江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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月夜の傘 朽木一空と五林寺隆さん

2021.12.31
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​                    ​​  大晦日 


~正月が また来るんだと 除夜の鐘~

 貧乏人には嬉しくないのが大晦日でございます。
 裏長屋の熊さん寅さんも、サンピン侍も大晦日だけは無いことを願っていたのでございます。
 なにしろ、店賃も店の買い物も、掛け売りで買いまして、盆暮れの2季払いですから、 大福帳を持ち、弓張り提灯をぶら下げて、番頭さんや丁稚が掛け売を踏み倒されては商売あがったりとばかりに、 大晦日ともなれば、朝まで借金取りに走るのでございます。もう、お江戸の風物詩でございます。

 ~押し入れで息を殺して大晦日~

 ~大晦日もうこれまでと首括り~

 ~大晦日首でも取って来る気なり~なんて江戸川柳がありまして、、

 ~元日や今年も来るぞ大晦日~ 元日からもう、大晦日の借金取りの心配をしている御仁もいるほどで、
 ちゃんと、算盤弾いていれば暮れにまごつく事もないのでしょうが、なかなかそうは行かない様でございますな。
 大晦日ここを仕切ってこうせめてと、取る方も取られる方も、色々な作戦を練ります。
 ~大晦日女房が言うと黙りおれ~お前さん、大晦日だよ、借金どうする気だい?
  うるせぇ、黙ってろい、俺にも考えがある、ってどんな考え?
 ~大晦日火鉢とともにしかんでる~お金は無し、金策も出来ず、火鉢の脇で、顰(しか)んだ(顔の皮が縮んで皴がよる)顔で座ってます。
 ~大晦日名作ものできりはらい~こちらは貧乏浪人ですね、度々催促に来る借金取りなと、家宝の名刀で斬ってしまいたいのですが、そうもいかず、 止む無く家宝の名刀を質屋に預け借金を払うしかない様でございます。
 江戸川柳には大晦日の借金取りの模様が面白おかしく川柳になっていますが、
 それで、何とかなると、楽しんでもいるところがお江戸でございますね。
 では笑左衛門も齢〆の都々逸捻りましょう。

  明日も知れない 無宿の俺にゃ
  風が冷たい 暮れの鐘

 なにをしたかと 問うてもみたが
  繰り返しだな  また一年 

  正月きても  変わることなし
    餅の一枚 あればいい

  正月くるよと  除夜の鐘
   なにかが変わる 訳でなし

 煩悩を消す 除夜の鐘だね
  借金を消す  鐘はなし

 獅子舞になってみたいな
  口から銭が 飛び込んでくる

 笑左衛門





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最終更新日  2021.12.31 10:30:06
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