Emy's おやすみ前に読む物語

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Feb 2, 2006
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カテゴリ: 連載小説
お風呂の前で、
「絶対俺のほうが早く出るから、カギ持ってく。」
「待っててくれないの。」
「姉さんのその荷物見ただけで湯冷めしそうだもの。」



そういえば、大浴場に一人で入るのは初めてだった。
―― 心細い。
いつも家族や友達が一緒だった。
時間が早いせいか、誰もいないのが救いだった。

大きな湯船に入りながら、彼は大丈夫かと考えた。


“泳いじゃおうかな。”




風呂を出た私を、上半身を映す大きな鏡が待っていた。
誰もいないのを確認すると、
今夜、特別なことが起こりえるこの状況の為に、
チェックしないではいられなかった。

もともとあまり大きいほうではない胸は、
20代の頃とあまり変わらない。
しかし、23歳の女優には勝てないだろう。
首は、、、。

裸でボディチェックをしていたら、
声が聞こえてきたので、あわてて浴衣を着た。


化粧水をつけてハッと気がつく。

“私、彼に素顔見せるの、初めてかも。”

ここで化粧も不自然なので、素顔で。
髪は大きなクリップでアップにした。

あのブレスレット、アンクレットもつけた。


さてっ・・・。

―― と、彼は眠っていた。

8畳の部屋の隅に、座布団に頭を乗せ、
上品な青色のはんてんを着て、
こちらに背を向けて眠っていた。

私は静かに自分の荷物を片付けた。

私は仕事から、勝手に出発時間を変更して眠ってきたけれど、
彼は今朝の6:30から起きていたのかもしれない・・・。

私は彼の横に座り、寝顔を覗き込んだ。

“一緒に来てくれて、ありがとう。”

短い髪も手伝ってか、初めて見た寝顔は
少年のような美しさだった。
ふっと、首のキスマークを思い出した。

“今の私からの向きだと、左側につけられる。
・・・つけてみようか。
バンパイアって、こんな気持ちなのだろうか。。。”


―― 彼のかばんの中で、携帯電話が鳴った。






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Last updated  Feb 3, 2006 12:19:15 AM
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