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カテゴリ: CDか行
吸血鬼には向いてる職業

作:榎田尤利

小説と、CDと比べながらの感想になります。

原作


吸血鬼には向いてる職業

ドラマCDはこちら


吸血鬼には向いてる職業

あらすじ・・
漫画は友達!のオタク・野迫川藍は、念願かなって漫画編集部に所属となった。
担当する事になったのは、大ヒット作「ゴスちゅる」作家・黒田。

しかし、この黒田。超がつくほど遅筆な上に、セクハラはするし問題大ありな作家だった。
しかも!!締め切りは守らないと豪語したあげくに、自分は吸血鬼だ!と言い出すのだった・・


感想・・・
ルコちゃんシリーズで、喫茶店に居合わせた黒田と野迫川の会話が入っていました。
その時から、あれ?これはひょっとしたら・・私が黒田さん克服する良いきっかけになるかもしれないなぁ~~と言う予感はありました。


おぉおお!!こ、これは!!とかなり夢中になって一気読み!!

近所で起こっている吸血鬼通り魔事件の問題。
超オレ様でやる気のカケラもない黒田に、どうやって締め切りを守らせるのか?と言う・・・編集員としての藍と作家の黒田の対決(大笑)
一方の黒田には、オタクではあっても、クリスチャンの祖母が愛用していた十字架を持つノンケ?の藍をどうやってベッドに連れ込むのか??・・・じゃない、血を吸うのか!!?と言う課題?があります。

後半の「吸血鬼には銀のナイフを」では、吸血鬼を退治する事が出来るダンピールの漫画家が登場し、藍と黒田の間を裂こうとするおまけ対決付き!!
この後半で、単に自分は食料でしかないのか?と悩む藍と。
血を吸わせるのは、自分じゃなく原稿の為なのか?と思っている黒田のすれ違い?も描かれています。

もちろん?ダンピール漫画家・薔薇原のおかげで、藍と黒田の仲は深まると言う寸法なのですが。

この配置が、本当に絶妙も絶妙!!

しかも。
編集者と作家が恋仲になるBLは他にもありそうですよね・・

作品が大好きだった編集員が、その作家さんにも憧れや好感を持ち。
その憧れが恋に変わっていく・・ってありそうじゃないですか??

そうなると、パターン的に(大笑)作家さんが攻めで編集員は受け・・うんうん・・
思い出せないけど、ありそうじゃないですか?!
すぐに思い出せないのが不思議なくらいよ(大笑)


あれは、カメラマンだったもんなぁ~~一応作家と言えるかしらん?

と言う話はおいといて
この作品を一気読みさせたのは。
いかにも!!ありそうなカテゴリなのに、予想を覆すと言うか(大笑)
その枠を越えて面白かったから。

その理由は、藍の性格が素晴らしい!の一言に尽きます。

作品ももちろん大好きだけど。
その前に、編集者として漫画と読者を大事にしている。
ひょっとすると、恋人である作家よりも漫画の方が、原稿の方が大事!!
恋人が吸血鬼である事よりも、原稿が落ちることが大変!!と言い切るくらいの情熱を持っていて。
それを公言出来るところ!!

私と原稿とどっちが価値があるのか? に対して。

卵は大事だけど、それを生む鶏はもっと大事

と答えたのが、最初のベッドシーンの後(大笑)
虚脱状態になり(大笑)微睡みの中、甘い時間を過ごすのかと思いきや、原稿!!!!と叫んだ後の会話なのですから。

当然?
私は雌鳥なのか?と拗ねる黒田に。

雌鳥じゃなくて、吸血鬼でしょ先生は。まあ、べつに雌鳥でも雄鳥でも烏骨鶏でも名古屋コーチンでもいいんですよ、僕は。原稿さえ描いてくれれば

と、すかさずにテンポ良く応酬しちゃうこの楽しさ!!


これはもう、ドラマCDでどう音になったのか・・聞いてみたいっ!と言うわけで。
(藍が平川さん・・・で、脳内変換出来ちゃいましたもの)
11月では、予定になかったこの作品が急遽購入に決定となったわけです。

ほぼ原作通りでしたね(^-^)。
しかも。私の第一印象通り。

ずーっっっっと苦手だった(こら)黒田さんが、この黒田役ならOKOK!!
いやぁ・・・これで、苦手克服出来そうよっ!!とまで思ったくらいなんですもの。

あまり抑揚のない淡々とした低音。
傍若無人なまでのオレ様発言も、似合ってる~~!!(褒めてます)
(って、他の作品ではそれが嫌いだったのだから、勝手なものですね)

そして、情熱編集者で。それをズバリと言ってしまえる藍の平川さんが、また絶妙!!
ちょっと頼りないところはあるけれど、でも一本芯が通っていて。
祖母の葬儀が終わった後、泣きじゃくるシーンは。
私も思わずウルっとしたくらいです。

黒猫の使い魔・ケイトくんの武内さんも、ドンピシャリ!!
語尾のにゃあにゃあが、なんとも可愛いっ!!

ノベルス(しかも、ほぼ一冊分)をドラマCDにすると。
あちこち、削ってくるところがあり。
原作を先に読んで、後からドラマCDを聞いた時には。
その削った部分が気になって、えぇええ??なんて思うのですが。

今回、削っていたのは。
ちゅるのマンガの中の話やセリフなどでした。

ちゅるのセリフに、黒田の孤独や寂しさ、哀しみを見てとる藍。
薔薇原との対決シーンでも、それを思い出して重ね合わせているのですが
それらはほぼ削ってありましたね(^^;
ちゅるのセリフが無くても、まぁ・・・これはOKかな??
あった方が、より詳しくはなったかもしれませんが。

あと、仕方ないかな・・と思えたのは。
他のマンガに対しての榎田さんのオマージュとしてのセリフなど・・・
これが、一個も出てきませんでしたね・・・・

Z、ポーの一族、綿の国星や、佐武と市、サイボーグ009にブラックジャック・・・
ところどころに散りばめられていて、マンガ好きには堪らないお宝発掘(大笑)だったのですが。
これは・・音声ドラマにしちゃうと拙かったのかな?

黒田がピノコ(byブラックジャック)の真似をしたところ、聞いてみたかったわぁ!

かなりべた褒めしていますが。
唯一の難点?と言えるかどうか・・・。
これは、私の感想ですので。
他に聞かれた方がどう思っていらっしゃるかは置いといて。

薔薇原がてらそまさんだったのは、ちょっと誤算(大笑)

年齢不詳だし、黒田さんの対抗馬(゜゜)\バキッ☆で低音のてらそまさんと言うのは解るんですよね。

ただ、自分の中で。
薔薇原は、情熱はあるが技術が時々伴わない・・とあるのと、二十代後半に見える挿絵もあって。
もっと若いイメージがあったんですね。

情熱はなく(当初は・・・が付きますね。藍と出会ってからは、結構情熱持っているみたいです)、ひまつぶしに描いている。技術はあるし、構成力もある黒田。
しかし、情熱はあっても空間パースがあやしくなる薔薇原。

てらそまさんだと、もっとこう・・・落ち着いた技術のある大ベテランっぽく聞こえてしまうんですもの。

でも、テンポも良く。
原作の持つ風合いもそのままで。
久しぶりに繰り返し聞いても楽しい作品に出逢えました。
もちろん?原作ノベルスも、繰り返し読んでニヤニヤしております(^^)v





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最終更新日  2010年12月27日 21時42分45秒
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