江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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旧岸総理邸 朽木一空と五林寺隆さん

2022.01.28
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​     ​​   慙愧 氷月左近  6 闇夜の毀れ花


疑わしきは罰せず、 
    へっ、それが遠山裁きでござんすかい?
     そのほうが人気があるってえことですかい?
北町同心日下部退蔵には紫房の十手を与えられてていた。
 これは特別な働きをした同心に与えらえる名誉の十手である。それほど、日下部退蔵は奉行の遠山金四郎の信頼は厚かった。
 その、日下部退蔵の捕縛によって、奉行所へ連れてこられた新三郎だが、 相変わらずの蛙の面に小便で、、「ふんっ、不浄役人めが!」と、反省の色もなくふてぶてしい態度だった。
  北町同心日下部退蔵も岡っ引き吾平も新三郎をしょっ引いてきたものの、たび重なる悪行を調べ上げたが、 どれにも、確たる証拠を見つけりことができなかった。
 「女が向こうから勝手にあっしの方に転がり込んできて、惚れたなんだと言いよってきますんで、 好い思いをさせてやりましたよ、銭まで運んできた女もございますよ、でもねえ、惚れられたあっしのほうこそいい迷惑でございましてね、 勝手に大川に身を投げておいて、こっちに詮議の眼を向けられてもねえ、色男も体がもちませんねえ、、」
 吟味与力の調べにおいても新三郎を罪人にする確固たる証拠を示すことはできず、
 さすがの、名奉行遠山金四郎も新三郎の悪が透けて見えても、罪にすることに躊躇いを隠せなかった。
 新三郎の後ろには、老中水野忠邦直参旗本三千石、書院番組頭を務める大身旗本佐伯祐太郎の存在がある。 もし、新三郎の罪が確定し、刑を受ける身となれば、直参旗本佐伯祐太郎の書院番組頭のお役御免だけではすまず、 お家断絶、切腹まで考えねばならぬであろう。 だがそれは、遠山金四郎にとっても同じこと、確固たる証拠がく、迂闊な取り調べで新三郎を罪人にし、 もしも、まちがっていれば、やはりお家断絶、切腹は免れぬところであろう。
 老中の水野忠邦を介して旗本佐伯祐太郎は遠山に圧力も加えてもいた。
  遠山金四郎にとっては腹を括らねばならぬ判断であった。
  佐伯新三郎の悪事は明白であったが新三郎を罪に問うことはできないいらいらから、遠山金四郎の眉間にも悔しさが滲み出ていた。
  その遠山金四郎の白州での裁きは 佐伯新三郎、解放(ときはなち)、すなわち無罪放免であった。
  佐伯新三郎は薄笑いを浮かべて、北町同心日下部退蔵を見下すようににして、奉行所を出た。
 「日下部の旦那、妹様はお元気でお暮しかな、暇があったらいつでもお相手しますとお伝えくださいな」
 「何を、この野郎、ふざけやがって!」
 「おやおや、お奉行様、この不浄役人が直参旗本に向かってそのような口をきいてもよろしいのですかな」
 北町定廻り同心日下部退蔵の腸は煮えくり返っていて悪臭を放っていた。
 「奉行、新三郎のやった悪行は明白なのです。それを野放しにしたままでよいのですか」
 「儂もお主と同じ気持ちだが、感情や、憎しみ、恨みや思い込みだけで裁定を下すわけにはいかねえよ、 疑わしきは罰せずが御定法だ、白州に私情を挟み込んじゃいけねえんだよ」
「お奉行、それじゃあ、ずる賢い悪はやりたい放題じゃありませんか、それで江戸の町は守れるのでしょうか」
 遠山金四郎には、配下の定廻り同心、日下部退蔵の怒りは十分理解できていたが今は動けなかった。
 名奉行としての名声と、お役目の立場に凝り固まり、義理と人情も所詮は口先だけに落ちてしまった 自身の不甲斐なさの狭間で、遠山金四郎はある決断を下したのだ。
 氷月左近との繋ぎの曲猿(せざる)に刺客の符牒を伝えたのだった。
    ~きれいごとだけじゃあ、すみそうもねえや、、、~
  つづく    朽木一空
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最終更新日  2022.01.28 10:30:06 コメントを書く
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