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2021.11.10
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テーマ: 書評(54)
久しぶりの書評となる。
なぜなら戦争と平和の2巻と3巻を読み終わるのに時間を要してしまった。1巻目を読み終わって、戦争と平和は全部で四部構成となっているが、今読んでいる光文社の古典新訳文庫は全部で6巻ある。

第2巻目を開くと、『第一部の続き』とあった。つまり、1巻目の書評は第一部の途中で書いたことになる。
それではなんとなくまとまりが悪いので、第二部を読み終わったところ、即ち6巻中の3巻目を読み終わったところで書評を書く事にした。



第二部では戦争の場面はほとんど出てこない。主要人物たちのロシア国内での活動を中心に物語が展開してゆく。フリーメーソンや、イルミナティといったイデオロギーとの関わり、領地運営、猟犬を使っての狩りのシーン、舞踏会や舞台鑑賞のシーン等、大仕掛けな舞台の中で物語は繰り広げられる。
登場人物たちはそれぞれ、恋愛、お金、名誉、欲望、そして復讐といった己の目的を遂げるために、あるときは知略をめぐらせ、ある時は情動にかられて行動する。

想像力の欠如という愚かさが、人を悪意のないままに悪事に導いてゆく。
自分勝手で独りよがりな思いが、容赦なく愛する人を傷つけてゆく。

愛すべき登場人物たちがそのような過酷な罠のまわりでふらふらとしているのを、はらはらとしながら読み進めるとあっという間に時間が過ぎてしまう。






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Last updated  2021.11.10 22:58:05
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