江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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旧岸総理邸 朽木一空と五林寺隆さん

2026.04.01
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カテゴリ: 忍草  再演 26
忍草(しのびくさ)  再演  26- 4
影を追う 闇に紛れて 忍び草 ~
 悪鬼、下忍の池に沈むの巻 4



叶わねばこその浮世なら、
 絶望とてあっけらかんと居眠りしてるご時世だ
 兎のぬいぐるみを来て取り締まったって
 悪鬼だとすぐに露見しちまうよ、九鬼流斎の旦那、

 南町奉行鳥居耀蔵の天保の改革における『質素倹約令』の市中取り締まりの先鋒を請け負っていた実働部隊が、南町奉行鳥居耀蔵の懐刀の黒田九鬼流斎であった。
 岡っ引き、下っ引き、柄の悪い小物を何十人も引き連れて、江戸市中を容赦なく厳しく取り締まっていた。
 黒田九鬼流斎が移動する三間四方には、密偵、間者を張りこませて偵察せ、二重三重に眼を光らせていた。
歌舞音曲、歌舞伎小屋、芝居小屋、見世物小屋、遊女屋、矢場、料理茶屋、屋台店、湯屋まで、見廻り、
目につく贅沢、着物、簪、凧揚げ、魚釣り、縁台将棋、碁の類、お椀、簪までに難癖をつけ、果ては、
無宿人はもちろん、河原乞食や、願人坊主、夜鷹、瞽女、座頭 まで、すべてが取り締まりの対象で、
春画本や、かわら版、浮世絵の類いも、当然取り上げ、文句を云うものや、刃向うものには、
「不埒者め、ご政道に逆らうのか!」と、
有無を言わせぬ取り締まりで、片っ端から、しょっぴき、弾圧した。
そして、暮れ六つがくれば、目こぼしを代償に、神田の料理茶屋『極楽里』で子分共と、
今日の取り締まり話を餌にして、酒食肉淋の宴会を連日開いた。
 <てぃ!お役人ばかりがいい思いをしやがって!>
 取り締まりが厳しさを増せば増すほど、江戸の町から明かりが消え元気がなくなりつつあった。
江戸庶民は、南町奉行の鳥居耀蔵は妖怪、黒田九鬼流斎は悪鬼だと、罵り、憎んだ。
かわら版屋は、鳥居耀蔵や黒田九鬼流斎の悪口憎悪を並べて囃し立てた。
 <妖怪鳥居、悪鬼黒田、蝮に喰われて地獄へ落ちろ!>
庶民は瓦版を呼んで、手を叩き、留飲を下げた。
そこが、黒田九鬼流斎には面白くなかった。
 「北町奉行の遠山左衛門尉影元はずる賢い野郎だ、遠山の金さんなどと煽てられて、
甘い取り締まりで、目こぼしばかりしやがるから、人気者になっている。
ご政道に忠実に仕事をしているのは儂の方だ。
 兎のぬいぐるみを着た人気取りや甘い吟味では、幕府の改革はできやしねえ、
遠山だって、曖昧や妥協でご政道が成り立つはずがないことは解っているくでに、」
 黒田九鬼流斎は機嫌が悪かった。機嫌の悪さが、鬼のような形相で庶民の弾圧と思われるような
取り締まりをさせてるのかもしれなかった。
 だが、九鬼流斎の気分を塞いでいる訳はそれだけではなかった。
 <簀子の下の舞の儂の力がなければ、出世も思いのままにならなかっただろうに、>
  南町奉行の鳥居耀蔵をここまで押し上げてきたのは己の力があったからだと己惚れていたのだ。
 黒田九鬼流斎は南町奉行鳥居耀蔵の絶対の信頼を得ている懐刀である。
 鳥居耀蔵がまだ、無役の時からの家来で、ことあるごとに表裏となって、鳥居耀蔵を助け支えてきた。
  汚い裏の仕事や邪魔者の始末はもっぱら神道無念流免許皆伝の使い手である黒田九鬼流斎の仕事だった。
  すでに、鳥居耀蔵の我欲のために十人は斬ったであろうか。
 だが、鳥居耀蔵は黒田九鬼流斎を役目に付けることはせず、常に陰として利用してきた。
 「鳥居様、某にも陽の当たる仕事を頂けませぬか、」
 「何を申す、そなたは陰となって儂を支えるのが嫌になったのか?」
 「いえ、ただ、奉行とともに危ない橋も泥水も飲んでまいりました
 報いは何であったのかと?」
  鳥居耀蔵は黒田九鬼流斎との問答で、最早、黒田九鬼流斎はこれまでと見切りをつけた。
  <この男は危険すぎる、老中に登りつめるのには秘密を知り過ぎた者は始末せねばなるまい>
  鳥居耀蔵に長い間仕えてきた黒田九鬼流斎には猜疑心が強く、邪悪な心を持つ
  鳥居耀蔵がすでに己に対して疑念の気持ちを持ち始めたことを察し、
  命の危険さえを感じ取っていたのだった。
 つづく 朽木一空





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最終更新日  2026.04.01 00:00:12
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