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いやあ、長いこと休んでしまいましたが、そろそろブログを再開したいと思います。前にも出てきたアウロ社長のフィッシャー氏について、少しくわしく述べたいと思います。リボス社とアウロ社の微妙な関係に関わるからです。フライブルクに住み、ドイツの環境問題に関する著書を数多く著してきた今泉みね子氏がドイツを環境先進国に変えたキーパーソンたちに、直接インタビューしてまとめた『ドイツを変えた10人の環境パイオニア』(白水社)に、10人のうちの一人として、アウロ社を創設したヘルマン・フィッシャー博士が紹介され、その間の経過も説明されています。この本では、「第9章 環境と人間にやさしい企業を完成させた化学者」というタイトルで、フィッシャー氏が紹介されています。1953年にブラウンシュバイク市近くの村で、代々農業や園芸を家業としてきた家に生まれ、「生活は自然を中心に営まれていた。フィッシャー氏はこのような暮らしの中で、自然を直接肌で体験し、自然に対する感性を育てた。」「小さい頃から素材に対する興味、物事に対する好奇心がおう盛だったフィッシャー氏は、11歳にしてすでに、将来は化学者になると決めた。」「大学では初心どおり、化学を学び、博士号を取得した。」子どものころから、父親や先生の反対にあっても信念を貫く非常に意志の強い人格だったようです。同時に、「自然主義と神秘主義を融合させた17世紀のヤコブ・ベーメの研究」に取り組むなど、人文科学にも関心が高く、視野の広い人のようです。ちなみにヤコブ・ベーメの文章はたしかになかなか魅力的なのですが、その最初の著作が『アウローラ』(Aurora)(『曙光』)であり、ここから、「アウロ」(Auro)という社名がつけられたのではないかと、私は推測しています。さて、問題の箇所です。「大学2年生のときに、志をともにする25人の仲間とともに最初の会社を設立した。1974年当時は、68年の学生運動をきっかけに、世の中がそろそろ石油工業中心の経済成長に疑問をもちはじめていたころだった。フィッシャー氏らは植物を原料にして、、教育や工芸用の染料や塗料を生産しようとした。植物から染料や塗料をつくること自体は大昔からおこなわれており、決して新しいものではない。ただ、近代に入って、ドイツでは20世紀のはじめにシュタイナー学校で有名なルードルフ・シュタイナーが、植物を原料にした塗料や植物とハチミツの蝋を原料にした結合材の生産を試みており、いくらかは成功していた。植物などの自然素材を原料にして、自然に負荷をあたえない生産工程によって、環境にも健康にもやさしい製品をつくるという意味で、これはまさに、ソフトな化学(石油を原料とする合成物質を拒否し、自然が長い歴史の間に発展させてきた光合成を利用する化学工業。…)のはじまりだった。だが、この試みは石油化学工業の大進出のためにほとんど消えかかっていた。それをフィッシャー氏らは今度は現代の自然科学の知識で改良して、再興しようとしたのである。残念ながら、この最初の企業は成功しなかった。経営をあまりに民主的にしようとしたためだった。だれもが自分の企業ポリシーを通すことばかりを考えていて、動きがとれなくなったのだ。フィッシャー氏は当時の失敗をふりかえり、「もちろん独裁主義ではいけないし、民主主義は必要だが、経営方針が一貫していることは企業に不可欠だ」という。」この最初のフィッシャー氏によれば失敗した会社こそ、リボスなのです。フィッシャー氏はシュタイナーの思想に共感するほかの25人の同志とともにリボスを創業したけれども、途中でけんか別れをして退社しました。その約10年後の1904年に従業員5人の「アウロ有限会社」をスタートさせたそうです。このけんか別れの理由の一つに、たとえアレルギー物質の疑いはあっても、あくまで植物由来の天然素材にこだわるのか、それとも健康に影響のないことが確認された(本当に健康に影響がないかどうかは微妙なのですが)石油由来の素材を使うのか、という点での論争があったかどうかは、この本からは分かりませんし、そもそもこの本にはリボスという社名もでてきません。しかし、シュタイナーを信奉する26人の仲間がつくったという会社というのはリボスに間違いがないので、とにかくリボス社の創業者の一人でもあるフィッシャー氏がそこを飛び出してつくった会社がアウロ社だという関係なのです。今日はこの辺で。
2006.12.22
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すべての成分を植物をはじめとする天然素材でなければ、自然塗料とはいえないというアウロの主張を、わかりやすく展開しているページは、加藤道生氏の「自然塗料と溶剤」というページです。加藤氏は、ドイツでは原料による塗料の分類は、次の表のようになっていると述べています。そして、石油系の素材のうち、「1.トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系の溶剤芳香族炭化水素の溶剤は、呼吸器や皮膚から吸収され、主に肝臓や中枢神経系が冒される。我が国でも、俗にシンナーと呼ばれ、有機溶剤中毒予防規制第1種対象の溶剤である。」だけでなく、「2.ミネラルスプリット、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素の溶剤」をとりあげ、まずオスモ社の溶剤ミネラルスピリットについて、「ミネラルスピリットは、石油精製物で、テレピン油の代替品として使用されている。通産省化学品名称は工業用ガソリン4号であり、有機溶剤中毒予防規則では、ガソリン、ベンジンなどと共に第3種有機溶剤に指定されている。」と述べ、次にリボス社のイソパラフィンについて、「イソパラフィン(別名イソアリファーテ、イソアルカン)は臭いのない石油化学の産物であり、低価格のため、自然系塗料の溶剤に繁用され、少量のバルサムテピン油、柑橘油を添加して使用されることが多い。イソパラフィンの用途は塗料のほか重油流出事故の際に使用される重油分散剤に使用されることが多い。化粧品、医薬品、食品添加物に使用されるのはn-パラフィン(流動パラフィン)である。イソパラフィンは元来、n-パラフィンの不純物であって、イソパラフィンのイソ(iso)とは"良く似た"という意味の同義語で誤訳、誤用されるケースが多い。1998年8月13日付のエクソン社のイソパラフィン(商品名イソパールJ)に関する製品安全性データシート(MSDS)では健康に有害な物質として炭素数(9~12)のイソパラフィンは50%以下で、炭素数(11~15)のイソパラフィンは50%以上で、健康に有害なマーク×マークの表示を指導している。」としています。また、「クリスタルオイルも石油精製品であり、これら3種類の溶剤は、いずれも石油化学産業の由来品で、環境的にはエコロジカルな循環系に還元することは不可能な溶剤である。」として、「エコロジスト、グリーンコンシューマの人達にとって、石油化学産業に由来する物質を使用している製品が"環境にやさしい製品"として販売されていることは到底受け入れられないことである。」と述べています。他方、アウロ社の採用している植物性の溶剤(精油)のうち、「テレピン油」、「バルサムテレピン油」については、「植物精油は木材の成分で何千年来、人間が香料など色々な目的に使用してきた歴史があるが、他の溶剤と同様に、中枢神経に負荷をかけるおそれがないわけではないので、作業時には十分な換気が必要である。テレピン油は生松の樹脂からの精油で成分として含まれるδ-3-カレン(Karen)はアレルギー性の皮膚病、ペンキ屋疥癬(Malerkraetze)の原因とみなされている。δ-3-カレンはマツ科、モクレン科、シソ科などの精油成分の一つであるが、この成分は含有量は異なってもあらゆる植物精油に含まれている。このような理由に基づきドイツの自然塗料メーカーは、ポルトガルまたはスペイン産の原料から穏やかな水蒸気蒸留でバルサムテレピン油を抽出、塗料の溶剤として使用している。南ヨーロッパの松は北欧や東欧の松と異なり、元々δ-3-カレンをほとんど含んでいない。然し、ドイツの先進的自然塗料メーカー(アウロ社など)では既にバルサムテレピン油の使用を中止している。」 として、「δ-3-カレン」が「アレルギー性の皮膚病、ペンキ屋疥癬(Malerkraetze)の原因」であることを認めながらも、「南ヨーロッパの松は北欧や東欧の松と異なり、元々δ-3-カレンをほとんど含んでいない」から安全な上、「然し、ドイツの先進的自然塗料メーカー(アウロ社など)では既にバルサムテレピン油の使用を中止している」として、すでに問題は解決済みという立場を強調しています。一方、「柑橘精油(リモネン)」については、「柑橘の皮およびオレンジジュースに含まれるリモネンは、現在、発泡スチロールのリサイクル時における溶剤として注目を浴びているが、この精油も香料、洗浄剤として古くから使用され、柑橘の皮自体が陳皮という名前で漢方薬や保健飲料、一般飲料(アサヒ十六茶など)に使用されている。リモネンは、また桧や杉などの木材成分の一つで、ドイツの自然塗料および自然系塗料メーカーでは溶剤として使用されているが、米国などでは洗剤として大量に使用されている。リモネンの安全性に関して発がん性や、変異原性は認められず、最近では消化促進効果、がん予防効果が認められている。FDA(米国食品医薬品局)はD-リモネンを食品添加物としてGRAS15(Generally Recognized As Safe、一般的安全成分)に指定している。」として、リモネンは発がん性や、変異原性もなく、問題ないとしています。そのうえで、「今後の自然塗料の方向」として、次のように述べています。「自然塗料メーカーは循環的資源であるバルサムテレピン油、柑橘精油(リモネン)を溶剤として使用しているが、VOC(揮発性有機化合物)であることに変わりはないので、技術開発力のあるメーカーはVOCの使用削減に精力的に取り組んでいる。既にアウロ社は無溶剤のオイル(No.122)ワックス(No.128)を製品化しており、近く溶剤うすめ液を使用しない、水でうすめる油性プライマー、油性ステイン、油性エナメルを上市する予定である。」天然溶剤も「VOC(揮発性有機化合物)」なので、天然溶剤も使わない方向で研究開発をし、実際に一部そのような製品を開発していますが、そうした製品をさらに増やしていくという方向のようです。
2006.12.10
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オスモ、リボス、アウロの3社の塗料とも、亜麻仁油をはじめとする植物油を主成分としており、トルエン、キシレンなどベンゼン系の芳香族炭化水素を含んでいません。これらの芳香族炭化水素は、炭素が環状に結合したベンゼン環を含み、VOC(揮発性有機化合物)と呼ばれ、呼吸や皮膚から体内に入り、肝臓や中枢神経系が冒されたり、発ガンの危険を有しているといわれています。これらを主成分とする石油系塗料が人間などの生物にとって有害、有毒であるのに対して、オスモ、リボス、アウロの3社の塗料が芳香族炭化水素を含まず、VOCの危険性を有していないことは共通しています。その点でやはり、これらの塗料は、「自然塗料」ないしは「自然系塗料」(この言い方はあとで述べるような含みがあります)として、「石油系塗料」と区別されるといってよいでしょう。しかし、3社の使用する溶剤は、異なっています。オスモは、精製された「ホワイトミネラルスピリット」と称していますが、別名「流動パラフィン」(n-パラフィン)で、「ミネラルオイル」などの多くの名称で呼ばれているものを使用しています。また、リボスは、最初に示した成分に入っていましたが、「イソアリファーテ」を溶剤として使っていますが、これは一般に「イソパラフィン」(n-パラフィンの異性体)と呼ばれるものです。どちらも、石油由来の炭化水素ですが、流動パラフィンは直鎖型の分子構造をもつノルマルアルカン(ノルマルパラフィン)に分類されるもので、イソパラフィンは分岐(枝分かれ)をもつイソアルカンということになります。パラフィンは、これに環状のシクロアルカン(シクロパラフィン)を加えた3種類に分類されるようです。流動パラフィンやイソパラフィンは、炭素が鎖状に連なった炭化水素で、脂肪族炭化水素ないしイソ脂肪族炭化水素といって、ベンゼン環を持った芳香族炭化水素とはちがい、揮発性有機化合物には指定されていません。シックハウス症候群などは引き起こさないといっていいでしょう。しかし、石油由来であることは否めません。これに対してアウロは、これを一切拒否して、柑橘系のシトラールや、ポルトガル松から蒸留した精油であるテレピン油等の植物由来の溶剤を使用しています。このように、植物由来の成分だけの塗料にこだわるアウロからすれば、オスモやリボスの塗料は「自然塗料」とはいえず、「自然系塗料」であり、もっといえば「偽自然塗料」だということになります。アウロは、廃棄してもそのままコンポスト(堆肥)にできる唯一の塗料と宣伝しています。エコハウスの条件である「1. 自然に負荷をかけない」という意味では、アウロに軍配が上がるといわざるを得ないでしょう。 ではなぜ、他の2社は、石油由来の溶剤を使っているのでしょうか?オスモ製品を取り扱っている日本企業の「菊池建設」や「株式会社みつも」は、自社のサイトでこういっています。「オレンジシトラール、ガムテレピンなどの天然系溶剤はアレルギー体質の方には、症状を悪化させる場合が比較的多いため、「天然材料=絶対安全」ではないことを新ためて認識してして下さい。また無毒無臭といわれるイソアリファーテも、化粧品アレルギーの方には不向きな場合があるため、十分な確認が必要です。」(菊池建設)「オスモカラーに使用されている溶剤は精製度の高い非芳香性ホワイトスピリットで、ベンゾールを含まずドイツ薬物規格第10項に適合した環境基準をクリアーしています。柑橘油、テレピン油などの匂いがきつく、アレルギーを引き起こす溶剤は使用していません。」(株式会社みつも)リボスはというと、それを取り扱っている「イケダコーポレーション」や「大橋塗料」のサイトに、次のように述べられています。「リボスの経営理念として「健康に害のある成分は、天然物でも使用しない」コンセプトを貫いており、テレピン油・バルサムテレピン等は、使用せず、柑橘類オイル(シトラス等)も、量を制限(全量の3%以下)、皮膚障害(強溶解性)を避けている。着色料は、土壌鉱物顔料のうち、高品質で化粧品・子供玩具・食器等に使われるもののみを採用している。個々の成分品質基準は米国FD基準(食品安全基準)とする。溶剤として、脂肪族炭化水素・テレピン・柑橘類(3%以上)等を使わない。イソ脂肪族炭化水素のイソパラフィン(イソアリファーテ)を使用、全自然塗料ご使用者へ無傷害性をアピールしている。」(イケダコーポレーション)「リボスは当初、バルサムテレピン油やレモン油といった天然溶剤を使用していましたが、それらは皮膚に障害を起こし、アレルギーを著起する可能性があることから使用を中止。溶剤は毒性があってはならないこと、天然性よりも人体に影響が少ないことを優先し、スエーデンのカラリンス研究所と共同であらゆる溶剤を研究した結果、最も安全・健康的な溶剤イソアリファーテを選択しました。イソアルファーテとは、厳しいアメリカ合衆国FDA基準で、野菜洗浄、果物野菜コーティング、ワインやビネガー製造等に使用される原油からとれる溶剤。化粧品類、医療品類の伸展剤としても使用されています。この方針はドイツのエコテスト機関にも認められています。」(大橋塗料)オスモ、リボス両社とも、アウロで使っている天然系溶剤は、アレルギーを引き起こすなど毒性があるといっています。同時に、オスモはリボスの、リボスはオスモの溶剤も危険性がある(かも知れない)ようにいっており、自社の採用する溶剤が一番安全と称しているのです。3社三すくみの状況になっているといえます。オスモが「無公害塗料」、リボスが「健康塗料」とアピールするのは、こうした意図からです。もちろん、アウロからはこれらの批判に対して反論がなされていますが、長くなったので、それは次回以降に紹介します。はたして、エコハウスの「2. 人や動物の健康を害さない」という条件に、一番適合しているのは、どの塗料なのでしょうか?
2006.12.08
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最後にアウロ(AURO)です。「エコロジーシンフォニー」がシリーズで特集した「エコロジカルな企業たち」の2000年4月号でインタビューを受けたアウロ社の日本総代理である加藤道生氏(当時、エコ・リビングコーポレーション代表)(エコ・リビングコーポレーションというのは、玄々化学工業株式会社のこと?)は、アウロ社について、次のように語っています。「1983年に創業されたアウロ社の正式名称は「アウロ植物化学株式会社」。植物と化学を組み合わせたその名前には、製品の原料を植物にこだわる姿勢と、化学者へルマン・フィッシャー社長の「やさしい化学」への思い入れがあらわされています。アウロ社の製品には、原料の栽培に農薬や化学肥料を一切使わない、100%天然原料である、全成分を表示する、健康や環境に負荷を与えない、といった基本姿勢が貫かれています。ですから、社員数50名弱という小さな企業ながら、自然建材店のオーナーや、顧客や仕事をする自分自身にとっての健康に配慮する建設職人や家具職人、建築家たちから「安心できる建材・施工材のメーカー」として高い評価を得ています。」 また、「どんな製品をつくっているのですか?」という問いに、 「アウロ社の製品は塗料、木材表面処理・保護用のオイル、ワックス、接着剤、家具のクリーナー、手工芸用品、食器や洗濯用の洗剤など約100アイテム。それらは、例えば、塗料の結合材としては亜麻仁油やダンマル天然樹脂、溶剤にはオレンジの精油、色素には藍やセイヨウアカネの根を使うというように、徹底的に石油合成物質を排除した原料でつくられています。しかも、原料は自然農法農家の団体に加盟し、その生産基準に則って栽培する契約農家のものを仕入れるというこだわりぶり。100%天然原料で化学製品をつくっているのです。」と答えています。社長のヘルマン・フィッシャー博士(Dr. Hermann Fischer)は、1992年、WWFから「エコマネージャー」として表彰され、またAURO本社も、2004年に、エコ環境研究所(株)から、「国際未来(将来性のある)建築・住宅協会」のライフサイクル評価における環境・健康・機能に優れたラック(ワニス)ということで、「natureplus」の称号を受けています。アウロ社の日本総代理店であるイヌイ株式会社は、「自然塗料のAURO」というページで、「ドイツにおける自然塗料の誕生ドイツ国民の環境意識は高く、合成樹脂塗料中に含まれる有機顔料や有機溶剤などが消費者の間で大きな問題になった1970年代はじめに、AURO自然塗料は誕生しました。環境問題に応えるべく、各メーカーは水系塗料を指向したグループと自然塗料を目指したグループとに分かれ、その中でもAUROは石油系溶剤、合成顔料などを一切使わず、すべて自然の材料を原料として使用しています。また原料の調達から生産、流通、廃棄の全ての工程でLCA(環境影響評価)を採用した、エコテスト誌でトップランクに評価されている自然塗料のトップメーカーです。」 と紹介し、AURO自然塗料は「原料栽培に農薬や化学肥料を使用してい」ない「60種以上の原材料を元に最高の調合技術を駆使して製造された100%天然塗料です。製造に際しては、石油製品の代わりに再生可能で残留や危険性のない天然原料を使用しています。」とうたっています。アウロは「100%天然原料」を強調していますが、オスモ、リボスは、どうなのでしょうか?「自然塗料」を標榜する3社のちがいはどこにあるのでしょうか?次回は、そこに迫ります。
2006.12.07
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次に、自然塗料メーカーとして有名なオスモ、リボス、アウロの3社の中で最も歴史のあるオスモ(OSMO)についてみてみましょう。現在、オスモ社は、まず木材を取り扱うオスモホルツ(OSMO HOLZ)、次に庭づくり、デッキやフェンス、ガーデニング関連の商品を供給するオスモガード(OSMO GARD)、そして塗料関連の製品を提供するオスモカラー(OSMO COLOR)の3社を中心に構成されています。オスモカラーは、そもそもオスモ社本来の木材の保護を目的として開発した塗料であり、「木材保護、無公害自然塗料」を売りにしています。菊池建設のサイトでは、オスモカラーについて次のような説明が行われています。「1900年創立のドイツ最大の建材・木製品メーカー『オスターマン&シャイベ社』によって約30年前に、木材・木工の専門家の立場から開発された無公害塗料です。オスモカラーは自然の植物油(亜麻仁油)をベースにした塗料で、木に浸透して良くなじみ、しかも木の呼吸を妨げず、木の持つ自然な風合いをいつまでも新鮮に保ち続けます。ウレタン塗料などと違って塗膜をつくらないので、塗装面のワレ、ハガレ、メクレ、などはおきません。いやな臭いもなく、人体に害を与えないので安心して使用できます。 ◎厚生省告示試験により無公害性が証明されています。オスモカラーは、厚生省告示第20号および第257号による食品衛生試験に合格しており、その安全性が証明されています。 厚生省告示第20号: 食品の容器および材料の材質試験厚生省告示第257号: 材質の溶出物試験 口に触れても安全ですので幼児向けの玩具や遊具、家具などの塗装にも推奨されています。 (※以上の説明はメーカーカタログより抜粋)」「木材・木工の専門家の立場から」開発した「自然の植物油(亜麻仁油)」をベースにした「いやな臭いもなく、人体に害を与えない」「無公害」で「安全」な木材保護塗料ということをキャッチフレーズにしたのが、オスモカラーといえます。日本では、1990(平成2)年1月に創業、木材保護塗料オスモカラーの輸入販売を開始し、1995(平成7)年2月に設立された日本オスモ(株)がその販売を担っています。
2006.12.06
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ドイツには、石油化学塗料ではなく、植物などの天然素材を主成分にする自然塗料のメーカーとして、オスモ、リボス、アウロなどがあります。このうち、我が家の床などの内装材の塗料は、リボス(Livos)社のものを使っています。予算の関係もあり、3階の床は自分たちで塗るということで、その塗料の缶が手元にあります。「リボス[クノス]ウッドオイル<三分ツヤ>」という製品です。そこには、総輸入元のイケダコーポレーションによって日本語で書かれたラベルが貼られています。それに表示されている事項を書き出すと、品名・種類 浸透性床用自然オイル クノス 244用途 キャビネットを含む家具・窓枠・床色名 002クリア 075オーク 089オークアンティーク 204白 054マホガニー適応素材 針葉樹材および堅材、落葉樹材、OSBボード成分 アマニオイル・アマニ/スタンドオイル天然樹脂エステル・アマニ/ウッド/スタンドオイル・非常に透明な酸化鉄・天然樹脂グリセリンエステル・アマニ/スタンドオイル・オレンジビールオイル・イソアリファーテ・珪酸・マイクロワックス・パインオイル・ローズマリーオイル・無鉛乾燥剤形状 サラリとした薄いあめ色の液体<特徴と利点>1.ホルマリン・トルエン・キシレン・その他人体に危険有害物質一切含まず、天然成分及び食品・化粧品用伸展剤使用。2.撥水性抜群、浸透性抜群、木部をより美しくする・木を次第に強くする・木が呼吸3.リボスのアマニ油は、木部防腐効果・害虫忌避効果・菌育成阻害効果で知られている。4.完全成分明示などと表示されています。イケダコーポレーション(http://www.iskcorp.com/index.html)のサイトによると、リボス社商品の特徴は、「1972年、数人のエコロジー博士達(全員女性)が、「温故知新」を哲学として、自然・人・地球に優しい「自然塗料」の研究を初め、需要の盛り上がりに応えて会社組織として、世界で初めて製造開発しました。現代の最先端テクノロジーと古代からの知恵を組み合わせ、すべての材料をバイオケミカル的に吟味しています。全リボス製品は、エコテストでトップランクに位置しています。リボスとは、古代ゲルマン語で「太陽・芳香・輝き」を意味しています。リボス社は「自然・健康塗料」の代名詞と成りました。リボス製品は、永年のノウハウで構成させた「植物化学」です。自然・健康塗料」という名のエコロジー「人と環境に優しい、無毒無害でリニューアブルな塗料が欲しい」1974年、ドイツ・シュタイナーの16人の弟子達は、自然塗料・ワックスの開発に初めて取り組み始めました。ペンキ・塗料類は、現在でも、有毒有害な石油化学原料を使用したものが、殆どで、トルエン・キシレン・ホルマリン(シンナー成分)、ウレタン等と枚挙にいとまがないほどです。 リボスの創始者達は、自然に調和し、人間を大切に育てるシュタイナーの哲学(日本では、「人智学」と訳されている)から出発し、まだ「エコロジー」がドイツでも、全く関心をもたれていない時期から、リボス自然塗料を製造販売しました。その後、地球環境問題・エコロジー・バウビオロギーが、世界的な重大関心事となるにつれ、リボス社のバイオケミスト・エコロジスト達は、「自然なものでも健康障害を起こすものは、除くべき」との考えに達し、「自然塗料」から「自然・健康塗料」へと進化・向上させました。リボスの塗料を始めとするコーティング材料は、エコテストマガジンでも、高く評価され、常にトップランキングに位置付けられています。「リボス社の自然・健康塗料・ワックス・接着剤」は、人と環境に「健康と良い生態系」をもたらす新しい時代のエコロジーアイテムです。」と書かれています。シュタイナーとは浅からぬ縁があるので、その事情についても機会を見てお話ししたいと思いますが、今日はこの辺にして、次回以降、オスモやアウロについても述べて、比較していきたいと思います。
2006.12.06
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