヴィヴァ』、グッチ『フローラゴージャスガーデニア』)【香調】コーヒー、チェリー、バニラ、ジャスミン、■感想:私の好み度<80>チェリーフレーバーコーヒーバニラフロート。オリジナル『ブラックオピウム(2014)』のDNAが50-60%は感じられる『ブラックオピウム オーバーレッド(2024)』。スプレー直後からそんな『ブラックオピウムの素』を感知、ほんの少しアーモンドやクマリンを思わせるパウダリーにふんわりチェリー。トップらしいフレッシュさを持ちながらも濃密さのある香り。ミドルに向かうにつれシャープよりなジャスミンが強めに。コーヒー濃度・表現は『ブラックオピウム(2014)』『ネオン(2019)』『イリシットグリーン(2022)』のなかでは控えめですが、このシリーズのキー要素だけに存在はします。ラストまで『ブラックオピウム』らしさとグルマンの甘さは続きますが、『ぺったり』とか『甘ったるい』というすがりつき感はなし。ボディパウダーを塗ったサラサラすべすべとした肌あたりのような浮遊したイメージ。(ただグルマンの甘さが苦手・敏感なら『え?とても甘くてしつこい!』と一喝)ラストに向かうとおだやかなパチュリのスモーキーさが導き『オーバーレッド』の深層にあるエレガントさへたどり着きます。『ブラックオピウム』好きで『チェリー』も好きなら外さない作品。チェリー2.5、バニラ2.5、コーヒー2、フローラル2、ウッディ1■拡散性・持続性拡散性はやや強め、持続性は普通からやや長め。■液の色・ボトルモーヴオレンジ。7.5mlミニチュアボトルは約w39×d16×h54mm、フランス製。クリアなディープレッド、キャップは引き抜く仕様。■季節秋から春。■年齢20代半ば以降。女性向き。夜向き。■チェリーといえば『ロストチェリー』?「濃く甘いチェリー」といえばトムフォード『ロストチェリー(2018)』。チェリー×バニラのそれぞれの作品での比率は似ていますが『オーバーレッド』はシロップ、ゼリー、チェリーコークのようなリキッド系を思わせ、『ロストチェリー』はパイやタルトなど焼菓子の香ばしさをほんのり感じる違いがあります。チェリーが濃厚で安定しているのは『ロストチェリー』。『オーバーレッド』は日によってチェリーが弱くなりその場合はぐぐっとミルク/バニラコーヒーっぽさが強くなりがち。チェリーをドドーン!と楽しみたい時は物足りないけど二作品を比較した場合『オーバーレッド』くらいのバランスが大人のチェリーなのかもしれません。■リピート想像していたドロドロ煮詰まったチェリーではなく意外とライト(思っていたより!)30mlを買うか揺らぐけれどミニチュア7.5mlをのんびり楽しんでいたら『2025年新作 ブラックオピウムXXX リリース』となりそうな気もするので保留。
2024.05.30
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【コンセプト】カプリ島へのロマンチックな逃避行を表現した、ライトブルーの限定版フレグランス。アイコニックなライトブルーの限定版フレグランスは、カラブリア産ベルガモットのフレッシュさ、さらにフルーツの甘さとウッディノートのなめらかさが感じられる香りです。 【調香師】オリヴィエ・クレスプ・D&G『ライトブルー(2001)』・DIOR『デューンプールオム(1997)』『ミッドナイトプワゾン(2007)』・ニナリッチ『ニナ(2006)』『ニナルージュ(2019)』・ヴァレンティノ『ヴァレンティーナ/2011』・YSL『モンパリEDP(2016)』『 ブラックオピウム(2014) ・ ネオン(2019) ・ イリシットグリーン(2022) ・ オーバーレッド(2024) 』【香調】情熱に満ちたフレッシュな香りウッディフルーティトップ:アイコニックなライトブルーのシトラスはそのままに、 カラブリア産ベルガモットのフレッシュで陽気な香りで幕を開けますミドル:旬に収穫した食べごろのピーチの甘さが花開きますラスト:全体のバランスを整えながら、シダーウッドがミステリアスで官能的な余韻を残します ■感想:私の好み度<70-75>ボトルデザインの爽やかなブルーの柄に惹かれ、「久々にライトブルー、買ってみよう!」とジャケ買い。オリジナル『ライトブルーEDT(2001)』を使ったのは2005年。約20年経過してもうっすらと記憶に残る、残させる香り。『ライトブルー サマーバイブス』をスプレーして「あぁーそうそう、こんな感じだった、なつかしい…」とトップからあの『ライトブルーらしさ』が広がります。ひんやりとしたベルガモットの酸味がマイルドなフレッシュさ。そのままで好きな香りだけど、少し爽やかなジャスミンのフローラルも入り徐々にライトブルーの青りんごとバンブーの香りが、新しい友達を紹介するようにピーチとともにやってきます。(でもオリジナルのフルーティーさにもピーチのニュアンスがあったのでピーチ増しといった方が正しいのかも)ここから環境・状態がよければそのまま『ライトブルーにピーチ』の香りが続きフェードアウトします。ですが体温が高めや汗ばむとピーチではあるけれどみずみずしさはなくちょっとゴムっぽさがあり香りが放射状、環状に広がらず、自分の周りでもたついている印象で私にはしつこい感じでやや苦手な香りと香り方。時間がさらに経過するとゴムっぽさは薄まりますがこうなってしまうと果実の生っぽい透明感のある桃からやや遠いイメージ。よって、私が使うには涼しい時限定。グリーンアップル3、ピーチ3、パウダリーバニラ2、シトラス1、ウッディ1ちなみにD&Gでレモンパイな香りなら『デボーション(2023)』レモン、シトラスの表現が上手い・旨いです。■拡散性・持続性拡散性は普通、持続性は普通からやや長め。EDTにしては長め。『ライトブルー』らしい香りを楽しめるのは1時間程度。香水の匂いとしては3-5時間程度の持続。■液の色・ボトル液の色は不明。アイコニックなマヨリカプリントに包まれた長方形のガラスボトル、白いキャップで夏の喜びを表現しています。サイズ:約w49×d24×h124mm[50ml]イタリア製■季節春から初夏。学生なら通年でも。■年齢10代後半以降。女性向き。一番似合うのは10代後半・学生ですが「青春時代を思い出す世代」にもおウチ香水とすれば若い頃に聞いた音楽でキュンと当時へ戻されるように『ライトブルー サマーバイブス』でも心揺さぶることでしょう。■透明感と軽さに甘くキュートなアンニュイな香りから…ふわっと思い出したのはグタール『プチシェリー(1998)』私は洋梨の甘さで『プチシェリー』の方が好きですがどちらも同じラインにある香りです。■リピートなし。今回は完全にジャケ買い。↑こちらは背面。白地ですが光にかざすと残量がなんとなーくわかります。
2024.06.06
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重過ぎないブラックベース(青味の黒)に、・小さな丸型オーロララメ・シルバーの微粒ラメこれまでのグリッター・WHEN LIGHTING STRIKES・BLINDED BY THE LIGHT・CHAMPAGNE SUPERNOVA・BABY I’M A STARモリモリのラメ量であっても透け感はうっすらでもありましたがこの『TWILIGHT TONE』は同じ塗布で透けない濃厚さ(3度塗りで既に透けない)。微粒の砂のようなラメの密度で色がタイトになり仕上りはサンド調。サンドタイプといえばZOYAの『ピクシーダスト』ですが、その黒系『656 DAHLIA』よりもしっかりとした黒味。ザラッとしつつも粗目糖のような鈍い艶も併せ持っている、のに撮れず。ここまでぺたっとした感じではなく、実際はもっといいルックスですよ。この色、撹拌するの忘れて分離気味。ちなみに、写真撮り忘れましたがこの濃紺版が『LOST IN SPACE』です。
2015.03.10
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セフォラキティをアップするために撮影準備中。その前に、どーしてもオススメしたい猛烈にジェリー感がたまらん新色アナスイの608を置いておきます。限定じゃないので急がなくて大丈夫ですが、これはオレンジファン、プルプルジェリーファンはぜぇぇぇぇえーったい買ってください。じっくり検討したい方はリンク先の超拡大画像/800×800で。phは全て二度塗り仕上げ。ちなみに一度でも発色が強いながらもグロッシー。二度塗りでぐっと濃くなりながらも透明感があり特に盛ったわけではないのにこのボリューム!(セシェがやや粘度高くで厚いのはある)日が経過すると気持ち厚みが痩せるものの、塗った当日はジェルネイルといってもよいルックスです。アナスイのネイルポリッシュは、化粧品にもあるローズ系の香りつき。そこそこ香るので「匂いがなぁ…」という人は厳しいかもです。「今年はネイル買いを控えまーす」といいながら初っ端からやられまくりwそのうち、OPI/クラック、ジル/バレンタインもお届けします。。。1-ezflow/basecoat2-ANNA SUI/6083-ANNA SUI/6084-Seche/topcoat
2011.02.07
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2020年9月発売パルファンサトリ『トライアルセットC 匂いの帝王のお気に入り(1.5ml×5種)』より■コンセプト16世紀の茶人「古田織部」は、千利休の「人と違うことをせよ」という教えを忠実に実行し、大胆で自由な気風で、美の新しい価値観を茶の世界に作りました。織部焼の特徴である濃い緑と黒のデザインは、いまもモダンです。 古くは『宗湛日記(そうたんにっき)』に「セト茶碗ヒツミ候也。ヘウケ(ゲ)モノ也」と称賛されたように、織部の「ひょうげもの」という異名も今ではよく知られるようになりました。■香調<グリーンシトラス>ほろ苦い抹茶のグリーンとふわっとした泡立ち。すっきりと立つ個性的な香りのあとには、あたたかくパウダリーな甘さが残ります。他に類のない香りに、古田織部の粋(いき)を重ねて「ひょうげ」と名付けました。男性も女性もお使いいただけるパルファンサトリのシェア-フレグランス。トップ:グリーンリーフ、セージミドル:ジャスミン、バイオレット、パチュリラスト:ウッディ、アイリス■感想:私の好み度<85-90>(世界香水ガイド★4→80)『これは抹茶に玄米茶!』肌に乗せた瞬間から空気の流れがない倉庫から送られてきた荷物のようなやや湿ったカビ臭さ、埃くささを1分程度感じます。それからは茶葉を石臼で挽いているような香りが力強く広がりここで芳香といえます。徐々に丸みを帯びてくるとお茶屋さんから漂う焙煎の香ばしさと甘み同時にみかんを皮ごと直火で焼いたような少し苦い酸味をほんのすこーし感じ『和風のグリーンティー(エリザベスアーデン)』っぽい。中心にあるのは日本茶。最初は抹茶、甘味と香ばしさを感じると玄米茶も思わせます。初めてつけた直後は「???」と首を傾げましたがそれ以降の香りの展開はとても和みます。ラストまでグリーンリーフは中心にあり、ドライダウンのウッディさはステラマッカートニー『ステラ』を思い出しました。ローズ×ピオニー×アンバーで洋酒っぽさのある香りであの感覚が合う人なら系統は違いますが「ひょうげ」は好きだと思います。パルファンサトリはムエットも含みますが8種類を試したところ日本人調香師だからこそ行き着いたと思われる和の表現は心に響き沁みるものが多いです。なかでも『ヒョウゲ』はお茶を嗜む日本人には人気が高いと思います。日本の風土にあった作品が多いので、日本での香水の間口がより広がるきっかけにもなるといいな。<商品名について>2008年発表では『織部』、2019年11月から『ひょうげ』へ。■拡散性・持続性拡散性は普通からやや強め。持続性はやや長めから長め。穏やかな香りですがロングラスティング。■季節季節は通年。日本の夏にたおやかに使える香り。秋冬では程よいお茶の温もりのよう。お正月にも。■年齢年齢は20代半ば以降。ユニセックス。とてもニュートラル。オンオフ使える香り。10-20代の方には若さから漲る溌剌とした力に香水が負けてしまうかも?40代の男性からふわっと香るとセンスの良さ、香水選びの上級者と感じます。■リピートは?パルファンサトリのレギュラーボトルは50ml。30mlがあればすぐに購入する香り。
2022.08.24
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【コンセプト】エーゲ海に浮かぶギリシャのパロス島、潮風を肌で感じる爽やかなセーリングでの心地良い時間を想起させるレプリカ オードトワレ『セーリング デイ』。この香りを纏えば、流れていく潮風を頬で感じ、照りつける太陽の暖かさを背中で感じることができ、目の前には底なしの深い海が広がるでしょう。アクアティックアコードとコリアンダーで再現された深海の爽やかな香り、そしてレッドシーウィードエッセンスとアンバーグリスでウッディ系のアクセントをプラスして表現された水中の香りをお楽しみください。【香調】トップ:アクア、アルデヒド、ジュニパーミドル:コリアンダー、イリス、ローズラスト:シーウィード、アンバーグリス、アンバーウッド■感想:私の好み度<70-75>パウダリーウォーター×ウッディマリン×アルデヒド。スプレーするとキラッとペッパーとジュニパーのフレッシュなスパイシー、追いかけてくるマリンノート。「うーん、マリン系はあまり好きじゃないから2mlを使いこなすのも時間がかかりそう」と思って様子をみるとふわりふわりと船上で体感するおだやかな波の揺れのようにアイリスのパウダリーとローズ。ドライのカモミールのような香りとコリアンダーは浜に打ち上げられたまだ湿った海藻の塩っぽい匂いをうっすらと思わせます。本筋に海らしさはあるけれど、さらにウッディさも加わるのでマリン系が苦手でも飛び込める香り。(逆にマリンノートをメインに感じたい人には物足りないかも?)アルデヒドの存在がしっかりとしているのでやや人工的な硬さがあるけれど、香りの持続がいいです。■拡散性・持続性拡散性は普通。持続性は普通からやや長め。EDTにしてはロングラスティング。■液の色・ボトル淡いライトブルー約φ11×h60mm[2ml] フランス製■季節春から初夏。塩味はあるけど海だ夏だと強く主張しないため通年でも。■年齢20代以降。やや女性向き。フローラル、ウッディの加減によっては男性も、20代ならオフィスも可。■似てるかも?マリン系は詳しくないけれど、似たもの・近いものは多くある香り。■リピートこのマリン系は好きですが、2mlで楽しむのがちょうどよいのでなし。
2023.10.23
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【調香師】Oliver Cresp/オリヴィエ クレスプ(D&G『ライトブルー』『ディヴォーション』、ミュグレー『エンジェル』、ケンゾー『アムール』)Nathalie Lorson/ナタリー ローソン(ショパール『ウィッシュ』、ディオール『リメンバーミー』、クリスチャンラクロワ『オーフローラル』)Marie Salamagne/マリー サラマーニュ(レプリカ『フラワーマーケット』『ビーチウォーク』『バイザファイアプレイス』)Honorine Blanc/オノリーヌ ブラン(ヴァレンティノ『ヴォーチェヴィヴァ』、グッチ『フローラゴージャスガーデニア』)【香調】トップ:ブラックコーヒーミドル:オレンジブロッサム、ドラゴンフルーツ、ジャスミンラスト:シダーウッド、パチュリ、バニラ■感想:私の好み度<70-75>トップはガソリンのようなケミカルな奇妙な匂いを含むもののしっかりとオリジナル『ブラックオピウム(2014)』らしさであるコーヒー×バニラ×ジャスミンを解き放ちます。キーとなる『ドラゴンフルーツ』は不明。というのも果実は外食でサラダやソースの彩り、スーパーで見つけ勢いで買い食べたといった視覚の記憶はあるけど、味覚と嗅覚は覚えておらず…というわけで、キーノートはわからないままですがトロピカル系フルーティ?っぽいところ??ミドルからオリジナルよりもコーヒーらしさがあり淹れたコーヒーよりも焙煎したコーヒー豆の香り。香ばしさ、そしていい意味で焦げた苦味があります。私の場合、このビターさは自身では感じるけど周囲には届かずフルーティーとキャラメルバニラっぽくなるようです。フルーティ3、バニラ3、ジャスミン2、コーヒー1、ウッディ1。■拡散性・持続性拡散性は普通からやや高め、持続性はやや長め。■液の色・ボトル色はオレンジ系?ボトルは正面からは四角、上からみると楕円。前後面に円形で窓、その円中心に水平のラインが側面ぐるっと一周入り液体が見えます。クリアのネオンピンクをベースに窓・水平ライン・底面以外はブラックベースにシルバーラメ。ラメの質感は指先でも凹凸が分かりますが、ひっかかるようなザラつきはありません。窓からは直径5ミリほどのデザイン管が見え、その中にアトマイザーの管。キャップは円柱形にくるみボタンを乗せたような形状。艶の黒地にピンクゴールドでブランド名。30mlボトルサイズは約w63×d26×h96mm、フランス製。■季節秋冬。■年齢20代半ば以降。女性向き。オリジナルよりちょっと砕け気味なのでオフィスはラフな雰囲気なら20代後半以降向き。■『ブラックオピウム』が好きなら…60%受け入れられ、好まれる香り。でも飽きないのはオリジナルかも。■リピート『ブラックオピウム(2014)』『ネオン(2019)』『イシリットグリーン(2022)』『オーバーレッド(2024)』と使ったなかで『ネオン』は私には香水酔いする要素(オゾン系)をたまに感じるためリピはなし。
2024.05.28
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