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2017/01/13
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カテゴリ: ピアノ




鳥のように自由になって




好転反応が始まり自分自身と向き合う日々の中で、これまでの私を回想する時間が圧倒的に増えた。

そう、それはピアノ時代。

大学の頃は、寝ても覚めても弾いて弾いて弾きまくって、弾くことが我が仕事であり、とても大変なピアノ漬けの生活だったけれど、その分とても充実していた。

大好きなピアノが弾ける喜び。

常に10曲以上もの譜面を並行して練習し、いろいろな作曲家の作品を学び、著しく視野が広がる喜び。

まさに毎日が成長だった。

もうあんな生活は出来まい。




ピアノの先生はそれはそれは厳しかった。

練習をすればした分だけのレッスンをしてくださるが、少しでもさぼった日には、先生はお見通しで、それ相応のレッスンだった。



なんとしてでも、卒業の時に、選ばれた者しか出演させてもらえない演奏会に出演したかった。

それは、入学した時点で既に我が心に掲げていたたった一つの目標だった。

高校を卒業していない身だったから、尚更その想いが強かったのかもしれない。

出演する、絶対に私は選ばれる。

心の奥深くでは実は密かに選ばれる自信があった。

それだけが日々の励みであり、その確たる想いを共有していたのは、紛れもなく先生だった。

いえ、先生だけだった。




私は、先生にレッスンされた通りに練習を積んだ。

ここはもったいぶってうんと溜めなさい、ここは指を寝かせて鍵盤を触りなさい、ここで左ペダルを一音一音踏み直しなさい、

この音はカーンと甲高く鳴らしなさい、ここでさっと重心を右に移動させなさい、ヘコヘコと飼い犬のようにすべてに忠実に従った。

褒められることなんてまずなかったし、あまりに言われた通りに弾けない自分が情けなくて何度泣いたか知れないけれど、それでも先生は間違いなく私に力を注いでくれた。



ただまっしぐらにひた走る二人三脚だった。

その甲斐あって、めでたく卒業演奏会に選ばれた時には、「はぁ、やっと、やっと報われた。長かった。」と思った。

高校の中退も、大学生活も、レッスンも、辛かった何もかもが一瞬にして吹き飛んで、私はこれ以上ない幸福感に満たされた。




でも、今になって思う。

私の奏でていたピアノに我が意思はあったのだろうか。



応えは、否、である。

私のピアノはロボットのようだった。

先生に言われるがままに創り上げられた模範的な模倣に過ぎなかった。

技術にばかり捉われ、目指していたものを履き違えていたように思われる。

そこに聴衆の心を揺り動かすような熱い感情が込められていたとは、決して言えるはずもない。




今、ピアノとの距離を置いて、ピアノへの想いを遠いところから客観的に再確認している最中である。

私はいずれきっと復帰するであろう。

その時には、技術に縛られることなく、結果に支配されることもなく、鳥のように自由になって向き合いたい。

そこでようやく「私」というこの世に存在する一人の人間が奏でるピアノが生まれるのだと思う。

青春時代のピアノには青春時代の良さがあっただろう。

でも、これから先はその時代を経て、歳と共に成熟した自分をピアノのメロディーに乗せて表現したい。

また一つ、我が人生の目標がここに誕生した。





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最終更新日  2017/01/13 07:31:31 PM
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