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久しぶりの書評となる。なぜなら戦争と平和の2巻と3巻を読み終わるのに時間を要してしまった。1巻目を読み終わって、戦争と平和は全部で四部構成となっているが、今読んでいる光文社の古典新訳文庫は全部で6巻ある。第2巻目を開くと、『第一部の続き』とあった。つまり、1巻目の書評は第一部の途中で書いたことになる。それではなんとなくまとまりが悪いので、第二部を読み終わったところ、即ち6巻中の3巻目を読み終わったところで書評を書く事にした。第二部では戦争の場面はほとんど出てこない。主要人物たちのロシア国内での活動を中心に物語が展開してゆく。フリーメーソンや、イルミナティといったイデオロギーとの関わり、領地運営、猟犬を使っての狩りのシーン、舞踏会や舞台鑑賞のシーン等、大仕掛けな舞台の中で物語は繰り広げられる。登場人物たちはそれぞれ、恋愛、お金、名誉、欲望、そして復讐といった己の目的を遂げるために、あるときは知略をめぐらせ、ある時は情動にかられて行動する。想像力の欠如という愚かさが、人を悪意のないままに悪事に導いてゆく。自分勝手で独りよがりな思いが、容赦なく愛する人を傷つけてゆく。愛すべき登場人物たちがそのような過酷な罠のまわりでふらふらとしているのを、はらはらとしながら読み進めるとあっという間に時間が過ぎてしまう。3巻目を読み終わって丁度半分となった。今のところ年内に読み終わる計画はオンスケジュールである。
2021.11.10
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昨日の事になるが、久しぶりに少しばかり家でぼんやりとする時間が出来た。こんな時間は自動録画機能で撮りだめしておいたドキュメンタリー番組を見るか、NETFLIXで何か面白いプログラムはないかと物色したりとリモコンを片手にソファーに身をゆだねる。そんな中NETFLIXの新番組で『ザ・シンプソンズ』ライクな画風のアニメ『陰謀論のお仕事』という番組に目が止まった。原案は日系アメリカ人の脚本家であるシオン・タケウチ。彼女は『ザ・シンプソンズ』のクリエーターが手掛けた『魔法が解けて』に脚本家として参加してNETFLIXとは縁がある。なんとなくザ・シンプソンズを彷彿とさせるのはアニメーターの中に、当時のスタッフがいるのかもしれない。内容は信じられないぐらいブラック・ブラック。主人公はレーガン・リドリーという女性。彼女は世の中の陰謀を司るコグニート社に勤める科学者。母親は『タミコ』(第6話で登場するアジア系の女性)という名前なので、彼女自身も日本人とのハーフかもしれない。第1話はうつけ者のアメリカ大統領を、AIロボットと入れ替えコグニート社による支配を強化しようというお話。のっけからありえない設定、突拍子も無い展開、そして皮肉に満ちたブラックなメッセージ。1980年代、90年代のカルチャーをふんだんに取り入れながら、ザッカーバーグ氏やベゾス氏なども登場する。むろん誰も彼も散々にデスられる。まだ6話までしか見ていないが1話30分で全10話なので、あと2時間は楽しめそうだ。
2021.11.07
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Kindle unlimited で読むNewsweek日本語版10月26号の特集は『世界に学ぶ至高の文書術』。 いつもブログにへぼい文章をアップしては妻に誤字脱字を指摘してもらい、そそくさと修正している身としては是非とも身に着けたい術である。 この特集の巻頭記事では、元CIA工作員という異色の経歴を持つ同誌のコラムニストが、CIAでのキャリアの中で報告書の作成に実践してきたという原則が紹介されている。それが『KISSの原則』である。 記事の中で『KISS』はKeep it Simple, Stupidの略として記載されている。なぜこれだけ短い標語のわずか4つの単語の内の1つを割いてまで『Stupid』が入っているのか気になったので、この言葉について調べてみた。 元々この言葉は、ロッキード・スカンワークス社で数々の民間機、軍用機の開発に携わったクラレンス・ケリー・ジョンソンという航空技術者の言葉で、彼自身はKeep it Stupid Simpleと言っているようだ。 Keep it Simple、Stupid!だと、「物事は簡潔にしておけ、間抜け!」と訳してしまいそうになる。Keep it Stupid Simpleになると「愚直なほどに簡潔に」と読める。 クラレンス氏が、人を見下しブイブイ言わすような人物でないとすれば、後者の方がしっくりとくる。 他にも『Keep it short and simple』の略という説もでてくるが、当たり前すぎるような気がしてなんだか味気ない。 この言葉はNewsweekの記者が、文書作成に活用していたという事で、セオリーとしては『文章術』に限ったことではない。記事にはCIAでの作戦計画を立てる訓練の時に、「複雑で綿密な計画ほど、想定外の事態が起きた時の対処が困難になる」という教訓と共にこのKISSの原則を教官から教わったと書いてある。 Wikipediaには、この言葉の語り手である航空技術者が「平凡な整備士が戦闘状態の中、一握りの工具で修理ができるようなジェット戦闘機の開発を志した」というような事が書いてある。 Wikipedia:KISSの原則 このブログを読んで頂いている皆様を悩ませたり、迷わせたり、読んだことを後悔させたりせず、簡潔で伝わりやすい文章を書きたいものである。
2021.10.29
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戦争と平和は1巻〜6巻まであり、全編読破後に書評を書こうかと思ったのだが、濃厚かつ壮大なこの物語を最後まで読んでからでは、書評を書くのが何時になるのかわからないが、願わくば年内には完読したい。このような長編はなかなかとっつきにくい。強い精神力や文学への深い造詣が無ければ読み解くことは難しく、電車の座席でページを開こうものなら、瞬く間に寝落ちしてきっと目的地を通り越してしまうに違いないと思っていた。しかし、この本を読み始めてそれは大きな誤解である事に気づいた。なぜなら面白いからである。時に俯瞰で、時にクローズアップして描かれる登場人物が皆人間臭く、心の内と振舞とのギャップがユーモラスに描かれている。正直、こんなに『にやにやしながら読む本』だとは思っていなかった。貴族社会の相続をめぐる話そして、ロシアがヨーロッパを席巻するナポレオンとの戦闘に加わってゆくまさに『平和と戦争』のストーリーもそうした登場人物たちの思惑や、あるいは思惑を超えためぐり合わせ、大きな流れに翻弄される姿などで紡がれてゆく。今回も、光文社新訳シリーズの『主な登場人物』が書かれた『しおり』が大活躍している。
2021.10.20
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先日読んだ『ガラスの塔の殺人』では、登場人物が推理小説のフリークという設定で多くのミステリ小説が登場する。その中でも数ある日本の本格ミステリ小説のなかで、新本格ムーブメントに大輪の花を咲かせたとうたわれている『十角館の殺人』を読んでみた。作者である綾辻行人氏は同じく人気作家の小野不由美さんの伴侶であり、本作の舞台となる大分県出身の夫人の協力を得て、本作の原型となる『追悼の島』が完成したという。著者のデビュー作にして代表作でもある本作は、初版から20年後の2007年に『新装改訂版』として著者自身により筆を加えられている。本作を読んでみると、計算されたプロットや舞台設定、冒頭の一人語りで語られる「枠組み」が非常にしっかりしているために、その中で揺れる人々にリアリティが生まれている。本作が挑戦的な作品であり、その『仕掛け』が秀逸であることはミステリ小説をそれほど多く読んでいない私にも読み取れる。
2021.10.11
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本作は1947年6月に出版された作品である。著者は日本で活躍するタレント『セイン・カミュ』の大叔父に当たるアルベール・カミュである。感染症である『ペスト』によって封鎖された人口20万人の都市の中で、医師として活躍する「ベルナール・リュー」を中心として、ペストという不条理な厄災に翻弄される人々の物語である。70年以上も前に書かれた書籍であるが、突如として現れた『疫病』という存在が人々から、『自由や生活の糧』そして『愛する人々』を奪ってゆく事は、コロナ禍の現代に重ね合わせることができる。医師や、ボランティアは疫病に立ち向かう中、無力感に打ちひしがれるが、必死に犠牲者の立場に立ち続けようとする。登場人物たちはこの不条理さの中で、考え方や、価値観、感情に変化が起きている事に気づいてゆく。新訳で読みやすくなっているせいもあるが、登場人物たちの心情が実にみずみずしく描かれていて、読書を通じて立体的な世界観を味わう事ができる。とは言え、海外作品の人物名は『あれ、この人は誰だっけ?』と立ち止まってしまう事がある。この光文社の新訳シリーズは『しおり』に主要登場人物のが出ている。オラン市のオトン氏などはかなり終盤まで何度もこのしおりのお世話になった。古典などはあまり読む機会もないが、コロナが終息した後の世界はどうなるのかと考えるうえで『ペスト』は今が読むべき時なのかも知れない。
2021.10.09
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今日は昼からジムでの筋トレで、3/7ダンベル・デッドリフト、3/7スキャプラプレーン・サイドレイズ、3/7トライセップス・エクステンション、ショルダープレスなどをこなした後、干渉効果はさておき有酸素のBody Conbatに参加。カタボリックを避けるために朝からしっかり※食べたため、ややもたれ気味での参加となった。※朝食は 焼き塩サケ、サラダ、フルーツヨーグルト、ポトフ、野菜の煮物等 730kcal タンパク質40gをトレーニングの1時間前に完食。もう少し早い時間に食べればよかった。さて、今回の書評は、教科書や様々な自己啓発書でも紹介、引用される『夜と霧』。最近読んだ複数の本でも紹介されていたので、BOOKOFFのオンラインショップで取り寄せて読んでみることにしたのだが、人生の中で『めぐり合えてよかった』と思える本の一冊となった。著者のヴィクトール・E・フランクル氏はフロイト、アドラーに師事して精神医学を学び、心理学者として名声を得ていた。しかしユダヤ人であった彼はナチスドイツにより家族と引き離され強制収容所に収監される。本書は彼自身が捕縛されて強制収容所送りとなり、被収容者として凄惨な日々を過ごしそして解放されるまでの間の人間としてのありようを、心理学者として自分自身の内面を観察と分析をしながら綴っている。真実の体験記であるがゆえに、信じられないほど残酷で非人間的なことも事実であったと受け入れることができる。そして、その先に語られる人間としての『生き方』についてもまた、真理として心に突き刺さってくる。彼の発見した数々の人間の本質は、本書の文脈の中において圧倒的な説得力を持つ。その思いに至る状況があってこそ浮き彫りになるものであって、たとえばその真理の部分の記述をここで引用しても、筆者がそれらの境地に至る道筋が見えないので、そらぞらしく聞こえるかも知れない。そうは知りつつ敢えて抜粋を載せたいと思う。『もはや何も残されていなくても』より人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。『収容所のユーモア』よりユーモアとは、知られているように、ほんの数秒間でも、周囲から距離をとり、状況に打ちひしがれないために、人間という存在にそなわっているなにかなのだ。『精神の自由』より感情の消滅を克服し、あるいは感情の暴走を抑えていた人や、最後に残された精神の自由、つまり周囲はどうあれ「わたし」を見失わなかった英雄的な人の例はぽつぽつと見受けられた。~中略~人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまかという、人間としての最後の自由だけは奪えない、~中略~収容所に入れられた自分がどのような精神的存在になるかについて、何らかの決断を下せるのだ。~中略~(収容所を)抜け出せるかどうかに意味がある生など、その意味は偶然の僥倖(おもいがけない幸せ)に左右されるわで、そんな生はもともと生きるに値しないのだから。次に読む作品は少し軽めの読み物にしよう。
2021.10.03
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先日reviewした、News Dietに続いて、ロルフ・ドベリ氏の著書である。石器時代から機能的には進化していない人類が、現代社会で幸せに生きる為には考え方のアップデートもしくは、反応のアップデートをしたほうが良いという事だと理解した。人類が誕生してから600万年(現生人類は20万年)ずっと狩猟生活を行い、農耕生活が始まったのはわずか1万年前。淘汰の過程において我々の遺伝子に残っている「生き残る為の危機管理」は現代社会には適さない。人間を捕食しようと狙っている生物は一万年前とくらべてずっと少ないし、適切な場所にいる限り寝ている間に襲われる危険性は更に少ない。一方で、現代社会においては新たなる危機が日々アップデートされ猛威を振るっている。テクノロジーの発達は我々の生活を豊かにするだけではなく、絶えず我々の財布の紐を緩ませようと注意を引くことに躍起になっている。世界はどんどんと小さくなり、我々が張り合わなければならない存在は爆発的に増えてゆく。日々、無用な競争に掻き立てられ、期待外れに心を病み、自ら幸福を遠ざけている。本書では、幸せに生きるための52の思考法を紹介している。殆どの部分は人生において『何にフォーカスするのか?』、『何を手放すのか』その線引きを明確にしてゆく事が幸せへの近道であるという内容になっている。こうしてみると多くの事に反応しすぎて、実に無駄に心をすり減らしていると反省する。子どもの運動会でなぜあれほど『ビデオ撮影』が大事だったのか?結局その場にいながらモニター越しにしか子供を見ていない。しかも映像はぶれたり、子供がフレームから外れたりして、大きな画面で見ると船酔いしそうな「がっかり映像」だけが残る。なぜ後悔しか残らない安請け合いをついつい多発してしまうのか?「これは本来自分がやるべき仕事ではない」と思う事に時間がとられることが最もイラつく事だと解っているのに、会社でついつい安請け合いをしている。しかし、上司に対して「ご自分でどうぞ」とはなかなか言えないし、部下はいつも私よりは忙しそうにしている。そういえば、ネットで買い物する際に「お店からの情報をメールで受け取る」のボックスにチェックを入れるのも安請け合いである。そもそもデフォルトでチェックが入っている場合が多く、わざわざ外さなくてはいけない。うっかりこれを外し忘れると「膨大な」ゴミメールを受け取る事になる。ただでさ朝メールボックスを開くのは憂鬱な仕事の一つだ。なぜ自分が考えたり、意見を出したりしても何も変わらない事になぜ首を突っ込んだり、意見を述べたりするのか。不必要な発言は控えるようにしたほうが、辻褄を合わせるために役に立ちもしない事に頭を使わずに済む。自分が一ミリも成長しない『他人との比較』も無意味だ。そうだと解っているのについつい比べてしまうのは、まだ修業が足りないせいなのか、社会が比べるように『煽っている』せいなのか?時折こうした本を読むと少しずつでも生き方が、より生きやすいように修正される気がする。
2021.10.01
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『読書で重要なのは「著者との精神的な議論を交わしている」ように感じることだ』というのは本書の中の一節である。本作の完読は、まさに自身の感じる疑問や逆説について、その答えを求めるてゆくプロセスとなった。本書は『ニュースは我々に悪影響を及ぼすものであり、今すぐ遮断するべきだ』と主張している。これだけ聞いてすんなりと受け入れることが出来る人は少ないと思うが、指摘される『ニュースの有毒性』には一つ一つ説得力がある。今や、新聞やテレビだけではなく、PCやスマホによって我々は『一日中、ニュースに追い回されている』。我々を追いまわすニュースの多くは広告収入によって無償で提供される一方で、我々から有償無償の『クリックの報酬』を得ている。これらのニュースの殆どは我々には何の役にも立たないし、自分ではどうする事も出来ないことへの無力感や、不必要な羨望を呼び起こし我々をストレスにさらしている。そして何より我々の最も貴重な資産である『時間』を大量に奪ってゆく。一方、ニュースによりメリットを受けているのは『ニュースを提供する事により得られる広告収入』を得ているニュースの発信者、報道されることにより知名度や影響力を上げる『有名人』や『テロリスト』である。ニュースの発信者はますます巧に消費者の好む、センセーショナルで扇動的で、人物にフォーカスしたジャンクな情報を数多く発信する。こうしたニュースに晒され、我々は「不要な」恐怖や不安、嘆きや同情を抱き、影響を受けやすくなっている。また、個人からの『クリックの報酬』を得る技術はますます洗練されてゆく。既に我々は個人の嗜好を分析され、我々が好む情報を提供されるようになっている。私のスマホに飛び込んでくるのは『ダイエット』や『トレーニング』に関する情報がほとんどであるが、一通り読むと、どれもコピペの使いまわされた情報であることに気づく。~ ~ ~ ~ニースを断つことによって、社会との繋がりや時事問題への認識が薄くなってしまう事に不安はないのか?現在我々に提供されているニュースは、事実である事や、背景への理解よりも『鮮度』が重要視されいる。出来事の検証や、分析、事実の確認には時間がかかる。著者はこの問いに対し、少なくともジャーナリズムが公平な立場からの検証を加えた、記事やドキュメンタリーあるいは書籍を読むべきだとしている。最新のニュースに疎くとも、周囲が喜んでそれを教えてくれるから、人との会話に困る事もない。我々は『いち早く知る事』よりも『より深く知る事』に重点を置けばよい。
2021.09.25
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映画『鹿の王』はもともと、2020年9月に上映予定だったが、新型コロナの影響で2回にわたり公開がえんきされ、現在もまだ公開日は未定である。原作は2014年に発表され、翌2015年の本屋大賞第一位に輝いている『鹿の王』。作者は『精霊の守り人』などで知られる上橋菜穂子で、この年、「児童文学への永遠の寄与」に対する表彰である『国際アンデルセン賞』を受賞している。先日、『BOOKOFF』をぶらついているときにたまたま見かけ購入したのだが、実は上下巻のセットのつもりで上巻を2冊購入してしまった。その後、BOOKOFFに立ち寄っても、下巻は売っておらず、単行本の上巻と文庫本の第3巻、第4巻で完読した。本作の重要なカギを握るのは『感染症』であり、2015年の日本医療小説大賞も受賞している。コロナ禍で映画の公開が延期されているのも、あまりにタイムリー過ぎるテーマ故かもしれない。著者の作品は初めて読んだのだが、その筆力に圧倒される。ファンタジーの世界であるのに、手に取るように情景が浮かんでくる。背景となる国、部族、家族、そしてその中で生きる人々の習慣や考え方までが細かく描かれており、どこかに事世界が実在するのではないかと思わせる。物語の展開のスピードの小気味よさ、感染症をめぐる謎と陰謀、幾層にも折り重なる人間模様、正義とは何かというテーマに心躍らせながら後半は息をするのも忘れるくらいに没頭してしまった。映画も楽しみである。
2021.09.23
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アドラー心理学に出合ったのは今から5年ほど前、チリのサンチャゴに住んでいた時である。日本から遠く離れた場所での生活となる駐在員や家族のメンタルサポートをするために、社内カウンセラーの方に日本からお越しいただき、講演と希望者との面接をしていただいた。その際にカウンセラーの方から、『アサーティブコミュニケーション』についてのお話を頂いたのだが、当時私が悩んでいた事へのド直球のアプローチであった。海外で活動する日本人は、言いたいこと、言うべき事を言わずにいることによって、トラブルになったり、周囲から評価されないという事例がある。そしてなにより言われっぱなしで溜め込んでしまう事による本人のストレスも大きくなる。率直で対等な自己表現のスキルである『アサーティブコミュニケーション』はまさに当時の私に必要なものであった。アサーティブコミュニケーションについていろいろな書籍を取り寄せて勉強しているうちに、『勇気づけ』のアドラー心理学に出合った。前置きが長くなったが、D・カーネギーの『人を動かす』でも登場したアドラーに関する本が改めて読みたくなり本書を手に取った。因みに『人を動かす』ではアドラーの次の言葉が引用されている。「他人の事に関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける。人間のあらゆる失敗はそういう人たちの間から生まれる」本書は、アドラー心理学についての基本と実例についてアドラー心理学の大家である「平本あきお氏」と慶応大学教授である「前野 隆司氏」の対話形式で解説している。前野隆司氏平本あきお氏内容はアドラー心理学がわかりやすく整理されていて、実践しやすいようになっている。アドラー心理学はいわゆる心理分析ではなく、人を救う事を目的としている。大きな違いは、「起きている現象の原因を分析し、悪い部分を見つけて治す」のではなく、その人が「どうなりたいかに注目し、寄り添って勇気づけを行ってゆく」という事。みんなが勇気づけのコミュニケーションができれば世の中はもっと幸せに満ち溢れるだろうが、我々が日常的なコミュニケーションの中でついつい発している言葉が、相手に勇気を与えるどころか「勇気くじき」になっている可能性もある。本書を読んでいるとそんな気づきも出てくる。臨床心理士になるわけではないが、勇気づけのコミュニケーションによって幸せを増やしてゆきたい。また、長年心の中で引っかかっていたアドラーの言う「人と比べない事」に関する答えも見つかった。成長するためには何かと比べないといけないと思っていたのだが、「人と比べるのではなく、過去の自分と比較して、現在の自分の成長を感じとる」のだ。ジャンピング・ニーは隣の人より高く飛ぶのではない、昨日の自分より高く飛ぶのだ。
2021.09.15
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自己啓発の本を何冊か読んでいると、同じような言い回しや、同じことを別の言い方をしているだけという事が少なくない。流行りの自己啓発も、蓋を開ければネタ本のつぎはぎだったりする場合もある。なのでたまには古典的な、名著と呼ばれるものにも目を通しておきたい。著者のディール・カーネギー氏は1888年に生まれ、1955年に没している。本著『人を動かす』の初版は1936年に出版され、翌37年には早くも創元社から翻訳本が出版されていている。本書では歴史的な背景はあまり出てこないが、当時の米国経済は1929年の世界大恐慌から、ルーズベルトによりニューディール政策が導入され回復期にあった。本書が例として引いている人物譚は、更に時代をさかのぼったものが多い。著者がリンカーンの研究家としてその足跡に造詣が深いことから、南北戦争の故事と共にたびたび引き合いに登場する。しかし、今現在も生きている生々しい人物の成功話を読むよりも、より人間味を感じるのはなぜだろう。挿話はどれもシンプルな人物像として描かれてはいるものの、誰もがその結末を知っている人物の話の方が説得力があるように感じてしまう。本の中身は「人間の本質的な要求」の原理を知り、豊かな人間関係を築こうというもの。人は誰でも承認要求があり、自分が重要であると認められたい。同時に他人からの批判は苦痛であり、そのような危険にさらされると自己防衛をしようとする。議論で他人に勝ったり、自分の正しさを証明することからは自己満足以外に何も得られない。敗者から得られるのは、尊敬や敬意ではなく、やり込められたことに対する敵愾心や恨みしかない。相手に興味を持って話をきちんと聞き、相手を称賛し、こちらが相手を重要であると認めている事に相手が気が付けば、相手はより寛容になる。そして良い関係を気づくことができるという。私はイソップ寓話の『北風と太陽』が好きである。本書でも『他者に対する厳しい態度は、その人物の自発的な行動を促すことはできない』という事の引き合いに出されている。社会的な立場が上になると、ついつい北風を吹かそうとする御仁も多いが、実ほどに頭を垂れる稲穂のようになりたいものである。
2021.09.09
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本日は、ジムで3/7インクライン・ダンベルフライ、インクライン・ダンベルプレスの筋トレ二種目とBody Combatを行った。ジムに行く前に、読み終わった本の書評。今回はミステリである。以前は京極夏彦や、パトリシア・コーンウェル等を読んでいたが、その後の読書離れもあって久しくにミステリ作品を読むことが無かった。久々のミステリ小説ということもあり、小説の中にミステリの要素があるという事を期待していたが、本作はミステリそのものがテーマであり、小説として文章で書かれたパズルであると感じた。同時に本作品は古典から新本格ミステリのファンに捧げる『宝箱』的な要素があり、あまりミステリ作品を読んでいない、特に1987年以降の国内本格ミステリはほとんど読んでいない私は、ミステリの知識不足を嘆くしかなかった。またまた、読まなければならない本が増える一方だ。良いミステリでの楽しみの一つは、名探偵が滔々と事件の謎や背景について語るとき、あるいは着々と真相に近づきつつある時の犯人の心模様である。昔、テレビシリーズで何度も放送された刑事コロンボでは、毎回しょっぱなに犯行が行われる。ピータ・セラーズ演じる、『冴えない刑事コロンボ』の風貌に、最初は安心感、もしくはうまく丸め込めるのではないかとの期待を覚える犯人は、一見すると事件とは直接関係の無いような、何気ない質問をしつこく繰り返す厚かましい男の態度に次第にイライラとしだす。視聴者は、コロンボの洞察の鋭さと同時に、追い詰められてゆく犯人の心境の変化に注目する。心臓が口から飛び出しそうになる、口の中がからからになって呂律が回らなくなる。呼吸ができなくなり酸欠で皮膚がピリピリとする。そうした局面は日常ではあまり起きない。というか起きてほしくない。小説を読んででそうした感覚を疑似的に味わう事ができるのは素晴らしい体験である。
2021.09.05
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今日の筋トレはベンチプレスと、3/7ダンベルフライ、3/7スキャプラプレーン・サイドレイズ、インクラインダンベルプレスの4種目。 最後は〆のBody Combatで一日の体力をすべて使い切ってしまい、いまはほぼ抜け殻である。 さて書評。 今回は海外の作家による、占領下の東京を舞台に描いた小説『TOKYO REDUX』でテーマは下山事件。 本書は3部構成になっており、第一部は事件発生当時の1949年、第二部は東京オリンピック直前の1964 年、第三部は昭和の終わりである1988年と三つの時代、三つの視点から描かれている。 物語は時には一人称で語られ、時には三人称になり、回想や妄想、史実とフィクション、そしてリフレインが折り重なるノワール文学にどんどんと引き込まれてゆく。 本書の中でGHQの存在感は大きい。1945年のポツダム宣言受諾から1952年まで、東京は、日本は占領下にあったという事実を思い知らされる。 訳者あとがきでGHQの組織について簡単に触れているが、ここは最初に見ておくべきだった。というのも第一部はGHQの捜査官を中心に物語が進んでゆくのだが、読んでいるときはその組織的背景がよくわからなかった。GHQや当時の時代背景をもう少し詳しく知りたくなったので、勉強してみようと思う。 作者であるDavid Pace氏は、私より1つ年下の1967年英国生まれで、1994年に日本に移住し作家活動と東京大学の講師をしている。本作は<東京三部作>の完結編に当たるらしいのだが、前の二作はまだ読んでいない。海外でも高く評価され、「このミステリーがすごい」の上位にも入っている。是非読んでみようと思う。 作者の筆力か訳者がすごいのか、文体は海外の作家とは思えないような日本語表現が多く、情景が染みてくる。そうかと思えば、海外の方から見た日本人というのも浮き彫りとなっている。中でもうなったのは、第三部の主人公を主治医を嗜める場面でのセリフ。 『彼ら(日本人)は先の事を計画する能力が全然ないんだ~中略~いつも最悪の事は起きないはずだと期待して、起きた時には仕方がないと言う。できることは何もないとか何とかね。』 あるあるであるある。
2021.09.01
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本書はOUTPUT大全の著者である樺沢紫苑氏の書籍である。『幸福』のメカニズムについて、脳内物質に焦点を当て幸せを感じるプロセスと、より多く『幸福』を感じるためのコツを解説している。Audiobookで無料配信中だったのでダウンロードした。『幸福』には感じ取る幸せと、獲得する『幸福』があるという。感じ取る幸せとは脳内物質である「セロトニン」、「オキシトシン」によってもたらされる『幸福』である。獲得する『幸福』は同じく脳内物質の「ドーパミン」によってもたらされる幸福。これが著者の言う3つの幸福である。「セロトニン」は幸せホルモンなどとも呼ばれているが、心の平穏やすがすがしさといった幸福感をもたらすという。メラトニンとの組み合わせで睡眠リズム等の体内時計の調整や、食欲の抑制などにも関連している。目覚め後に日の光を浴びたり、必須たんぱく質であるトリプトファンの摂取、適度な運動等がセロトニンを増やすために効果的と言われている。また、この『幸福』はすべての基礎となており、睡眠や運動、食事などの健康管理は『幸福』を感じるためにも重要だという。「オキシトシン」も幸せホルモンの一つと呼ばれている。恋人や家族、友人やペット等との「繋がり」に関する幸福感をもたらす。安心感や痛みの緩和などにも関連しているという。スキンシップや、他者への貢献などによって増えるらしい。家族や友人と食事している時にじんわり湧き出す幸福感は「オキシトシン」また痛いのが飛んでゆくのも「オキシトシン」効果なのだろう。「ドーパミン」は新しい刺激や、欲しいものを獲得した時の幸福感をもたらすが、上記の2つに比べ劣化しやすい。劣化とは同じ刺激を受けても『幸福』を感じづらくなってしまうというもので、求めすぎるときりがなくなる。本書では、これら3つの『幸福』に気づく、感じる、高めるためのコツなどを紹介している。
2021.08.19
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今朝は7時半からBody Combatのクラスに出席するため、5時半に起床。あまりぎりぎりに起きると体が動かずに怪我の元ととなる。我ながらよくやるとも思うが、いつも通りクラスは満室状態で、朝っぱらからよくやる人は意外と多い。10時過ぎに帰宅し、台所に立ったり、メールをチェックしたりしながら、Audibleで『2040年の未来予想』という書籍のオーディオファイルを聴いた。再生時間5時間10分であるが、2倍速で聞くと約2時間半なので映画一本を見るほどの時間である。視覚をふさがないので『ながら』聞きができるのが良い。著者の成毛眞氏はマイクロソフト日本法人の元代表取締役社長という経歴で、Wikipediaによれば今日まで数多くの本を執筆されている。私自身は本書が初めてとなる。本書は主に日本の未来について現時点のデータおよび傾向から推測される20年後(あるいはもっと短期であったり長期)の可能性について『予測』している。年金問題やGDP、予測される災害などについて総じて日本の未来は暗いが、テクノロジーの進化によって、回避もしくは影響を小さくすることができるかも知れないと本書は述べている。そして若者は(多少のレバレッジでは変えようのない)日本の未来と共に沈没するのではなく、世界に目を向けて生き延びてほしいと語りかけている。(本書でそこまで極端な物言いはしていないが恐らくそういう事だと思う。)私が10年以上使っているメールアドレスにも2040という数字が入っている。それは2040年に自分がどの様に暮らしているのかを常に想像しながら生きたいと考えたからである。2040年に現在と変わらない暮らしをしているというのが、最大のフィクションなのかも知れない。楽観的に考えても74歳になってジャンピング・ニーは今ほど高くは飛べないだろう。逆に、現在より高く飛べるようなスーツを着てクラスに出ているかもしれない。
2021.08.13
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言わずと知れた、自己啓発書の金字塔である。今年に入ってから「習慣」についての書籍を数冊読み、そういえば大御所の本には何と書いてあったかと思い出そうとしたが思い出せない。家のどこかにあったはずと、本棚をかき回したが見当たらず、「もしかしたら読んでいないのかも疑惑」が浮上したため、急遽Book Offで購入した。いざページをめくってみると、既読感覚はあるものの、新しい発見もある。読んでいたとしてもアウトプットをせずに知識をほったらかしていたのだから、改めて名著を読む機会を得たのは良い事である。本書では、学んだことを48時間以内に他の人分かち合う、もしくは話し合う事を前提に読んでほしいとしており、アウトプットを前提としたインプットの重要性を説いている。今回は本書の第三の習慣に焦点を当てる。第三の習慣では重要事項を優先する事を述べているが、最も意識して時間を割くべき事は重要だが緊急度は低いものであるという。改めて考えてみると実に多くの時間が自分の人生と全く関係ない事に割かれており、逆に重要な事が後回しとなっている。原書が初めて世に出たのは1989年(平成元年)であり、当時人々の生活を『邪魔する』ものはTVだけであったが、今日はより身近にスマホという『小悪魔』を飼っている。我々はこの『ペット』に飼われている状態に陥るのは避けたい。その為には、自分の役割を自ら定義し、各々の役割毎の目標を設定しスケジュールを立てるのが役に立つという。一週間単位でのスケジュール、目標管理を推奨しているので、さっそく始めて見た。本書では複数の役割と各々の目標、スケジュールを週間予定に書きこむようになっているが、まずは一つずつということで、今週の目標は「7時間睡眠」である。睡眠時間を確保する為に、スマホの『ペット』ではなく『管理者』である私は、スマホが自動的に白黒モードになる時間を10時にセットし、その時間に以降はスマホは見ないと決意する。
2021.08.11
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新書を手に取るのは久しぶりだったが、力の入った装丁のカバーにひかれてつい購入してしまった。「人新生」とは人類の活動の痕跡が地球の表面を覆いつくしたことから、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツエンが提唱する地質的な新たな年代の事を指す。産業革命以降、人々は自然と共に生きるという生活の豊かさを放棄させられ、貨幣を含む人工的な希少価値の為に、都市での不必要な労働を強いられ、時間を奪われてきた。資源は再生可能な形ではなく、搾取という形で資本に取り込まれそのつけは弱者に回る。本書に出てくる、『グリーン革命』という本を以前に読んだことがある。再生可能エネルギーの普及や、グリーン社会の発展に伴う新たな雇用や経済発展の可能性があると当時は期待したが、今やそうした技術革新だけでは到底間に合わないほど、「ポイント・オブ・ノーリターン」(取り返しのつかない地点)に近づいているという。奇しくも昨日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「人間の影響が大気、海洋および陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がない、大気、海洋、氷雪圏及び生物圏において、広範囲かつ急激な変化が表れてる」と公表した。国連もこの報告を「人類の赤信号」だとしている。2030年までに温室効果ガスの排出量を半減できればまだ希望はあるというのだが。。あと10年しかない。本書に戻ると、著者は成長を継続してゆくという現在のパラダイムから脱却しなければならないと警告している。
2021.08.10
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先週会社で「本に書いてあることを実践してみよう」という事で5冊の本を紹介し、一週間が経ちフォローアップのレターをしたためた。図書費で書籍代を負担する事にしているが、本の紹介が押しつけがましかったのか、メンバーの1/4の方しか本を選んでくれていない模様💦やはり押しつけがましいのかも知れない。
2021.08.02
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小説の書評というのは何を書いてもネタバレになってしまう。そう思って小説の書評は書いていなかったが、ネタバレせずに面白さを伝える事に挑戦してみる。 ある日、書店でこの本を見かけ、すごく気になっていたのだが当日は購入せずにいたのだが、いざ読みたいなと再び書店を訪れるとなんと売り切れている。 8月29日に閉店となる池袋丸井の7階にも書店があったなと思い尋ねたが、書店すら見当たらなかった。 その後、数件の書店を探したがどこも売り切れており、ようやく入手できた一冊。 本作は単行本で553ページと結構なボリュームであるが、一気に読めてしまう。 謎めいたタイトル、アステカ文明、カルテルと好奇心を煽る設定に、麻薬、臓器売買、暴力という恐怖のスパイスが効いている。 読み進める内に、フィクションとは知りながも、現実社会の裏側にあたかもパラレルワールドの如く闇が蔓延っているという恐怖がジワリと湧いてくる。 これは、魔物や妖怪の話ではない。人物描写にデフォルメはあっても、それぞれがもつ信念に突き動かされて行動する登場人物が交錯する様は、まるで化学反応を見ているように鮮やかである。 読んでいて気になったのは、文中にルビが多い事。ものすごく小さなカタカナが漢字の横にふってある。スペイン語をちらりと(チリで)かじっているので、なんと書いてあるのか気になるのだが、リーディンググラス(老眼鏡)をかけていてもそのカタカナを読むには相当なメジカラと想像力が必要となる。
2021.07.30
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今日はコラボ企画で会社の勉強会用に作成したパワポを転用。テーマはInputとOutputについてまずはINPUTの種類について紹介。読むについては読書だけではなく、新聞や雑誌やPCやスマホのサイトなんかも含まれるなと、プレゼンをしている最中に気づく。本を読むだけでは、効果が出ないという話。OUTPUTをすることで、記憶を強化するという話。自慢か?どれもいままでブログで紹介している本。みんなが本に書いてあることを試してみるきっかけを作れたらいいなと願う。ちなみに、今回はPowerPointの資料をJPEGにエクスポートしてブログを作成している。
2021.07.26
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本日は筋トレではなく脳トレ昨日レビューで紹介したLIMITLESSの第14章 誰でも読書スピードを速くできる技法に書かれていた速読を早速試してみることにした。まずは、自分の読書速度の測定で、2分間で読める文字数を測定する。私の場合は540文字/分であった。日本の平均文字数は400~600だというので、ローガンな私にしてはまずまずのスピードといえる。次に、同じことを指で文字をなぞりながら行い、この結果は620文字/分で約15%スピードがアップした。そしてここからトレーニングに入るのだが、①4分間で指でガイドをしながら読書し、同じ範囲を②3分間、③2分間と短い時間で文字を追うようにする。最後は④1分間で指でなぞるのだが、今回は時間切れになってしまった。そしてこのトレーニングを行った後、再度読書速度を測定すると、、、なんと840文字/分(56%UP)まで速度が上がっているではないか。途中意識したのは、文字をできるだけ言葉ではなくイメージで捉えてゆくこと。こうする事で、自分のしゃべるスピードに縛られてしまう、サブボーカリゼーション(心の中で声に出して読んでしまう)を避けることができる。また、サブボーカリゼーションしそうになったら、敢えて指の速度を上げてしまうのもありかも知れない。著者のジム・クウィック氏によれば、脳トレは筋トレと同じでストレスをかけないと意味が無く、読む速度を上げることで情報量を増やし脳にストレスをかけ、効果的に鍛えることができるという。また、日々の鍛錬で読むスピードはどんどん速くなるらしい。今回練習用にはこちらの書籍を使わせて頂いた。情景をアニメで思い浮かべながら読んでいるので、私の頭の中ではアニメ化が完了している。
2021.07.21
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今回は書評LIMITLESS 超加速学習ー人生を変える「学び方」の授業出版社 東洋経済新報社発売日 2021年1月29日著者 ジム・クウィックAmaznon LIMITLESS本書は幼いころの事故で脳に損傷を負ったことから読書すら困難な状態なであった学生時代を過ごしながら、自ら学習方法に目覚め、現在は脳の能力を最大限に引き出す超加速学習のエキスパートして活躍する著者による自己啓発学習の書籍である。何やらSF的でオカルト的な雰囲気さえ漂うタイトルではあるが、著者の説く学習方法は無理のない身近なものに感じることができる。本書で人間の脳のすばらしさ、そしてその能力を最大限に活かす方法を述べている。そう聞くと難し気な化学物質やら、脳の部位の働きや仕組みなどとっつきにくいテーマになるのかと思いきや、そうではない。本の前半部分は思い込みや、間違えた認識、集中力や意欲を邪魔するものを取り除く事、脳を健康に保つ生活習慣を身に着けることなどが書かれている。以前に書評を書いたATMIC HABITのジェイムス・クリアー氏や、TINY HABITSのB.J. フォッグ氏も登場する。後半は具体的な学習方法について書かれている。効果的な学習と記憶方法、読書が脳に与えるポジティブな影響と読書の速度を上げる方法、そして物事を多様な角度から捉えることによって、見えなかったものの発見、思いつかなかった事への気づきを得る方法へのアプローチを説いている。どれも、やってみればきっとできるようになるだろうと思えるような方法である。本書の最後で著者は、本書で学んだ知識を使って「まずは何か一つやってみよう」と語りかけている。本書で紹介されている速読はいわゆる、パラパラ漫画をみるようなスピードでページをめくったり、ページを一瞬見ただけでその内容が理解できるというようなマジカルなものではなく、指でなぞる事により同じところを何度も読んだり、少し前に戻るような非効率な読み方をしないようにしたり、心の中で一字一句読み上げをするような速度を落とす読み方を避けること、視界を多少広げ、単語ではなく熟語や成語のブロックで拾えるようにする事、右脳を活性化し文字情報ではなく視覚情報に変換する事などで読書スピードを上げてゆくというものだ。まずはこれに挑戦してみよう。
2021.07.20
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今回は書評1%の努力著者 ひろゆき出版社 ダイヤモンド社発売日 2020年3月4日1%の努力 Amazon著者である西村博之氏は1976年生まれで、赤羽の団地で育ったという。私より10年遅く生まれ、割と近くで暮らしていたのだ。同じ時代を生きながら違う風景を見ていた。本にも出てくるが、著者から見れば私はいわゆるバブル世代という事になる。この本は常に余力を持って生きることによって、チャンスを掴む機会を逃さないようにすることと、チャンスを見出すための思考法についていくつかのテーマに分けて解説している。基本的には何かにつけ労力を使いすぎて疲弊したり、お金で解決する「手軽さ」とお金を稼ぐための「努力」とのバランスが取れていない事、うまくポジションをとれないために苦労するといったことを、考え方や工夫で無くしてゆこうというとう事だと理解した。自身の経験や価値観に基づいて思考法を語っているが、興味深い話がいくつかある。一つは人生における優先順位について。ネットで有名な話が引き合いに出されているが、人生をツボに見立て、何を優先してツボを満たしてゆくのかという話。ある大学教授が語った人生の優先順位の話 HAPPY LIFESTYLEもう一つは肉屋を応援する豚何時かは自分を殺す存在の者を応援したり支持したりする、組織の事をおもんばかって、ききわけの良い人物になってはいけないという話。肉屋を支持する豚この手の本を読んでいつも思うのは、もっと早く読んでいたら人生は変わっていたのか?という疑問である。そして毎度そんな仮定の話をしても、時間が逆戻りするわけではないと思いいたる。なので、ささやかであっても何かをくみ取り、変えて行ければよいのである。
2021.07.09
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昨年の秋にダイエットに取り組み始めた時に読んだ本【新装版】一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書著者 鈴木 祐発行日 2019年4月20日発行 扶桑社一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書本書は2016年11月に発刊されているが、恐らく著者が2018年に出した「最高の体調」という書籍がヒットしたために新装版が出されたのかもしれない。パレオダイエットとは「パレオリシック」=「旧石器時代の食事法」によるダイエット法の事。現代人の肥満を含む不健康の原因となっている、①加工食品やファストフードなど食事の影響、②不規則で短い睡眠時間、③運動不足を原始人、狩猟採集民の生活から学び改善してゆこうというもの。本書は大きく、食べる、寝る、動くの三つを改善する構成となっている。食べるでは、原始人が食べていたであろうものを食べる、つまり、加工食品やファーストフード、菓子類などは食べずに、調理法も揚げ物などは避け、味付けも調味料を控えることを進めている。人間はもともと太りすぎないように食事と代謝のバランスが取れているのだが、加工食品に含まれる「たくさん食べてもらうために研究された成分」によってこうしたバランス(=セットポイント)が崩れ、中毒的に食べることへの執着が生まれてしまう。こうしたことから加工食品はなるべく排除するというのが基本だ。寝るでは、睡眠時間の確保が重要性と睡眠のためのテクニック、サプリメントなどの紹介がされている。現在11時前に寝ることを習慣としているのは、この本に書かれていることも参考にしている。動くでは、痩せるためにハードな運動をするのではなく、日常の活動量を増やすことが重要であるとしている。座っている時間を減らし、立つ、歩く時間を増やす。著者は、スタンディングデスクでウォーキングマシンで歩きながら仕事をしているらしい。しかし、普通の人は会社で一人だけそんな環境を作る事も難しい。テレワークなら何とかなるか?しかし、歩きながらWEB会議に出るというのは恐らく止めた方がいいだろう。という訳で、休日に寝転がってスマホを弄るのを止め、できるだけ家事や庭仕事をするようにした。こうして振り返ってみると、結構この本から影響を受けている。
2021.07.07
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今日は出張最終日、九州から東京へと新幹線で移動している。4時間以上の長旅となり、はて今日は何を書こうかと思いめぐらしている時に、ふと内田百閒の『特別安房列車』を思い出した。特別安房列車audiobookなら聞き放題対象です1952年(昭和27年)に出版されたこの書籍はまさに鉄オタ文学の草分け的存在であろう。私が内田百閒の作品に出合ったのは高校生のころである。当時、読書好きの友人と、あれやこれやお互いに面白い本を紹介しあっては本を読み漁っていた。私が友人から書籍を紹介されることの方が多かったように覚えているが、その中の一つが内田百閒の『百鬼園随筆』であった。内田百閒氏は夏目漱石を師事した弟子のひとりであり、その作品は随筆然としたものが多い。淡々と身の回りの出来事を吐露する語り口と、人間臭い生きざまが伝わってくる独特の文体が、時に滑稽であり、時に哀愁を帯びていたりする。話が大分それてしまったが、『特別安房列車』はその後に出版される安房列車シリーズの最初の書籍にあたる。タイトルにある阿呆とは、人からおかしな奴だと思われても本人は大真面目で、信じる道理に従って行動するという、まさに内田百閒の随筆に共通する生きざまを表している。書籍の内容は、用もないのに列車に乗って東京から大阪へ行こう思い立った筆者が、切符代の用立てや、旅の伴侶を巻き込む算段、何時切符を買うのが良いのかなどをあれやこれやと策をめぐらしたり、口実をこさえたりする話が大半を占める。いざ列車に乗ってからも、食堂車でどのように時間を過ごすのかなど、食い意地や飲み意地の張った話が多い。ここまで書き終わってようやく小倉から岡山までたどりついた。東京はまだ遠い。
2021.06.25
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今回はこのブログを始めるきっかけとなった本についての紹介 学びを結果に変える アウトプット大全 著者 精神科医 樺沢 紫苑 サンクチュアリ出版 2018年8月3日 初版 アウトプット大全 amazon この本は以前から気になっていたのだが、audiobook.jpで期間限定無料配信※されていたので聞いてみたところ耳からウロコが落ちた。 ※現在この書籍の無料配信は終了しています。 ~ちなみに、2021年6月24日現在 あのベストセラー『嫌われる勇気』が無料配信中。 今回はこのレビューを書くにあたり書籍を購入し、改めて読み返してみると目から鱗が落ちる。 これまで、いろいろな本や雑誌を読み散らかしたり、情報番組等を見てその時は賢くなった気になってきたのだが、いざ振り返ってみると、はてあの本は最後まで読んだかな?などと読んだことすらあやふやになるほど記憶にない。 この書籍では積極的にアウトプットをすることで、知識が自分のものとして獲得でき、さらにアウトプットの行為を通じて更に知識が深まってゆくという仕組みや、アウトプットの方法などをわかりやすく紹介してくれている。 運動や食事方法について書かれた本は、読んで(INPUT)も健康になったり、筋肉が付いたり、痩せたりはしない。 そこに書かれている内容を自身で実践する事(OUTPUT)で初めて、自分の体が変化してゆく。 ブログを書く(OUTPUT)ようになった事で、日々ネタ集め(INPUT)や、少し詳しく調べたり(INPUT)、エビデンスを集めたり(INPUT)するようになった。 恐らくこの書籍を読まなかったらブログを始めることはなかっただろう。この本の最終章には『アウトプット力を高める7つのトレーニング方法』が記されている。 それは1.日記を書く、2.健康について記録する、3.読書感想を書く、4.情報発信をする、5.SNSに書く、6.ブログを書く、7.趣味について書くの7つ。 書き出してみて驚くほど、このブログそのものがアウトプットのトレーニングである。 但し、本書籍はブログは本名で顔写真付きで書くように勧めている。 いつかそんな日が来るかも知れない。 #アウトプット大全効果
2021.06.24
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書評 習慣超大全 の続き本書『習慣超大全』では、小さな行動を起こし習慣とする事が、人生に大きな変化をもたらすという事がわかっていながら、なぜ実際に良い習慣を身に着けることが難しいのか、どうすれば身に着けることができるのかという事を解説してくれている。習慣となる行動(Behavior)を促すのはモチベーション(Motivation)、能力(Avility)、きっかけ(Prompt)であり、これを図解したのがフォッグ行動モデル(Fogg Behavior Model B=MAP)である。※図案の転用を禁止したします。行動への自身のモチベーションと能力によって作られる行動曲線(Action Line)よりも上にある行為はきっかけにより促される(suceed)が、下にある行為はきっかけがあっても行動につながらない(fail)。高いモチベーションがあれば、多少の困難をもろともせずに行動を起こすことができるが、モチベーションは上がったり下がったりするためにあてにならないという点に注意しなければならない。自身の体重測定では、頑張った翌日に体重が落ちているという期待があればモチベーションは高いが、前日に食べ過ぎたなどとやましい気持ちがあれば、モチベーションはダダ下がりである。モチベーションが低い状態でも行動を起こすには、能力が重要となる。目的となる行動が簡単にできるようにするという工夫で相対的な能力を上げることができる。体重計が戸棚の奥にしまってあったり、昔ながらの台秤で測定に時間がかかったりすると、忙しい朝には『今日は測らなくてもいいか』という隙が生まれしまう。顔を洗うために洗面台に立つと足元に体重計があり、足の親指でスイッチを触れば、あとは乗るだけで体重が表示されるというのは、逆に測らずに済ます言い訳を探す方が大変である。より確実に行動を起こすためには、既にルーティンになっている、もしくは必ず行う一連の行動の最後にきっかけのスイッチを配置するのが良いという。例えば、朝起きたら体重を測るという事を習慣にしようとしていると、朝起きた時にしたいと考える複数の事、即ち、お湯を沸かす、トイレに行く、顔を洗う、植物に水を撒く、フルーツヨーグルトを作るといったその他の行動との競合が起きてしまい忘れてしまう可能性が高い。競合を無くすためにはAをしたらBをするという具合に前の行動の最後の動作を次の行動のきっかけとして繋げて習慣にすればよい。朝起きて → トイレに行き、用を済ませ、トイレを出る → 洗面所に行き、電気を点ける → 体重計のスイッチを入れ 体重計に乗り、体重を測る → 顔を洗う 洗面所の電気を消す → スマホに体重を記録する → ポットにお水を入れる、お湯を沸かす → 玄関を出て草木に水を撒く(病気や虫食いの葉っぱがあったら剪定する) → 湧いたお湯をコップに注ぎ覚ましておく → 果物の皮を剥く →→→こうすれば朝の貴重な時間に、さて次に何をするかとボヤっとすることもなくなるので一石二鳥である。本書ではさらに、習慣を定着させる方法、身についた習慣を大きく育てる方法や悪習をやめる方法、周囲を巻き込んでゆく事などについて解説している。習慣を定着させるには、脳はポジティブな感情を受けとるとそれを繰り返したくなるとう仕組みをうまく利用するために、習慣を行った際に自分を褒めたり、祝福したりすることにより、喜びを感じるように意識してゆく。以前に読んだアドラーの勇気の仕組みに少し似ていると感じた。更に関係ない話だが、ロールプレイングゲームでは、主人公が闘いに勝利したり、レベルが上がったりする際にファンファーレが流れ、かなり派手に祝福される。きっと脳は大喜びしているのだろう。これがきっとゲームをやめられなくなる原因の一つに違いない。良い習慣をした際には、ドラゴンクエストのレベルアップ・ファンファーレを頭の中で鳴らすようにしよう。「今日もお酒を我慢したので忍耐力が1上がった!!」とか。悪習を止める方法は、きっかけを作らないようにする、モチベーションを下げる、行動を困難にするといったように、習慣を身につけるのとは逆のアプローチをしてゆく。スマホに時間をとられているならアプリケーションを削除したり、仕事中や寝る前には手元に置かないようにしたり、時間が来たら画面が白黒になるようにするなどだ。実際に私のスマホは、10時半になるとそろそろ寝る時間だと警告し、11時になると画面が白黒になる。既に、アプリは入っていないが11時になるとパズルゲームはできなくなる。なので、10時半には寝室に行き、スマホをスピーカーに繋いだら、瞑想のアプリを立ち上げる。大抵は20分のプログラムの内、最初の2分程度で眠りについている。書評なのに自分の事ばかり書いている気がするが、私自身がこの半年間で大きく変わったことを実感しており、それはまさにこの本に書いてある事とかなりかぶっている。そして、これから挑戦してゆきたいと考えているのは、この書籍の第8章である『一緒に変わる』(みんなで人生を変える)ことである。この本の「悪習」の章にもあるが、個人の習慣の変化は周囲に影響を与える。この半年で私の生活が変わったことにより、少なからず家族にも影響が出ている。まずは家族で、そして職場で少しづつでも取り組めて行けたらいいなと考えている。習慣超大全 amazon ストア
2021.06.10
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今回は書籍のレビューです。『習慣超大全』スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法BJ・フォッグ著 須川 綾子訳出版社:ダイヤモンド社発売日:2021年5月25日原題 『TINY HABITS』 The Small Changes That Changes Everything by BJ FOGG, PhD 2019/12/31読書形態 書籍前回のAtomic Habits同様、本書も小さな習慣が人生を変えてゆくという著者の信念に基づいている。習慣としての行動を起こすためにはまずきっかけが必要である。これは私の例だが、体調の管理のために、毎日体重を測って記録するという習慣がある。一日の内で最も体重が軽いのは、起き抜けの朝食前にトイレに行った直後であり、定点観測のタイミングとして精神衛生上も適している。この場合、体重測定のきっかけは、トイレから出たらという事になる。そして、せっかく測った体重もニワトリよろしくすぐに数字を忘れてしまうので、体重測定したらすぐ記録する。これが体重を測定し記録する習慣の一連のきっかけと動作である。きっかけがあると次に重要となるのが、モチベーションと能力である。朝起きた時点というか寝る前から体重が気になっているのでモチベーションは高い。能力というのはその習慣が如何に容易にできるか?という事である。トイレに行き顔を洗いに洗面所に行くとそこに体重計があり、あとは乗るだけである。すごく簡単でなんの障害も無い。続いて記録だが、スマホに入っているアプリのFatsecretは体重計のアイコンにタッチして前日の値に+−するだけなので片手で入力できる。こうして毎朝のルーティンとして体重測定と記録が組み込まれて行くのだが、これを定着させるのがドーパミンである。ポジティブな経験は脳が喜びとして学習して繰り返しを促す。体重が減っていれば当然嬉しいし、増えていても恐る恐る体重計に乗リ現実に向き合う勇敢な自分を褒める事によってポジティブな経験となる。こうして習慣が出来上がってゆく。後半に続く。。。
2021.06.08
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今回は書籍のレビューです。また新しいカテゴリー作っちゃいました。ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣ジェームス・クリアー著 牛原 眞弓訳出版社:パンローリング株式会社発売日:2019年10月12日原題 『Atomic Habits』 by James Clear 2018/10/16読書形態 Audible (2020年4月27日 配信)プロを目指していた高校球児が練習中の事故により生死をさまよい、その後リハビリ生活を余儀なくされ、レギュラーから外される。それでも良い選手になれる事を信じ、地道に努力をした結果、大学時代に野球選手として、そして学業でも秀逸な成績を修めることができたという著者 ジェームズ・クリアー氏。その努力の支えとなリ、変革の源となったのが些細な良い習慣を身につける事だったという体験から、サイトでの執筆活動から出発し、習慣についいての専門家として啓蒙活動を続けている。この本のアプローチはわかり易い。習慣は良いものも、悪いものも日々繰り返し行われる。繰り返す度に、良い習慣は少しづつ自分を良い方向に導き、悪い習慣は逆の結果をもたらす。習慣はまた、その行為を繰り返すことによって私は何々をする人というというアイデンティティを形成する。だからこそ、なりたい自分のアイデンティティ形成に向け良い習慣を身に着けなければならない。良い習慣を定着させるため細分化して敷居を下げる。悪い習慣はそれを行うためのハードルを上げる。携帯電話にゲームがインストールされているとついつい空いた時間に手が伸びるが、アンストしてしまえば、わざわざもう一度インストールしてまでやろうとは思わないという具合。確かに習慣による変化は大きいとこのところ実感している。少しづつでも良い習慣を身につけたい。ちょっと見づらいかもしれないが、書評のレーダーチャートを作ってみた。
2021.05.25
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