Comments
Freepage List
『 「火葬代9万円、ビール800円」は中国資本の影響?東京の“民営火葬料”で大幅値上げ…葬儀社3代目が裏側をぶっちゃけ 』
火葬代の相場は、地域によって異なるが、全国平均では約1~2万円だ。今回値上げした火葬場は、民間企業の「東京博善」が運営している。東京23区に9つある火葬場のうち、公営は2カ所のみで、1カ所を除いた6カ所が、東京博善によるものだ。
東京の火葬代は、2020年ごろまで、官民ともに5万円前後だった。しかし東京博善が2021年、燃料費の高騰などを理由に7万5000円へ値上げし、公営も足並みをそろえる形で4000~6500円程度の値上げを行った。
厚生労働省は、管轄する区に対し、東京博善が不当な利益を上げていないか指導監督の徹底を求める通知を出した。渋谷区や新宿区などでは、区議会でも火葬代の高騰を指摘する声があり、聞き取り調査を行ったものの、料金を規制するような行政指導はない。
東京博善は、値上げの理由を「ガス・電気など燃料費の高騰と、火葬炉の維持メンテナンス費用のため」と説明している。火葬技師1級を持ち、葬祭場で働いていた経験のある下駄華緒氏は、「火葬炉内は傷んでいく」と説明する。棺を載せる台車は、高温にさらされて劣化するため、定期的に取り換える必要がある。火葬前に「金属製のものを入れないで」というのにも理由がある。「台に溶けた金属が張り付くが、この台は1日に2、3回使う可能性があるため、取り除かないといけない」。とはいえ「上げ幅は明らかに大きい」と、下駄氏は指摘する。
また、鶴見大学で政治学を教え、時事問題にも取り組む非常勤講師・倉西雅子氏は「中国資本が入ってきたことが大きな変化のきっかけ」と指摘する。東京博善の経営を実質握っているのは、家電免税店で知られるラオックスグループだ。2019年に東京博善の株を取得し、2022年には保有権40%を超える筆頭株主となった。確かに経営体制の変化と値上げのタイミングは合致している。
「独占優良企業だった東京博善の株は投資家にとって魅力的なもの。中国は古来の土葬から火葬に転換する方針を近年示している。良いのか悪いのか別にして、中国の火葬業界をリードしたい思惑があると考えられる」
渋谷区議会では、海外資本と料金変更の関係が追及されたが、渋谷区生活衛生課長は「永続性や非営利性の観点からそこを判断するべきものであって、資本で判断するべきではない」と、海外資本でも問題はないとの考えを示した。
葬儀会社・佐藤葬祭の佐藤信顕代表取締役は、「葬儀をビジネスだけで考えちゃダメだ」と、公益性の観点から警鐘を鳴らす。「9万円で、もうけが5000円なら、みんな納得できる。しかし、もうけが6万円と言われれば納得できない」「人の命の終焉を担う仕事には民間、公営問わず『公益性』が求められる」と力説する。
PR
Keyword Search