たどりつけるまで・・・。

たどりつけるまで・・・。

2009/09/24
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女性寮へ





ローリーは次に女性寮を案内してくれた。女性寮には男性が入る時、男性が入りますよと玄関で叫ばないと入れないことになっている。(男性寮に入る時も「女性が入りますよ!」と叫ぶことになっていた・・・。)寮は地下一階、地上3階で20名の女性を生活できるスペースがあり、約15、6名が生活していた。




ここでは、ワンダさんというスタッフと3人の生徒が話しをしてくれた。3人とも、後、半年や8ヶ月という訓練期間が残っている。

3人の中には、かつて、センターに来て逃げ出したという人もいた。でも、こうして、自ら戻って来て、センターでの生活を通して、真剣に薬物を絶とうとしている。





彼女たちは、何故、自分が薬物に手を出してしまうのか?




それは自分の意思の弱さであったり、幼い頃受けた傷が原因であったり、薬物に依存しているからであったりと、その原因を知っている。

しかし、原因はわかってもその解決法がわからない。しかし、彼女たちは、ここでの生活で薬物中毒から解放されている。





エンジー(仮名)は黒人女性で20代頃だろうか・・・。薬物の後遺症からか、足は振るえ、落ち着きがない。しかし、目はとても綺麗で、一生懸命、賛美歌を熱唱していた。








鉄格子のついた窓






かつてニューヨークで最も荒れていたブルックリンにおいて、薬物から更生しようとする女性寮に、乱暴を働こうとして侵入しようとしてくる侵入者たちがいたそうだ。

そのために窓には鉄格子や鉄の網が設置されている。今はそんな侵入者はいないということだが、そんな危険な時期をこのセンターは乗り越えて来たようだ。





鉄格子は普通、囚人の脱走を防ぐためのものであるが、このセンターにおいては、人生をやり直そうとする女性たちを守るためのものだった。


囚人たちは収監されると自由を失ったとか、運が悪くて捕まったと考える傾向にある。(わたし自身がそうだったが。)


鉄格子は自分と社会を隔てる壁として見る。しかし、鉄格子が収容者と社会との接点を閉ざしてくれたことによって、気づかされることがある。

この状況を通ったからこそ、気づけることがある。

10年来の知人のように生徒の皆と語らい、祈りあったりもした。我が家の帰って来たかのような安らぎがあるセンターだった。




印象的な出来事




時間も過ぎ、そろそろ、失礼しようかという時、最後に印象的な出来事があった。この女性寮で生活するバリーさんという女性のご主人と娘が偶然、面会に訪れた。娘さんは中学生とまだ5、6歳ぐらいだった。


ご主人は、金髪で長身。半ズボンにシャツという普段着のいでたちだがアメリカ映画に出てくる将校を思わせるような強さと気品を持った人だった。

彼はわたしを何ともいえない目で見ていた。その目は多くの悲しみを見てきたような目をしていた。







「奥さん、良かったですね。今、本当に変わっていかれて・・・。」





「ここまで、来るのに、本当にいろいろあったんだよ・・・。」


そう彼は言った。





「でも、本当に、ここの人たちは皆、いい人ばかりで・・・。」 





彼は人を信用していいのか?本当に妻のことを信じていいのか?そんな目をしているようにわたしは感じた。










センターを出ようとした時、アンジーやバリーさん、ワンダ、ポーラ・・・生徒の人たちが、沢山の手作りのサンドイッチの弁当を手渡してくれた。何とわたしたちが訪問することを聞いて、作ってくれていたのだ。





帰りの車内でサンドイッチを皆でほうばった。ほうばりながら、あのご主人の目を思い出し、たぎる胸を抑えながらあの家族の幸福を祈らずにおれなかった。薬物によって、傷ついた家族、離れ離れになった家族がもう一度、一つになることが出来ますように。


今回の訪問を通して、確信させられたことがある。あの家族も、あの生徒たちもそして、多くの薬物依存症者の方たちがこのセンターで人生の再出発をはかれるということを。






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Last updated  2009/09/24 11:16:16 PM
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