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ブログの表題から『点字』を外し、ケジメをつけようと読み返していて、盲導犬セレちゃんを思い出しました。昨夜はBS7チャンネルでパピーウォーカーの物語が放映されていました。最後はやっぱり涙してしまいました。2005年から何度か書いてきたことの中から抜粋して見たいと思います。3回くらいに纏められればいいかなと思っています。盲導犬のセレちゃんとは、点字講習会のゲストとして、オーナーのBさんと一緒に来てくれたことで知り合いました。何年かして縁があったのか私と同じ職場に、Bさんが転勤になってきたのです。勿論、セレちゃんも一緒。そして親しく触れ合う日々を持つことが出来るようになりました。とは言っても、私は非常勤で週1~2回の出勤だし、机のある部屋も別ですから、四六時中、顔を見ていられるって訳ではないのですが・・・コツコツとノックの音がして、休憩時間に「セレで~す」「今日はhacoさんが来てるって、セレちゃんが、ここに引っ張ってくるのよ。」とオーナーのBさん。二人で話に夢中になっていると、突然Lちゃんが自分の足を咬み始めました。「大変セレちゃんが、自分の足咬んでる」「あぁ、自分を除け者にしないでって、言ってるの」「ごめんね。こっちに来て」セレちゃんが擦り寄ってきてくれますが「わぁ~ 体重何キロ?よろけちゃうじゃない」Bさんを挟んで、セレちゃんと歩くとき、Bさんの体越しに、私を覗いて来ます。『ヘルプしてくれるんでしょ?私休んでいいよね』『いいよ。任せて』それからは、ハーネスを着けているのにキョロキョロ。思わず噴きだしてしまうほど、オーバーに オーバーに。 いつも、よそ見しないで歩いているけど、本当は、見たいもの沢山あったんだね。では、『ヘルプ代ってね』のサインを見ない振りをすると、どうするか? Bさんの後ろから回り込んできて、『わかった』と言うまで、鼻先で私の膝の後ろを突くのです。デパートへ行った時のことです。上ってきたエレベーターには、既にかなりの人が乗っていましたが、二人と一匹を見ると少しずつ詰めて、スペースを作ってくれました。後ろの女子高生が、セレちゃんの頭を撫で始めましたが、Bさんには分かりません。猫なで声で「このハーネスを着けてる時は、お仕事中だから触らないであげてね。」「ハーイ。ゴメンナサイ」ソプラノのコーラスが返ってきました。電車に乗っていても「あら~ カワイイ」と、足元にセレちゃんが座っているBさんの隣りへ席を移してくるオバサマに出会ったこともありました。喫茶店で入店を拒否された時代と較べようもない温かい視線を背中に感じることが出来ました。
2018.03.21
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Rさんは、対面サービスをする私たちの前では一切テープ録音をなさらないし、点字のメモも取られませんテープは「聞かなきゃなんないじゃない」点字は「読まなきゃなんないじゃない」 抜群の記憶力月一くらいの間隔でお見えになります。テーブルの上に、背負ってきたデイバッグを逆さにして中身をブチマケルこの仕事で、一番依頼が多かったのが、この郵便物処理です。プライバシーの問題もあり誰に読んで貰ってもいいというものではないこともあるので・・・でも、大抵の方は手触りで区分けなさった物を持参されますがRさんは例外でした。利用時間を予約される時、職員が一応利用目的を伺いますが、「ごみ整理」と冗談を言われた方がいらしてたまたま、転勤したての人が応対し「うちは清掃事務所じゃないいんですけど」と答えたとか先ずテーブルからこぼれ落ちた郵便物を拾い集め封書・葉書・チラシ広告などに仕分けをします。「封書から読みます」と言いながら眼と脳は、私なりに重要度を判断しながら、読む順番を考えます。最初は差出人。内容も途中で「あぁ それ要らない」とおっしゃれば、破いて屑篭へチラシ広告が意外と情報源だったりします。「ハウスクリーニングを頼もう」とか、不用品の引き取りとか。チラシ広告は近場の業者が多く、利便性があるようです。初対面の時「後は、チラシですけど、読みますか?」と言ってしまって「当たり前です。要る要らないは、私が決めます」とピシャリと言われ、恐縮したものでした最後は3・4冊の預金通帳を。これだけは、さすがに別途取り出して半端じゃない残高を
2016.11.12
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外出先のトイレって、いろいろな形がありますよね 水を出すのにも、タンク式で取っ手を回すもの。 ボタンを押すもの。床のペダルを踏むものetc・・・ 水を流す以外にも、非常ボタンとか、いろいろな装置があって見える私でさえ老眼鏡を持って、入らないと表示が読めないことも・・・ 洗面台にしても、手をかざせば自動で出てくるもの。蛇口を押すか、捻るかまぁ、見えるから、何とかなっていますが ご自分たちの行動エリア内の公共施設やデパート・スーパー・公園・駅などのトイレをボランティアさんと共に、調査しては会報に載せているグループがありました 点字で書かれた調査資料を持参され、読みあげられます。「○○デパートのトイレは、タンク式。レバーを回す。非常ボタンは、~~~腰掛けると、右手は便座カバー用の紙。トイレットペーパーは、左側。 使用済みの便座カバーははずしてトイレに流さず~~~~」聞きながら、PC入力をします。最初に1部だけプリントし、触読していただき、校正してから、必要部数をプリントしてお渡しします。調査された以外にも、会員の方からの情報もあり、どこそこのトイレで水洗ボタンと、非常ボタンを、間違えて押してしまって、警備員さんが飛んできた正しくは、この位置」 などなど・・・そういえば、トイレに点字表記があるのってあまり見かけませんよね。ご不便は、まだまだ続きそうです
2016.11.05
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辞書的解釈はさておき「ともしび」という詩情を謳いたいときに「灯」を使えばいいじゃないですか。街灯、灯台、提灯(ちょうちん)、灯篭(とうろう)これらの熟語からわかるとおり、「灯」という漢字には「辺りを照らす(人工的に作った)光源」という意味があります。その意味の「あかり」は「灯り」、その他の意味の「あかり」は「明かり」です。「灯」の訓読みには「ともしび」もあります。つまり、これも「(人間が)ともした火」ということですね。「ともす」もんですから、月なんかに使っちゃだめですよ。明かり:光源を問わない。光、明るさ。灯りは、暗闇の中に灯る光のこと。『アカリ』明かり=光.「窓から明かりがさす」;灯り・・・自然光灯り=ともし火.電灯.⇒ 明かり.「灯り(明かり)」をともす。街の灯り.・・・人が作る光 YAHOO“みんなの質問”で『明かりと灯りの違いは何ですか』と検索したとき目を引いた解答です。 『マチノ アカリガ キエテ ユク』 これを、墨訳する時、どう書くか『町の明かりが消えて行く』 『街の灯りが消えてゆく』『マチ』を変換すると、町=地域・行政区画・町ぐるみ・隣の町・・・無機質的?街=街路・「街は買い物客でごった返している」「街を吹きぬける風」 ・・・人と共に『ユク』=『行く』とは書けないなぁ 『ヒガ ノボル』は、日が昇る・日が上る・陽が昇る・・・ (上記の例文は、Yさんの詩とは無関係です。)分厚いイベント情報誌の中から、作詞募集に応募されるIさん。細かい数字は忘れたけれど、応募された作品の4分の1位は、入選されているそうです。 カナタイプで印字された原稿を、漢字仮名混じり文に墨訳します。当選するかしないかは、審査員の好みによる所も多いとおっしゃいます。(殊に作詩の世界では)字面で印象が変わり、『運命』をルビで、『さだめ』『女』を『ひと』 などと読ませる世界です。限られた利用時間内で、自分の知識・経験が作詞者の意に、どこまで副えるでしょうか書き終わった墨訳は必ず音読し、確かめていただきます。点訳と音訳は、正確な読み書きが求められますが、墨訳は、感性が求められるような気がします。 ある日、「私たちの墨訳で応募したIさんの詩に曲がつき、○月○日○○局で放送されました。そのテープを頂きました。休憩時間に聴いてください」とスタッフの申し送り事項にありました。セミクラシックで、ピアノのシンプルな伴奏にのって、澄んだ合唱の歌声が録音されていました♯♪♪♪ ♭♪♪♪“感動”でした
2016.10.28
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Kさんは、都内の区の鍼・灸・マッサージ師会の会長さんです。会長になられる前は、家電の取扱説明書や、CDの目録の音訳が主で、『取り敢えずは、その場で、必要な所~~家電であれば、switchの位置とか、機能を音訳』し、持ち帰えられ後で全文を『預かり依頼』にされていらっしゃいました。『預かり依頼』とは利用者の予約が入らない時間か、利用者の方が1コマ90分の時間を使わず予定より早く帰られた残り時間に預かっている資料を、点訳・音訳・墨訳(期限なしが条件)することです。Kさんがお住まいの区では、決められた日に、区内の点訳サークルが交代で、対面サービスをしていることを伝え聞いていましたのでプライバシーに関係ない取説などは、「そちらの方が、お近いし仕上がりも、早くのでは?」と話したところ「大勢の人が係わるので、ザワザワしていて落ち着かない」と地下鉄を乗り換えながらでもお越しになるのでした。会長さんに就任されてから、ご依頼の内容は、会の運営に関するもの一色になりました。墨字で配達される公文書などの点訳・音訳が終われば必ず会報の作成・発行でした。Kさんが、点字で書いてこられたものを読み上げられ、それを聞きながら、入力していきます。ここで、面白いのは、点字は、正確に書きさえすれば誰が書いても、全く同じになる筈なのですが微妙に違ってくることです大抵は、私が書き方のほうがが、多い行数を必要としました。主に行末の扱いと、マス空けの違いです。触読は3拍で区切るのが効率がよいと結論が出てからは区民祭りは、クミンマツリから、クミン■マツリ。桜並木=サクラナミキ→サクラ■ナミキ。岬めぐり=ミサキメグリ→ミサキ■メグリ etc ・・・などと書くようになりました。お若い時に点字を学ばれたKさんは助詞・助動詞のみの行替えをなさいますが私が点字を始めたときは、助詞・助動詞を含む語句全体を行替えするように表記法が改訂されていました。また行末が、10マス以下の空欄の場合は語全体を行替えして書きます。「今は、こう書くんですね」とあまり、ご自分の書き方に執着されることは、ありませんでしたが多少、戸惑われることもあったようです。入力し、プリントしたものを、触読していただき、校正の後、必要部数をプリントし持参された封筒に宛名書き封入します。健康保険適用の申請をするよう、会員の方たちへのPRも、しばしば、書かれていました。都バスで、「次は、健康保険が使える○○治療院前でございます」などと、アナウンスを聞くと、各区の会長さんのご努力が実っているのだと嬉しく思います音声付のPCも購入され、本当に頑張っていらっしゃいました。案の定、留任・留任~~~ でした。
2016.10.23
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「携帯は持ちません」とおっしゃっていたKさんが或る日、携帯と説明書をお持ちになりました。月毎に変更のご依頼のあったコンビニの電話注文パンフの点訳を読まれていたら、注文された商品に懸賞が付いていて応募され当選なさったとのことでした。携帯の普及で、公衆電話が減って視覚障害の方も、携帯をもたれる方が多くなり説明書の点訳・音訳を頻繁に依頼されるようになりました。対面サービスの利点~~現物をお持ちいただきその場で話し合いながら、分かりやすく読むことができます。何回か音訳・点訳するうちに、説明書の順番より、携帯の構造?にしたがって、読むことにしました。例えば(画像は私の携帯です) 「蓋を開いて、スベスベの方を上にして、持ってください」そして、ボタンの位置を確認していただきながら、1.「一番上の中央にレシーバー(受話口)があります」2.「その下のスベスベした部分はディスプレイ画面です」3.「その下の右側に」と言いながら10を目で探し「インカメラなので気になさらなくてもいいかも・・・」など、視覚障害の方には不要であるかもしれないこともお伝えします。4.「本体上の方の中央の突起部分が、マルチガイドボタンで.・・・」13マルチガイドボタンを読みます。5.「マルチガイドボタンを囲んで4個のキーがあります。左側上下3・4右側上下12・14を読みます。6.「次からは一段毎に左側から3個ずつ読みます。一段目6・5・15を。二段目~~~ 説明書にチェックを入れ、読み落しがないかも確かめながら・・・眼がグルグル 眼がグルグル両サイドや、蓋・底部分は、読みますが、ディスプレイ画面の説明は殆どの方が、不要とおっしゃいます。最初は、とにかく『先ず、電話が掛けられ、受けられる』機能に絞って音訳しテープを持ち帰っていただきます。利用時間に読みきれなかった部分や、点訳が欲しいとおっしゃれば後日の『預かり』となります。
2016.10.16
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でも でも 本当は出来た方が いいに決まってます視覚障害者の方は、音楽がお好きな方が多いです。お見えにならない分、音に敏感なのでしょう。Fさんは、月曜日にお隣の部屋でお琴教室を主宰なさっていてご利用予約も 月曜日の一人目と、決まっていました。「その世界では有名な方ですよ」と職員の方から伺ったことがありました。 舞台公演や、発表会のプログラム発送の宛名書き。点字の案内状の作成・コピーなど。 何時も、1時間以内で終わってしまうのに、オヤツ付きでした「CDが貯まって、探すのが一苦労」とおっしゃたので、ケースにNoを貼り、リストを作ることをお薦めしましたら30枚位ずつ、作曲家別にお持ちになるようになりました。殆どがクラシックオーケストラの演奏のものでした。Bach Chopin Mozart Beethoven・・・タックペーパーに、Noを点字で書いてディスクケースの一定の位置に貼り付けます。 別に点字リストを作ります。『No タイトル 作曲者 演奏者 等々 ディスクに書かれている項目は、出来るだけ削除しない』と、スタッフで取り決め、暇なときに点訳することにしました。 輸入盤が多かったので、外国語の点訳は、英語は1級点訳で見たままを書けば良いことをご了解いただきました。2級英語点訳の略字はスタッフの誰も出来なかったので現在はパソコンで自動点訳が出来るのでソフトが使える環境であれば可能でしょう。英語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・・・「点訳者註:外国字符を省略します」とお断りを入れれば A~Zまでは各国語とも共通ですがフランス語・イタリア語のアクセント文字。ドイツ語の変母音などは、ブログに度々ご登場いただく「盲導犬Lちゃん」のオーナーBさんに頂いた資料を使わせて頂いきました。 スペイン語 ドイツ語 最初にリストをお渡しした時から、廊下でお会いする度に「もう 嬉しくて 嬉しくて。毎晩 リストに触っては、ニコニコしてます」とおっしゃっていました。これほど喜んで頂ける事は滅多にありません。「点字が擦り減ったら、何時でもプリントし直しますから・・・」未完のまま、私は定年退職しましたがCD200枚分は作れただでしょうか
2016.10.09
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盲導犬を同伴される視覚障害者の方は、サービス室隣の控え室に待たせておく方と、サービス室内に連れて入られる方と二通りいらっしゃいます。控室派の盲導犬たちとは残念ながら触れ合うことは出来ませんでした、前述のEさん(13)の盲導犬マリーちゃんは室内派。入室と同時に、"居場所は此処"とばかりに対面テーブルの下にもぐりこみます。 長々と手?足を伸ばし、横向きにゴロン。音訳を始めて、5分と経たないうちに、グーグーグォーと大音響が。 何時ものこと。高いびき眠い..眠い..なのでした。「みなさんのお声が子守唄に聞こえるらしくて…」時間が来て、Eさんの「マリーちゃん 休み時間は終りよ」の声に渋々、テーブルの下から起き上がってきますがハーネスを付けられ、引っ張られても、しばらくは「まだ此処に居たい」と座り込んでいます。Lちゃんは、何時も、ユーザーのBさんの机の下にいましたが、眠っているのを見たことがありませんでした。Lちゃんが、見識を弁えた熟女ならマリーちゃんは、まだあどけなさが抜けない少女でした。 毛並みの艶がLちゃんとは違います。見るからに老犬をお連れになった方がいらっしゃいました。ご依頼はお手紙の墨訳(通常の漢字かな交じり文にすること)でした。本文を書き、持参された封筒に宛名を書きました。に切手を買いに行って投函されるとのことでした。「予約された時間が、まだ残っていますからご一緒しましょうか」「助かります」と言うことで、外を歩くことになりました。ユーザーさんに肩を貸し歩き始めたのですが「コイツのために、もう少しゆっくり歩いてくれませんか」「何しろ14才の年寄なもんで」盲導犬は12才くらいで引退と聞いていたのですがこんな方もいらっしゃったのです2012年8月。ニセコでティンコ一家と過ごしていましたが小樽に連れて行ってもらいました。観光を終えて駐車場に戻ろうとした時、一匹の犬を見つけました。「あっ ハーネス着けてる お仕事中の盲導犬だ 」視線を上に 「えっ Bさん 」Bさんは声で分かってくれて「どうして~ どうして、あなたが此処にいるのぉ~」嬉しいことに初対面のPちゃんも、私の足にスリスリLちゃんが死んでから次の盲導犬を持つことを躇っていらしたけど、新しい出会いがあったのね。こんな偶然てあるんだ。 盲導犬のオーナーさんには『セカンドシンドローム』があって新しい盲導犬を前の犬と較べてしまって新しい犬と馴染めないで返納したしまうことがあるそうです。Bさんは新しい犬を持とうと吹っ切れるまでに2年かかったと帰郷してからで話してくれました。でも、スペインにはLちゃんとでなければ行けない気がしているとBさんとLちゃんの絆、深かったんだなぁ盲導犬の一生(引用・抜粋)1.子犬の誕生 盲導犬は繁殖犬飼育委託ボランティアの家庭で生まれ、約50日間、母犬や兄弟たちと一緒に過ごします。2. パピーウォーキングその後、約1年間、パピーウォーカーと呼ばれるボランティアの家庭で愛情に包まれながら育ちます。名前もここでつけてもらいます。この期間絶対に叱らず人間の優しさを教えます。3.盲導犬適性評価パピーウォーカーさんから協会にもどってきた犬たちに、訓練前に行われるのが適性評価です。約一か月、一頭一頭個性や性格が盲導犬に向いているかを把握する大切な評価です。4.盲導犬の訓練約7ヶ月行われます。訓練の基本は「よくほめる」こと。ほめて犬たちの学習意欲を高めていくこと、つまり「お仕事のやる気」を引き出すことが重要なのです。 5.アイマスク歩行訓練訓練の終盤、アイマスク歩行訓練を行います。担当訓練士がアイマスクをつけ視覚障がい者と同じ状況で歩き、約7ヶ月間の訓練内容がしっかり身についているかが確認されます。 6.共同訓練パートナーとなる視覚障害者と出会い二人(一人と一頭)は寝食をともにしての訓練を4週間行います。修了してはじめて、「盲導犬」と「ユーザー」になることができるのです。 7.盲導犬の引退盲導犬も12歳になると、いよいよ引退を迎えます。引退後は老犬ホームか、個人ボランティアさんとのんびりと生活ができるように職員と24時間体制でお世話をしています。
2016.10.02
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デパートへ行った時のことです。上ってきたエレベーターには既に、かなりの人が乗っていましたが、二人と一匹を見ると少しずつ詰めて、スペースを作ってくれました。喫茶店の入店拒否当時と較べようもない温かい視線を背中に感じることが出来ました。後ろの女子高生が、Lちゃんの頭を撫で始めましたがBさんには分かりません。猫なで声で「このハーネスを着けてる時は、お仕事中だから触らないであげてね。」「ハーイ。ゴメンナサイ」ソプラノのコーラスが返ってきました。電車に乗っていても「あら~ カワイイ」と足元にLちゃんが座っているBさんの隣りへ席を移してくるオバサマに出会ったこともありました。マスコミの影響かも?盲導犬のことを取材・放送してくださったスタッフに感謝。Lちゃんの表情で、忘れられないのが、尻尾を踏んでしまった時です。鳴かない盲導犬が『キャーン』と大声。「ごめん。ごめん。ごめ~んBさんLちゃんの尻尾踏んじゃった。どうしよう」『hacoさんじゃぁ まぁ許してあげるよ』と感じた私の読みは、間違っていなかったと今でも信じています。勤務終了後、成田に直行とBさん。門前まで付き添いタクシーを止めます。「何回目?」「15回目くらいかな。」スペインはBさんが愛してやまない国です。『スペインの風を感じて』Bさんのホームページです。随分古く更新もされていませんが、今でも時々開いて読んでいます。海外へ渡航する時、Lちゃんは排せつ後、検疫が済むと、ヨーロッパの到着地まで飲まず・食わず・出さずで14・5時間を耐えるのです。人の障害に対しては、随分フォローされるようになったけど平穏に日々が過ぎて・・・私は仕事を辞め、Bさんも転勤になって、交流はだけになりました。いつも第一声は「Lちゃん、元気?」初めて会った時から、計算すると、かなりLオバアチャンの筈だもの2005年の夏、久しぶりにがありました。「Lちゃん、一ヶ月前に死んだのようやく、お世話になった方たちに、知らせる元気が出て・・・」Bさんが新しいマンションに引っ越した時に入居お祝いを持って訪ねてLちゃんを傍らにを飲みながら長時間語り合ったあと、エントランスまで見送ってくれたのがLちゃんとのお別れになってしまいました。通常、盲導犬は、老いて動作が緩慢になったり、お漏らしをして、迷惑をかけるようになったら(大体12才くらい)老犬ボランティアさんにお願いしオーナーさんは新しい犬と暮らすことになるのですがBさんは、以前からLちゃんとは最後まで一緒にいたいと話していた言葉通り、ご自分は白杖で過ごし昼間は、お母様が付き添い、食事もドッグフード(規則)だけだったのを手作りの美味しいものをあげていたとのこと。最後まで意識もあって、トイレもちゃんとして穏やかな臨終だったそうです。Lちゃん、フライトの夢でも見て空でキョロキョロしてるのかないささか自己陶酔気味でした。反省続く
2016.09.29
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盲導犬のLちゃんを、初めて見たのは、点字講習会の受講生の時でした。講習会の一環として、講師のZ先生がオーナーのBさんと一緒に連れて来られました。Bさんは、視覚障害者へのガイドヘルプの仕方の実習とレストランで同席した時には、食べ物の並び方をどう説明したら分かりやすいか等々のお話をしてくださいました。(時計の9時の位置にご飯・3時の位置にお吸い物など)何年か後、同じ講習会のアシスタントだった私は講習会終了後、Z先生とBさんとLちゃんと会場近くの喫茶店に行ったのですが店長はLちゃんの入店を拒みました。曰く「ほかのお客様が嫌がられますので」今では考えられないことですが恥じらいのない認識不足が腹立たしかったのを覚えています。Z先生が、然るべき所へ抗議しましょう」とおっしゃるとBさんは、きっぱりと「これは私の問題ですから、自分で処理します」と。(ちゃんと処理されたそうです)そして、また いくとせ・・・思わぬ形でLちゃんと親しく出来る日々を持つことが、出来るようになりました。私と同じ職場にBさんが転勤になってきたのです。勿論、Lちゃんも一緒。とは言っても、私は非常勤で週1~2回の出勤だし机のある部屋も別だから、四六時中顔を見ていられるって訳ではないのですが・・・コツコツとノックの音がして、休憩時間に「Lで~す」「今日はhacoさんが来てるって、Lちゃんが、ここに引っ張ってくるのよ。」とオーナーのBさん。話に夢中になっていると、突然Lちゃんが自分の足を咬み始めました。「大変Lちゃんが、自分の足咬んでる」「あぁ、自分を除け者にしないでって、言ってるの」「ごめんね。こっちに来て」Lちゃんが擦り寄ってきてくれますが「わぁ~ 体重何キロよろけちゃうじゃない」Bさんを挟んで、Lちゃんと歩くとき、Bさんの体越しに、私を覗いて来ます。『ヘルプしてくれるんでしょ私休んでいいよね』『いいよ。任せて』 それからは、ハーネスを着けているのにキョロキョロ。思わず噴きだしてしまうほど、オーバーに オーバーに。いつも、よそ見しないで歩いているけど、本当は、見たいもの沢山あったんだね。では、『ヘルプ代ってね』のサインを見ない振りをすると、どうするか?Bさんの後ろから回り込んできて、『わかった』と言うまで、鼻先で私の膝の後ろを突くのです。続く・・・多くの盲導犬は抜け毛で迷惑をかけないように人中では『盲導犬の洋服(マナーコート)』を着せられています。Lちゃんは何時もオーナーのBさんとコーディネイトされてオシャレさんでした
2016.09.25
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金曜日の午後一はDさんの指定席?なので、お茶か、缶コーヒーの用意をします。翌週の予約をされてから帰宅されるので、この時間帯が他の方になることは先ずないのです。Dさんは、私たちスタッフをトーキングマシンと思っているのか、90分の持ち時間、ギリギリいっぱいの資料をお持ちになります録音の途中で、水分補給しないと、声がかすれてきます。主目的は、ご自分のテープに、競馬新聞を録音し持ち帰られること。土・日の最終3レース合計6レース分をを読みます。画像(あまり適切でないかもしれません)の新聞を読む場合中山12レース サラ(ブレッド)3歳 うえ 500万したダート1200m 右回りか左回りかを読みます。1枠1番 ダンガンコゾウ 57(負担重量) 嘉藤と読み始め、16番まで読み予想の◎△などは読みませんが、新聞によっては牡 牝(ヒンバ)の読みが記されています。次に別掲の調教記録を読みます。ダンガンコゾウ(平行線) 前回 美浦 坂 稍(やや)12着 まる1回 52,6 38,9 25,9 ~~~1レースの出走頭数はG1レースともなれば18頭になり6レース分を読み終わる頃には喉がカラカラでした。「どう読んでもいいですよ。分かりますから」と、Dさんはおっしゃいますが、略語も、なるべくアナウンサーが使用する言葉に、結びつき易い読み方をと思い、HN氏に助けを乞いました。HN氏は、こよなく馬を愛し、競走馬への愛惜のノンフィクションの著作もある・・・ まぁ 知合いに免じて、迷惑承知で。 「WCって何ですか?」「ウッドチップのことです。」 「武 豊の弟の武 幸のフルネームは何ですか?」 「横山 典は?」人名は正確に読まないと。トクガワ ヨシノブと、トクガワ ケイキは違う将軍だと思っていたと、聞いたことがあったので、ここは正確にと・・・「Fは?」矢継ぎ早の質問の後、HN氏は、「美坂は、美しい坂ではなく、ミホハンロと読みます」と、ご親切なアドバイスありがとうございました。美浦ね。じゃ栗は栗東(リットウ)ですね悪戦苦闘、これで大体1時間経過。そして私も、日曜日にはツイツイ競馬中継を見てしまいますが、後日、お合いしても、結果をお聞きすることはありません。約1時間で、読んだ競馬新聞の馬の数は、6レース分で80~90頭になります。これだけでもチョットしんどいのに残る30分は何を読めというのでしょうか?大抵会社四季報でした。時間ギリギリまで腕時計を触りながら、「あと3分ありますね。じゃあ○○会社を」となるのです。そんなDさんが、ある日スーパーのレシートを2枚取り出しました。「読んでください」初めてのことでした。日付と、品名・金額を読んでいきました。誰方かに買い物をお頼みになったのでしょう。このサービスでは、『利用者のプライバシーに踏み込まない』ことが大前提。でも、何かおかしい。レシートは、二日続きでしたが、どちらにも、ほうれん草。考えて迷って、切り出してみました。「ほうれん草が、お好きなんですね。一食で召し上がってしまうんですか? この値段の1束を、家は二人暮らしでも、1回では食べきれないんですよ・・・」Dさんは、絶句されました。今でも言って良かったのかどうか分かりません。
2016.09.17
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お給料を頂いて、点訳・音訳・墨訳と言うこの仕事をしていた間、一番緊張したのは、放送大学関係の墨訳のご依頼でした。受講していらっしゃる方が、何人かおられて、選ばれる学科は様々でした。申し込み手続きの時は、書き違えがないよう。スクーリング等の日時・場所・教室を間違いなく伝えるよう細心の注意をはらいます。Hさんは手書きで点字を書かれるのが超・超早く、読み上げるのを即、書き取られます。そして、そして、テストの代筆。マークシートの答案は、ご自分が点字で解答されたものを、お読みになるのを、解答が無効にならないように、定規を使って、塗っていきました。提出論文は、同じく読まれるものを、墨訳(漢字・仮名混じり文に直すこと)するのですが、専門用語が出てくることも多く、対面室のPCをONにしておいて、同音異語や、正確な漢字を、確かめながら、手書きします。出来るだけきれいな字で書こうと、緊張したものでした。勿論、最後に確認の読み合わせは欠かせません。事務室に利用者の方が、成績表をFAXされ、電話口で、読み上げることがあります。成績が悪いかもと、ご家族やお知り合いに頼みにくいのかもどの課目も85点以上でオールAなんて、こちらの嬉しさも一入。手助けさせて頂ける幸運に感謝!!でした。余談ですがFAXをご利用になる方は、90分の1コマのうち、ホンノ10分程度で終わってしまうことが多く、残りの時間は他の方からお預かりしている音訳や点訳をしていました。Hさんが他に持参される物には歌舞伎関係の物が多かったです。1・2度しか観劇の経験がない私は演目が読めなくて世情浮名横櫛 くらいしか分かりません。義経千本桜も、後に、川連法眼館と続くと、もうでした。『かわつれほうげんやかた』この部屋のはネットに接続されていないので検索することも出来ませんでしたどうやって切り抜けてきたのか、オキラク人間の私は覚えていないのです盲導犬のマリーちゃんは入室すると迷わず対面テーブルの下に潜り込み高いびきなのでした。「みなさんのお声が子守唄に聞こえるらしくて…」
2016.09.14
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遂に言われてしまいました「見えるって不自由ですね。」と、おっしゃるのはMさん。「寝付きは、いい方ですか?」の問いかけに「いいえ。本を読みながら眠くなるのを待つんですよ」と、答えたことから始まりました。「そんな時、点字はいいですよ。暗い中で読めるから…眠りたい家族に、迷惑かけないから」と。現在のように、誰もが個室を持てる時代ではありませんでした。少女期、「まだ、起きているのか?」と、父の叱責に、頭から布団をかぶり、スタンドを抱き込んで本を読んでいたことを思い出しました。Mさんは、点字しか信用なさいません。持ち込まれる資料が多い日に、「録音にしましょうか? その方が、多く訳せますから」と言うと、「朗読は、読み手の感情が入るから信用しません」と。パンフレットや、集会の案内を読むのに、感情移入はないと、思うのですがとにかく、お持ちいただいた資料を広げ、一枚ずつタイトルを読み、即日必要な物を、選り分け、第一優先順位とします。点訳しきれなかった資料の中で1・2枚程度の短いものは、スタッフが暇を見て、後日、点訳します。冊子のように長いものは、点訳グループのボランティアさんが、宛名書きをして送ってくださった封筒に入れ郵送します。仕分けが終わると、「じゃぁ、上にいるから」と、Mさんは、二階の和室集会所で、オヤスミそうなんですMさんは、何時も利用時間の最終の枠(コマ)を予約されます。(19:00~20:30)このコマだと、時間が多少延びても、他の利用者に迷惑をかけることがないと織り込み済み。日中のお疲れでオヤスミなのでしたその後、私は必死で、点訳。政治問題と、原発のあり方を考える集会には、数多く出席されていて、その関係の集会案内や、冊子が多かったです。集会関係の資料は日付の早い順に点訳していきます。講演会等の案内で、『講師 ~~大学 苗字 名前教授』の名前の正確な読み方に迷う場合は、○○教授と略させていたきました。Mさんの利用時間内に、出来るだけ多くの点訳をと考えると、こうするしかないように思いました。4人のサービス員の中でも私が一番気の置けない存在だったらしく「今日は、あなたに会えてよかった。」の言葉に支えられて頑張っていましたが、1ヶ月ほど、お見えにならないと、感じていたら、お兄様から、訃報が伝えられましたその後、別の利用者の方が『Mさんをしのぶ会』の点訳・プリントのご依頼に見えました。
2016.09.09
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Y(前回のYさん)夫人がお見えになるのは、火曜日の午前中。ここのサービス業務は、火曜と日曜以外は、午後からしか行われないので、二人のお子様が小さかったY夫人は、お子様が学校や幼稚園に行っている、この時間しか利用できないのです。それ以外の日は、学校や幼稚園のお知らせを、事務室にFAXで送り、予約時間に、『TELして聞き取る』という方法を使われていました。視覚障がい者の方が、FAXを情報取得の手段として、利用されるのは、こんな使い方があるからで、ご自分が、受け取って読まれる訳ではないのです。学校給食の献立表を読むのは月例でした。 で読み上げた物を方法は分かりませんがカセットに録音して日にち毎にお聞きになるようです。ベストの読み方だったかどうか〇月分献立表を次の順序で読みます日にち・曜日・献立名・おもな使用食品の働き、三項目に分かれます 体をつくるもとになる食品をAの食品~~Bの~~エネルギー・タンパク質の順で読みます ついたち 月曜日 ポークカレーライス,7品目のサラダ,なし,牛乳Aの食品 豚肉,わかめ,牛乳 Bの食品~~~675キロカロリー 19.3グラムふつか 火曜日~~~~対面で最も多かったのが、お子様の洋服や靴選び。生協さんのカタログから、四季折々、成長に合わせて、必要な物を。お子様は二人とも健常者です。出来るだけ、色合わせを考えて、どう組み合わせて着ても、マッチするよう、私なりの説明とアドバイスをさせていただきましたが先日検索したらこんなのが載っていました。台所用品・日用品のカタログは、読むというより、説明になります。殊に大きさに関しては、"何センチ"ではなく、定規の上に、手を開いていただいて、15センチが、"親指と人差し指を開いた長さ"とか・・・幼稚園だったKちゃんも、私の在職中に、小学校高学年にまでなり、学校からのお知らせも、自分で読めるし、お金を預ければ、お姉さんと洋服も買いに行けるようになりました。更に13年が過ぎました。全盲のご両親を支える、素敵な若者に成長されたことでしょう。
2016.09.06
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Yさんは、几帳面さと、そそっかしさが、面白く同居していた方でした几帳面さはYさん個人のお仕事に…です。視覚障がいの方の相談を担当されていて、私たちと同じフロアに相談室があり、相談が終了された後の時間帯に、私たちのサービスを利用される時間を予約され、福祉局への提出用「相談表」に、点字で書かれた、相談内容とアドバイスを、墨字で記入を依頼されます。几帳面さは、墨字の項目を、全て点字でも書かれることです。相談依頼者のお名前と相談内容さえ分かれば、墨字の「相談表」は作成できるのですが、相談日時・相談者名・相談内容・・・ と 項目を一つ一つ点字で書いてくださっていました。(ご自分の保管用だったかも?)そそっかしいのは、協議会の代表としてのお仕事に…です。Yさんには、多くの公文書が送られてきます。これを、点訳・プリントし、会員に配布するのです。先ず、行政からの文書を音訳します。文書を一見して、大項目・中項目・小項目の数、更に細かい項目分けがあるかなど、全体像をお話します。暫し考えて「よし!」の声が出たら、読み始めます。ご自身がパソコンに向かわれて入力開始です。超弱視のYさんはディスプレイに額を擦りつけんばかりにして入力を始められます。それを目で追いながら、 ミスタッチがあれば、お教えしながら読んでいきます。「あぁ。目の玉が左右に別れそう」でも、この作業は楽しかったです。視覚障がいの方が、ご自分たちが読みやすい・解りやすい、点字文書を作る現場に立ち合わさせて頂けたから・・・『点字表記法』には『公文書などは、点字でも一般の形式にならって書く』と記されていて下記のような書き方例が載っていますが、読みにくいと感じてしまいます。Yさんはこの例文のように、読み出しの部分に多くの空白を作ることなく、主に3マス目から書き出し、項目をカギや波線で囲んだり、いろいろな区分わけを工夫されていらっしゃいました。こうして、苦労して書かれたのに、度々 「こないだの 文書のフロッピー、此処に忘れて行かなかったかな」 『えっ マタ デスカ?』 長文になってしまいました
2016.09.03
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スタッフの先輩が、Sさんに般若心経を点訳して欲しいと頼まれて経典を探していたのですがと持って来られ点訳の打ち合わせをしたいとご提案がありました。打ち合わせの結果、Sさんは漢字をご存じなので1 経典の振り仮名通り長音は、点字の長音記号ではなく『う』と書く。般若心経=ハンニャ シンギョウ2 その代り唱え方は原文も『-』が使われているので長音記号を使う。『マーカー ハンニャー ハーラー ミーター シンギョー』3 分かち書きは、意味をくみ取って判断する。4 参考熟語と解説の間を2マス空ける。5 判断に迷った時は連絡メモに書いておく。6 最終的にはSさんが読みやすく、唱えやすいものに仕上げる。と了解し合いました。摩訶 般若 波羅蜜多 心経偉大なる"悟りを開く智慧"の真髄摩訶=偉大なる般若=智慧波羅蜜多=悟りを開く、彼岸に至る心経=真髄摩訶 般若 波羅蜜多 心経(まか はんにゃ はらみった しんぎょう)偉大なる"悟りを開く智慧"の真髄→点字画像略摩訶=偉大なる般若=智慧波羅蜜多=悟りを開く、彼岸に至る心経=真髄Sさんに何度もお見せしてご希望を聞き変更を繰り返し、半年以上をかけて出来上がりました。毎日、点字を読みながら、お経を唱え点字がすり減ってしまうと、前回の帰りがけの時のように「般若心経、また出しといてよ」と。
2016.08.28
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「ねっ ねっ 夕べのテレビ見た?」と、大きな声で入っていらっしゃったのは、Sさん。日テレの<火曜サスペンス>のことです。副音声があるので、ご覧になるそうです。「えーと、今日必要なものは、広辞苑・カタカナ辞典・タックペーパー・・・」 言われたものを用意。広辞苑:「<ヤタガラス>っての読んでみて。それで、どんな漢字を書くの?」中途失明のSさんは、漢字をご存知で、説明を聞きながら、空間に「こう こう」と書いてみせます。年齢を重ねた中途失明の方が点字を習得するのは、指先の皮が固くなってしまっているので、大変な努力が必要と聞いています。「ヤは漢数字の八、次は一尺二尺の尺の右側の払いを、しんにょうのように延ばして、延ばした上に只、カタカナのロとハを書きます。最後に烏です」「八咫烏は、日本神話において神武東征の際、熊野国から大和国への険路を案内したとされる烏。一般的に三本足のカラスとして知られ古くよりその姿絵が伝わっている。高皇産霊尊(タカミムスビ)によって神武天皇のもとに遣わされたとされる」読む前にサッカーのシンボルマークに八咫烏が使われていることをご存じの上でのリクエストだとお話がありました。タックペーパー:歯磨きのパッケージを、取り出し「品名と商品名を書いて!」『ハミガキ カオー クリア クリーン』点筆が通れば、チューブの裏面から、通らなければ、タックペ-パーに書いて貼り付ける。タックペ-パーとは、ペットボトルの素材を用いて作られた、粘着剤付の透明シートです。必要になった時、先ずSさんが点字で確かめ、パッケージをコンビニに持参し、店員さんに出してもらうのだそうです。落語好き:寄席のプログラムを読む。歌舞伎ほどではないけれど、結構 難しい読みもあります。蛇含草=へび・含む・くさ=じゃがんそうだよ。反魂香=はんこんこうハンゴウコウのことだな。落語は好きでも詳しくない私。めっちゃ詳しいSさん。楽日が、お楽しみの日。寄席でも、この日は視覚障がい者のSさんが見えるので、動きに頼らない演目を選んでくれているそうです。他の日に行くと、切符売り場から、楽屋に知らせが入り、噺家さんたちが、演目を変更するのが気の毒で、行くのは楽日とに決めているとのこと。噺家さんの奥様で、点字を勉強されていらっしゃる方から、お手紙を頂いたこともあるとか。「般若心経、また出しといてよ」と帰りがけに。Sさん専用の「点字版般若心経」次回に書きます。
2016.08.25
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角松敏生さんはTVには、滅多に出ないし、この人の演奏を、聞いた事はありませんでしたが、仕事上、名前を知ることになったのです。角松敏生=リンクさせていただいている方のプロフィール欄にも「好きな音楽家」の中の一人に、この名を見つけました。その時のやり取りから、今もお付き合いさせていただいています。対面サービスの利用者の方に、熱狂的なファンがいらして、「今回は6本、全部行くのよ」と楽しそうでした。会報が発行されると持参されました。対面サービスでは、郵送による利用受け付けは、島嶼を除いては行わないので、持参されるほかないのです。利用時間は、1人1日1回90分。時間内は音訳で。先ず目次を読み、興味のある記事を指定され読んでいきます。全部は読み切れないので、あとはお預かりして点訳します。若いスタッフが、執筆・編集するのでしょう。随所に、『 ・・・etc』記号の連発健常者が、強調として使用するカタカナの表現。もどかしいけれど、文字は点訳は出来ても、会報全体の雰囲気は伝えきれません。点字には、漢字・ひらがな・カタカナの区別はなく、文字の大小の区別も出来ません。点訳者挿入符の記号の中に、『強調の大文字』『カタカナ表記』などと書けないことはないけれど、読む方には邪魔だと思われます。対面の時、「このページは、地色が赤で、文字は白。私の受ける感じでは、熱気を表現したかったのかしらね」など、主観をお話して、少しでも、全体像をお伝えしたいと、苦心しました。『全体像をお伝えしたい』など、点訳者としては、気負い過ぎ・思い上がりと、考えたりもしますが…余談この会報にライブの打上げのことが書かれていたことがあって『後はスタッフだけの会にしようと思っていたら、ミッチーが“僕も行きたい。行ってもいいでしょ”と強引についてきた。ミッチーって可愛い奴だよな』との件があったのを何故か覚えていて、以後注目して来ました。ミッチーも今や『相棒―神戸尊』『信長のシェフ- 織田信長 』映画・音楽界で活躍するスターになりました。Aさんはオシャレです。コーディネイトには気を使っていました。もしかしたら中途失明で、色の記憶はあるのかも知れません。セーターを持参されたことがあって「どんな色ですか」「そーねー。赤なんだけど、私はスカーレット色(やや黄味の赤)って言いたいんだけど」 「じゃぁ、スカーレッドにしよう」と大笑いでした。色をタッグペーパーに書き、切り取って服の裏側に止めつけました。一昨年まで賀状のやり取りを続けていましたが、昨年私からOUTしてしまいました。ごめんなさい
2016.08.21
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前回、Nさんがホームから転落したことを書きましたが 15日に「盲導犬連れ男性の転落死亡事故」が報じられました。 全国的には伝えられていないかも知れませんが、 この一報だけで終わりだと思っていたら続報もありました。 対面サービス時に複数の方からホームの点字ブロックを辿っていたら 柱にぶつかったと言うお話は聞かされていましたが、 今回の事故はまさしくこのホームでおきてしまいました。 これは敷設する業者さんの知識不足・指導不足なのでしょうか ホームドアの設置がベストなのですが、この路線は古いので設置にはホームの拡幅工事が必要とのことで、上野駅に一駅だけしか設置されていないそうです。 市民の認識不足もあるでしょう。70年代に活躍したアスリートが、歩道上の点字ブロックを 「邪魔だ」と発言されたのをTVで聞いたことがあります。 駅のアナウンスも同様です 「白線の内側までお下がりください」と言っていますが、 視覚障がい者には見えないし、聴覚障がい者には聞こえませんよね。 引用『視覚障害者の関連団体からは「盲導犬や白杖(はくじょう)を持った人がいたら、積極的に声をかけてほしい」との声が上がっている。視覚障がい者の移動には多くの不自由さと危険があります。横断歩道を渡るときは、遠回りでも大きな交差点へ行くとのこと。渡る人の気配で安心出来るそうです。東京都ではタクシー券が支給されていますが、対面時にお聞きした話では滅多に使わない(使えない)とのこと。停車場所や位置をクドイほど伝えないと・・・異なった場所で降ろされると、方向感覚がつかめず、とても不安になるし、運転手さんにはその『クドサ加減』が嫌がられるのだとか。対面サービスをした方がタクシーで帰られるときは付き添って私がタクシーを止めました。見えない方が分からないのをいいことに、白杖を見ると多くの運転手さんは素通りします。それを知ってから付き添って止めることにしたのです。乗車するのが見えない方だと分かると露骨に嫌な顔をされたのも一度や二度ではありません。タクシーのサービスも10数年前より格段に良くなっていると思いたいです。PC上では多くの関連記事を読むことが出来ます。社会福祉法人 日本盲人連合会 http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free/induction-block/ 点字ブロックの問題 http://www002.upp.so-net.ne.jp/HATTORI-n/878.htm盲導犬連れ男性の転落死亡事故 視覚障害者と現場ホームを歩く http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016081790070450.html 画像もあります点字ブロックを見直しましょう https://search.yahoo.co.jp/search?p=%E7%82%B9%E5%AD%97%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF+%E9%A7%85%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0+%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%BC%8F&aq=-1&oq=&ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&x=wrt
2016.08.19
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「きゃあ~」Nさんの姿を見るなり、大声を上げてしまい、「いきなり何ですか?びっくりするじゃないですか」と怒られてしまいました。「だって、血だらけですよ!!」早速、事務室から救急箱を借りて、濡れタオルで、顔と手を拭き、傷バンを貼りました。幸い、出血から想像したより傷は小さくホッとしました。 ホームから転落したとのこと。ご自分では、あまり痛みも感じなくて、そんなに大量に出血しているなんて、分からなかったそうでした。 引き上げ、助けてくださった駅員さん、もう一歩のご配慮を。 視覚障がい者の70%の方は、転落の経験者とか。 転落防止柵が、早くどの駅にも設置されるといいな。 ほろ酔いのおじさまにも、有効なんですから。 Nさん、初めてのときは、20代の青年でした 毎月、電車の定期券申込書を代筆しながら、加齢を実感しました。 私がやめたときは30代のオジサマに。 読み上げる公共料金の金額と支払日を、点字で丹念にメモされて、堅実な暮し振りが想像出来ました。 決まっていたのは短波放送の雑誌の音訳でした。 韓国の国際短波放送の熱心なリスナーであり、 カナタイプでの投稿でながら、年間最優秀リスナーに選ばれたことも。 ある時FIFAをエフ アイ エフ エーと読んでしまった私に Nさんは「それってフィファ、国際サッカー連盟のことですよ」 そしてサッカーW杯の記事を読むことに。 『ワールドカップ』と読んでおいて、一区切りついた所で、 「『ワールドカップ』は、文字ではアルファベットのダブリュ-と 漢字の杯・さかずきと書かれているんですよ」 『何で『はい』なんですか?』 「広辞苑でカップは杯『さかずき』なんですよね」対面サービスは、分からないことを調べている時間がない難しさと、会話で疑問を解決できる易しさが混在する仕事でした。 90分の予約利用時間が余ると、持参されたCD集のダイレクトメールの曲目を時間まで読み、懐かしい曲では、思い出を語り合い、 新譜では、今時のバンド名や、歌手の名前を教えていただきました。B'z ラルク アン シエル・・・ 中島美嘉=ナカシマなんですね。 それ以来、TVの今週のヒットチャートに、耳を澄ますことに。 まさに“頭にピッとアンテナを”です!!
2016.08.14
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リオ五輪が盛り上がっています。 多くの感動にウルウルがあります 視覚障がい者の方の情報収集は、耳からと点字が頼りです。 放送を聞いていると、「リオ オリンピック」と言っています。 が点訳するには少々悩ましいのです。 新聞や雑誌などには、「リオ五輪」と書かれていることが多いですね。 点訳するとしたら・・・ 1.「五輪」と書かれているものを「オリンピック」と書くのは、 そうには違いないけれど、意訳すぎる気がしないでもありません。(以下の点字画像は点字自動翻訳 on the webを使用させていただきました。) 2.単に「ゴリン」と書いてしまう。 前に地名が付いていれば、文章全体から『あぁ、オリンピックのことだ』 と推察していただけるとは思いますが、何故 聞くときは『オリンピック』で、書くと『ゴリン』なんだと 疑問を残してしまうこともあるかも知れません。読み手の情報収集力に待つしか・・・ 3・意味や、シンボルマークの存在から 「数字符・5・ハイフン・リン (5_リン)」と書くか? 一考を要します。 (『5』と『リ』の間につなぎ符を書くのは『リ』は数字の『8』と同じなので つなぎ符を書かないと『58ン』と読まれることになってしまう) 「五輪で2回金メダルを獲得した ~~さん」という文章の場合、 耳から入ってくる「オリンピック」と「五輪」とは、すぐには結びつけにくく、 「五輪」という別の大会があるのかと思われるかも・・・ 4.で~ 点訳者註を書き込むと 「数字符・5・ハイフン・リン点訳者註」 『点註オリンピックのこと。シンボルマークが五つの輪だから』 ・・・どうも説明臭が強すぎるナ・・・読み手のことを考えて、臨機応変にいくしかないか 読まれる方にも個人差があります。 15,000円は、<1マン■5センエン>と、書いてくださいと望まれる方は多い。 これは、日本語の文中であれば、通常の表記でしょう。 一方「どう書かれても読める。原本のイメージを知りたいから、 原本の『字』の通り書いて」と、おっしゃる方も。 「点訳は原文に忠実に」という講義を数多くうけてきましたが <忠実に>という定義そのものを先ず考えたいです。
2016.08.10
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料理本の点訳や、音訳の依頼が多いことは、 前回書きましたが、依頼される件数は、点訳の方が多いようです。 それは、使い勝手に拠るのでしょうか・・・ 点訳の場合、料理の種類ごとに、紙を替えるので、 読む方は、1行目の標題を読めば、次へ移ることが出来ますが、 音訳だと、テープを巻いたり戻したりしないと、 聞きたい個所が、見つけられないという、不便さがあります。 これを、解消するには、1本のテープに、1種類だけ録音し、 点字を読める方なら、タックペーパーに標題を書いて、 ケースに貼り付けるという、不経済なやり方しかありません。 MDなどタイトルの頭出しが、可能な機器もあるようですが・・・ 私たち健常者が、新しい料理に挑戦しようとするときも、 内容全部を、暗記して掛かれる訳ではなく、 途中、何度も、本を覗き込みます。 勿論、手には、料理の汚れを付けたまま これを、点字用紙上で行えば、点字用紙は、汚れる訳だし、 カスが残って、誤読につながるかも 紙以外の丈夫な素材ないかな テープを聞きながら、巻いたり戻したりしても、 レコーダーが汚れます。 分からなくなったら、手を洗って拭いてから、 確かめなければなりません。 こんな不便さを克服して、料理される方に賞賛を 事、料理本については、私は音訳より点訳の方が気楽です。例えばこの料理を点訳するとします。先ず、全体のレイアウトをします。 本文の書き出しは、3マス目からと決められているので、<材料>の『わけぎ』の部分と、<作り方>の『1』の部分を、 3マス目からと決めます。となると、 『材料』『作り方』は、5マス目から。 標題は7マス目から書く。と決めますが、 標題脇のリード文の扱いに、少し悩みます。 Z先生に、7マス目より深い書き出しの後の次の行は、 3マス目から書いてはいけないと言われたような記憶が・・・ で~ 「点字表記法」を読み直し、例文を当たって見ます。アッタ 詩の点訳では、標題7マス目から、 本文は、いきなり、3マス目からになっていると、言うことは、 読む方には、抵抗なく受け入れられるってことだ リード文を3マス目から書くことに決めます。(新聞のリード文の書き方もあります) 出来上がり写真は、通常省略しています。 ■■■■■■ワケギト■ブタニクノ■イタメモノ ■■ブタニクワ■ショーガヤキヨーナド■スコシ■アツメノ ニクガ■ムキマス。 ■■■■ザイリョー(数符4ニンブン) ■■ワケギ(マタワ■アオネギ)■■数符2ブンノ■数符1タバ(7~8ホン) 豚肉部分 略 ■■外国字符a ■■ニンニク(ミジンギリ)■■コサジ■数符1 ■■ショーユ■■オオサジ■数符1 略 ■■外国字符b ■■ショーユ■■オオサジ■数符1 ■■コショー■■ショーショー ■■アブラ (『油』を『a』の前の行に書くのも一法) ■■■■ツクリカタ ■■数符1.■ブタニクワ■ヒトクチダイヨリ ヤヤ■オオキメ(4~5センチ)ニ■キリ 外国字符aヲ■アワセタ■ナカニ■数符30プン ツケル。 ■■数符2.後略 本文終わり→1行空け ■■ヒトリブン■…■数符262kcal■■タンパクシツ■数符21,7g■~~~ 私なら、こう書きますという例文です。 点訳に、ベターはありますが、ベストを決めるのは難しいです。文章さえ正確に書けば、何マス目から書こうが分っていただけます。点訳のいろいろ複雑なルールは、本とか公文書には必要でしょうが、日々点字の読み書きをなさっていらっしゃる方は、あまりお気になさっていらっしゃらないようで、読み手が理解しやすいシンプルな書き方を工夫するべきと思います。この例文でも、すべて1マス目から書き出して、区切りの箇所で1行空けても分っていただけると思います。
2016.08.06
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「今朝、焼いたクッキーよ。試食と、感想お願い」Uさんは、いつも試作品とおっしゃりながらいつもお土産持参でした。 見えない方でも、日常の家事としてこなす調理の他に、 料理が好き・料理が趣味と言う方は多いです。来室の時には、料理名を読み、作ってみたい料理を 優先して読むことも ご自分で試作してから、カナタイプ(お仲間は健常者?)で、 文字に起こし、グループで料理するとのこと 「こちらで、プリント作りますよ」 『作ってみて、味付けを直すこともあるし』 「暇な時、読んでください」と、 お預かりしているのも、全部、お料理の本です。 料理本の音訳は、特に難しい語句が出てくる訳ではないので、 比較的、気楽に読めますが、どう読もうかと時折迷うこともありました。この迷いは、点訳でも同じですが、 サラダ油=サラダユ(サラダアブラ・サラダオイル料理番組で、講師は、なんとおっしゃるか聞きたくて 在宅時に家で料理番組を見たりするのですがなかなか、知りたい語句に、巡り合えません。対面で読んでいる場合は、時々「分かりますか」と尋ねたり相手の方も分からなければ「どう言うことですか」と聞いてこられるので、話し合いながら理解していただけるように読み砕いたりすることが出来ました。そして技術員の連絡帳に○月○日 Uさん料理本『サラダ油はサラダオイル』と読む(点訳も同じ)などと記して、出来る限り統一するようにしていました。 この画像の『A』の部分。 本文に『Aを合わせた中に~~』と言う記述があるので、『Aの調味料』『Aの合わせ調味料』などと、補足して読み、最後に『Aの調味料終わり』とか、 『ここまで』など付け加えます。 全ての本が、点訳や音訳を前提にしては、 書かれていないので、眼で読んで分かっても、 点訳や、音訳で伝えようとすると迷いも出てくる訳です。 「ブロッコリーを小房に分け」→『ブロッコリーを小さい房に分け・・・』と
2016.08.03
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その根源は偏(ひと)えに経験の浅さでした。都の非常勤職員になってから~東京都福祉局 点訳等技術員→これが私の身分で『等』の中に音訳・墨訳も含まれるのでした。そんな私がここに書くことはあくまでも私見です。以下は音訳をなさっていらっしゃる方のご不快を買うかもしれませんが私見ですのでご容赦ください。音訳は、点訳サークルの傍ら初級の講習会に参加したことがありましが、 発声練習や滑舌のための早口言葉の訓練や宿題の録音したテープの批評を受けた位で、参加した講習会と相性が悪かったのでしょうか最後まで馴染めずに、続けることは出来ませんでした。当時区内で、音訳グループと点訳グループの交流会なども企画され参加しましたが、音訳グループの方たちは、自己顕示欲が強いというか、圧倒的な発言数で、上から目線での発言も多かったり活動を音訳と言わず『朗読』『朗読』と言われることにカチンでした。おそらく点訳の面倒なルールなどご存じなくて、点字の形さえ覚えれば誰でも書けるくらいの認識しかお持ちでなかったようでした。分かち書きや複合語のヤヤコシサも知らないで偉そうに『朗読では』『朗読では』と言わないでと、点訳側の出席者は「音訳は漢字の読みさえ正しければいいんじゃない?読みの正確さは点訳だっておんなじよ」と心の中で反発しとても交流を深め協力し合う雰囲気は望めませんでした。何時の事だったか忘れてしまいましたが、講演会の後の質疑応答でも『朗読』『朗読』と繰り返す質問者に講師が「あなた方に求められているのは『朗読』ではなく音訳です。素人の感情移入過多の『朗読』を視覚障がい者の方は望んでいませんよ」とピシャリと言われたことも記憶しています。後日、書かせていただくつもりですが、利用者の中に「音訳は読み手の感情が入るから、自分の判断が迷わされる。」と、持参される資料は絶対点訳でとおっしゃる方もいらっしゃいました。経験の浅さと過去の不愉快な記憶に捕われながら音訳コンプレックスの私が音訳に携わることになるとは・・・採用されて1・2カ月は緊張しました。点訳も音訳も下読みが重要ですが、ブッツケ本番で90分の予約時間内に終わらせなければならない制約もありましたしでもでも、6年7か月。何とか熟(こな)しながら過ごすことが出来ました。コンプレックスも徐々に消していくことが出来たように思います。点訳者から聞く言葉でも嫌いな言葉があります。曰く「点訳って奥が深いのよね~」そんな事はありません。解説書や表記辞典を読みこなせば自ずとルールが見つかる筈と思っています。私って何て理屈っぽいのでしょうか 引用音訳ボランティアをするに当たって重要なのが『朗読と音訳の違い』。『朗読』は読む人の解釈を入れて、気持ちを込めて読むこと。『音訳』は読む人の解釈がなるべく入らずに、活字を音声に置き換えて読むことだそうです。母の日に→どちらの花も咲き終わりましたが・・・
2016.08.01
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別のファイルを開ける積りだったのですが間違えて開いたファイルにHさんのタイトルを見つけました。開いてみると、B5の用紙いっぱいにと書かれていました。重要な郵便物がダイレクトメールなどに紛れ込んだり等苦いご経験の末の苦肉の策なのでしょう。これをケースに入れて、掲示しておくのでしょうが、風雨に晒されるので、汚れると書き換えを頼まれていました。大きな字を書くことが不得手な私は、これを何枚か纏めて作ってお渡ししたのだと思います。視覚障がい者の方たちは、健常者が思いつかないような不便を感じていらっしゃるのですね。Hさんは、ダブルブッキングの常習者だと私たちは認識していました。ダブルブッキングは、Hさんだけに起こるので、『予約した』とは、Hさんの思い違いなのは、明々白々なのですが、Hさんは絶対、後へ引きません。 『予約した』と言い張られます。Hさんのご依頼には点字の読み書きがないのは分かっているのでかち合ってしまった時は一方の利用者の方のご依頼内容や、時間配分を考えて、どちらかの方を、職員が担当して対応していました。Hさんも、もうご退職されていらっしゃることでしょう。Hさんは特養ホームのマッサージ師さん。毎回、ホームの事務室に提出される作業日誌に施術された方の氏名をHさんが点字で書いて来られ、読み上げられのを墨訳するのですが「アライ」と読み上げられても「新井」か「荒井」なのか漢字をご存じない視覚障がいの方には確かめようがありません。正しくはホームの職員さんにお任せするしかないのです。携帯電話は、視覚障害者の方たちの必需品になりました。ケータイの普及で、以前設置されていた公衆電話が取り外されたり、台数を減らされたりで、不便になってしまったのです。写真や、メール機能は、利用出来なくても、身近で連絡を取り合える便利さは、捨てがたいものがあると想像できます。Hさんは、100件のアドレス登録をフル活用。何番は誰と、別途に点字メモを持ち歩く不便さはあっても、8~11桁のTEL番号を間違いなくPush出来たかを、確かめようが無い方にとっては、3桁のPushで済むアドレス登録は、いくらかでも安心なのだろうと思われます。また、3桁なら何人かは、記憶しておけるかも知れません。。登録の確認を頼まれた時、<古釜>と云う文字がありました。Hさんの墓参時の定宿だとのこと。「フルガマですか?フルカマですか?」と尋ねると、「それは、コヨーと読むんですよ」と点訳者がそんな字も読めないんですかと、顔面に軽蔑の色がアリアリと・・・「あぁ、これって墨字が間違ってますよ。この<カマ>は<ヨウ>とは読みません。ここには、煮炊きに使う<釜>と云う字が書いてありますが、<ヨウ>と読む<カマ>は、九谷とか、備前とかの陶磁器を焼く<窯>と云う字を書きます。」と言うと私の目の前で、『古窯』に、TELしやっと納得されました。『古窯』は、上山市の有名な宿です。墨約するとき、恐らく 「○○番、コヨウ」 「どんな字ですか?」「古い<カマ>と書きます」 こんな遣り取りをなさったのでしょう。漢字の読み書きと、雑学は何時でも学んでいなければ・・・
2016.07.27
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「何、若作りしてんのよって、娘に言われちゃった」スカイブルーのスーツで見えられた時、「素敵ですね」と、私が褒めた時のお答え。 Saryさんは、とってもオシャレもお上手です。私がSaryさんと、お付き合いしたのは、ご長男が私立中学に入学され、高校は都立へ。そして、大学受験の頃まで。ご長女も、何年か遅れで、同じ道を進まれた。お子様は二人とも健常者です。Saryさんの定番は、まず、生協さんへの注文用紙の記入から。あらかじめ生協さんから配布される品名のTAPEを聞き、ご自分で、注文の番号と品名を点字で書いていらしゃって、「何番の何々」と、おっしゃるのを、注文用紙に記入し、小計も記入します。生協さんが、点字注文を受け付けて下されば、もっと楽になれるのでしょうが、コストを考えれば、そうはいかないのでしょう。スーパーの商品に、点字は付いていないので、視覚障害者の方は、買い物は一人では出来ません。いくらスーパーウーマンSaryさんと言えども 生協さんは不可欠です。最後に確認の読み合わせをして終了です。働く女性・妻・2児の母・視覚障害者団体の役員・(視覚障害者のための)水泳教室の代表・高校のPTA会長。etcお稽古事は、ピアノと英会話。そして、ホノルルマラソンへ。私が、一番元気を頂いたのはSaryさんでした。健常者がボヤボヤしてちゃ駄目よとでも・・・Saryさんが見えるのは、会社が終わってからなので、何時も、その日の最後の19:00から20:30の利用です。少し時間延長になって、館の終了時21:00まで、お付き合いしても楽しかったです。。Saryさんのお手伝いで、お持ちになる資料を、点訳・音訳・墨訳しながら、大袈裟に言えば、日本が、これから取り組むべき問題を見させて頂いた気がします。視覚障害者団体の役員としては、障害者の方々が、抱える福祉の問題が、公的には、どうも後退しつつあるような。 高校のPTA会長としては、点字で書いてこられたPTAの会報をで墨訳しながら、PTAも関わる教育の在り方を。働く女性としては、会社の給与等の査定。女性や障害者雇用への会社の理解度・・・明るくて、悩みの片も見せないSaryさんでしたが、お子様が小さかった時は、さぞや大変だっただろうと想像します。でも、周りに支える人たちもいらした。仕事を辞める日、お仲間の方たち数人と、送別会を開いてくださり、その時頂いた、オルゴール付の陶器のお人形は、宝物にしています。そして、<ホノルルマラソンに挑戦してきました>とも頂きました。完走されたとのこと。視覚障がい者のマラソンには伴走者が必要ですが、誰と走られたのか、お聞きすれば良かったのにと、今になって思います。お子様であったら陰ながらHAPPYな気持ちになれたのですが1年に1度、読ませていただいた、会社の健康診断の数値が、いつまでも、良好でありますように。 機器の不具合でデジカメからの取り込みが出来なくなりやむなくの画像なので。。。
2016.07.22
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“点字自分史”の続編を書こうと思います。点字や点訳技術者として知り合った人々。感動と元気を頂きました。今も忘れられない人々との交流を書いておきたいと思っています。Gさんの予約が入っている日は、休み時間が、ちょっと忙しい。Gさんは、盲聾の二重障害をお持ちです。『今日の担当は、hacoです』と点字を書いておき、お渡しします。点字版に用紙をセットし、枠を最下段に置いて置きます。ご質問にYES NOで答えられるときは、Gさんの手の甲に、○か×を書き、言葉が必要なら、点字を書いて、読んでいただきます。このとき、枠を下方にセットして書けば、いちいち用紙を点字版から外さなくても裂き取って渡せます。「この眼鏡、ツルにひびが入っていませんか?」と、Gさんが、入って来られるなり、手渡されました。仔細に点検しましたが、異常はないようでした。「友達と飲んだ帰り、電柱にぶつかっちゃてさあ。壊れてて、落としちゃったら、拾えないからね。」その行動力たるや“驚異”の一言。飲み会や、一人旅等々。銀行にロープを持って???外出時には、ほとんどヘルパーさんを利用されないGさんは、銀行へ行くときには、ロープを持っていかれるそうです。カウンターに、端を置き、もう一方を、ご自分が持ち、手続きがすんだら、ロープを引いて合図して貰うとのこと。銀行への用事は、殊に一人で行きたいので、『どなたかとご一緒に』という銀行の頼みはきけない、と、Gさんは強硬です。銀行のこの対応何とか出来るといいのに・・・禿頭、ピカピカだ~って 「ヘルパーさんが、禿頭、ピカピカだ~って、私の頭を、ピシャピシャ叩くんだよ。」外出には、ほとんどヘルパーさんを利用されないGさんですがご自宅には来て頂いているようです。盲聾のGさんですが、聾は最初からではなかったそうで、音の表現は言葉でなさいます。きっと、そのヘルパーさんとは、そんな冗談が言い合えるほど、信頼関係があったのだと思います。点訳者は点字でコミュニケイト出来ますが、ヘルパーさんとは、どうやって意思を伝え合っているのかと言うと点字を表面だけに書き、その下に墨字(通常の文字)を添えた50音表を作ってお渡ししています。50音・濁音・半濁音・拗音・促音符・数字・良く使われる特殊音(ティ・ファなど)も、少し加えて。Gさんのお話から、ヘルパーさんのご意向も推測しながら、何度か作り直しをしました。 パソコン点訳のありがたさ。保存しておけば、紙が汚れたり、点字が消えかけてプリントし直す時も、その都度、校正する必要がなくて助かるのです。ヘルパーさんが墨字を見て、Gさんの手をそこに導けば、ヘルパーさんの意思を伝えられる・・・という次第です。 勤務を始めたばかりの時は、土地の係争問題を抱えており、往復文書を点訳するたびに心が痛みましたが、6年7カ月後、私が辞める直前に円満解決し、新居の完成も知ることが出来、安堵して心残りなく退職することが出来ました。大きな声で話し、ヒョコヒョコと、でも大股で歩き、元気いっぱいに見えるGさんでしたが、ある時、「私なんか、社会の厄介者だから・・・」と、おっしゃった一言が、重く・・・ Gさんの手を何度も撫でるしかありませんでした。
2016.07.16
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非常勤職員の定年は65才ですが、後任が見つからず、『1年に限り延長を認める』条項によって66才の3月末まで、5月が誕生月なので67才になる2カ月前まで勤務しました。後任の方は、手書きの点字の読み書きが出来ないので、何かと不自由だとの話を後輩から聞かされましたが・・・一通の手紙が来ました。『これまでのサークルを解体し、サークル名も変更して新しいサークルを立ち上げること。新サークルへの出席はご遠慮ください』と書かれていました。何年か前に退会しているので『何を今更。出席するわけないじゃん』と無視していると、F平氏から「何だかおかしな通知が来ましたよ」と電話がありました。同様の通知が送られて来たとのこと。都の非常勤職員になってから、しばらくはサークルにも出席していましたが、次第に勤務割とサークル出席との調整が難しくなり、開催日の半分しか顔を出さないのでは代表として失格と考えて退会したのでした。病魔のためF平氏の退会は私より更に前のことです。K毅氏からもサークルを退会したとのお知らせをいただいていました。自分は不要になった気がするとのことでした。電話ではなく手紙だったのは、私からZ先生への問い合わせを避けたいのだと意図を読み取りました。T隆子さん・Yさわ子さんにも同じ仕打ちがされました。お二人は退会し同調された何人かの方と別のサークルを立ち上げたと話されました。「都合の付くときは出席してください」と嬉しいお誘いもいただきました。既に退会したサークルのこと。何がどうなろうと、とやかく言うことではないかも知れせんが、釈然としない虚しさを感じました「Z先生・新代表のM早苗さん」と「T隆子さん・Yさわ子さんや一部の方たち」との間に溝が出来つつあることは感じていましたが、何の手立ても講じないまま代表を辞め退会したことを悔やむばかりですZ先生を許せませんでしたあれほど先生に尽くされたYさわ子さんを追い出すことに、なぜ加担されたのか指導報酬を倍額にするという『えさ』に釣られて、M早苗さんに抗議できなかったのか この出来事は、今でも汚点として私の心から消えていませんM早苗さんにはこんなやり方でしか『目の上の瘤』の先輩を排除する方法はなかったのでしょうか
2016.07.01
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干支をひと回り以上した今では、何のイベントだったかも定かではありませんが、多分、創立何十周年かの記念祭だったと思います。職員や利用者のグループで内容を企画運営することになりました。一番張り切ったのは、声帯摘出で声を無くされた方たち。この方たちは講習時の集まりも大勢見えていて、「食道発声法」での大声が館内に響いていました。この時は人数に物を言わせて、会場整備を担当してくださいました。最近話題になったつんくさんもこの発声法で奥様と筆談でなくコミュニケーションが取れるようになったとの記事を見ました。「食道発声法」とは、肺でなく胃にためた吸気を逆流させ、食道の一部を振動させるもの。人為的に出したゲップを声にする発声法。特別な器具が必要でない代わりに、習得までにかなりの時間がかかるそうです。私たち点訳技術員は4人で分担を決め、「点字の歴史」のパネルを作り掲示したり、パンフを作ったり・・・画像は私が担当・作成したものです。初歩の手引書からあちこち切り貼りし何とか纏めました。予想以上に来館者と持ち帰りが多く追加の印刷に追われました。子供たちに自分の名前を書いてもらい点字にしました。「ふ~ん」感心したり喜んでくれたり 微笑ましかったのは聴覚障がいの方が、筆談で点字を書いてほしいと申し出られてワタシワ□チョウカク□ショーガイシャデスガカイカンノ□イベントニ□イクノダッタラ□アンナイシマスワタシノ□カタカ□テニ□ツカマッテ□クダサイと見せられたメモ通り点字にしましたが、役に立ったかどうか視覚障がいと聴覚障がいの方同士でどのようなコミュニケーションが取れたのでしょうか視覚障がいの方は集会室(和室)でマッサージのサービスが好評でした。名前は忘れましたが、その当時は結構有名だったグループの手話コーラス(歌詞に手話をつけて歌う)の来演もありました。バブル崩壊後だったので、職員の方たちは、近隣の企業への協力要請が大変がったのではないでしょうか。ボンジョビのTシャツが無料で配られましたが、チビの私には~~持ち帰ってリサイクル出させていただきました。成功裏に終わったイベントでした。
2016.06.25
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ある日、都の広報誌で点訳者の募集を知りました。身分は福祉局の非常勤職員で、応募資格60才未満。定年が65才。勤務は週2~3回。報酬は「技術員」と言うことで、スーパーなどのパートの約2倍でした。若い方の応募が多いだろうと、59才のダメモトで応募してみました。採用試験は、時間内での長文の点訳と面接でした。何処が良かったのか採用されました。仕事の内容は、予約された視覚障がいの方と対面で持参された文書の点訳・音訳・墨訳を行うことでした。出勤し予約票を受け取ると、その日にどなたがお見えになるかが分かりますが点訳・音訳・墨訳の内容は、前にお座りになるまで分かりません。点訳・音訳は下読みが、絶対条件とされていますが、ここではブッツケ本番、お一人の持ち時間90分以内で終わらせなければなりません。ワクワクするスリリングな時間でした。1日に対面するのは4人。6時間+休憩1時間ですが、お見えになる方への対応の準備と終了後の片付けで1時間を見込まなければなりません。4人体制で年末年始以外は休みません。翌月の勤務割や利用者の方の情報交換などの出勤(スタッフの自発的提案で無給です)もありました。公務員ですから、利用者の方の情報は部外秘です。『情報は部外秘』と言うことはとても重要で、近くの点訳サークルに、部外秘で依頼しても、いつの間にかプライバシーが漏れ伝わってしまうかもと言う不安があると、都の中心部とは言えない場所まで時間をかけておいでになる方が多かったのです。預金残高のマル秘は最たるものでしょう。「都営住宅の家賃だって知られたくないものな」義弟(故人)の一人は足が不自由な身体障がい者で、都営住宅に住んでいましたが、テラス式で庭が付いていて一部屋、建て増しすることが許可されたので、実行したところ、数人の居住者から「障がい者なのに建て増しするなんて」と言いがかりを付けられたそうです。義弟は「あなたも足を折るなど、障がい者になったら如何か」と言い返したと・・・私が点字を始めたというと「義姉さん。同情でやるのなら、やめてください。俺不幸じゃないよ。同情は要らないんだよ」と言われました。そうなんです 障がいを持っているということは不自由ですが不幸ではないのです。この会話は、仕事として視覚障がいの方と接するようになって実感となりました。やり甲斐のある仕事でした。持ち込まれる文書から、視覚障がいの方が抱えていらっしゃる問題に触れることが出来、この仕事をしなかったら知らなかったであろう様々な世界を知る機会になりました。皆さんの意欲的な生き方を目の当たりにして、健常者の自分の生き方が、如何に生温いものであったかを思い知らされ、多くの元気をいただきました。個々の例については続編(?)で書きたいと思っています。サークルの活動は何時しか二の次になってしまったようでした。1日分にしては長すぎました
2016.06.20
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Z先生は中野から通ってきていらっしゃいました。中野でも複数のサークルで指導・講習をなさっていて、江東区の講習でも中野と同じテキストで、しかも毎年同じテキストを使われていました。講義は分かり易いのですが、受講生の「食いつき」はイマイチ。そこで、地名を例にあげるときは江東区の地名で親しみやすく、例文も時事ネタなど、その時話題になっているものなどを使ってくださるようお願いしたのですが、アシスタントをしていた5年間、テキストが変更されることはありませんでした。そして、講師をすることになった時前回書いたような小さな工夫を幾つか試してみたのでした。東京都江東区東陽町=トーキョート□コートーク□トーヨーチョーなど長音表記の中で『長音符(前回参照)』を使用する地名の宝庫なのです。そう言えば、私が初めて講習会を受講した年は、それまで、長音符で書いていた長音が、仮名遣い通りに書くように改定され、テキストが間に合わず、テキストを訂正しながら、受講した思い出があります。改訂はア・イ・エ・オ列の長音は、それぞれの仮名にア・イ・エ・オを添える、つまり仮名遣い通りに書くことになったのです。おとーさんだけウイテいます。可哀そうあぁよかった!!お仲間がいた!!こんな点字の規則も、自動点訳になってからは覚える必要も無くなり、点訳者の役割は校正だけになりました。そして点訳者は校正に細心の注意を払うこと、幅広い知識も求められることになったと思います。単に原文と照らし合わせるだけでは見過ごしてしまうかも知れない地名・人名などのチェック能力がどれだけあるかです。。ソフトは、年々グレードアップされているので、無用な心配かもしれませんが前回の大飯原発がオオメシ□ゲンパツと点訳されてしまうように刈羽原発はカリワ□ゲンパツですがカリハやカリウと読み込まれているかもしれません。『村』は普通ムラと読みますがソンと読む地名は沖縄だけでなく内地にも存在します。『町』はマチとチョーは必ず確かめることが必要でしょう。徳川慶喜がヨシノブだったりケイキだったりすれば、異なった人物だと認識されてしまうように、東陽町トウヨウチョーがトウヨウマチと読み込まれれば視覚障がいの方は、文字をご存じない方も多いので「トウヨウマチに行きたいのですが」「そんな町はありませんが…」なんてことにも・・・講習会も無事終了しました。アシスタントをK毅氏とT隆子さんにお願いし、Yさわ子さんには、留守中のサークルでのZ先生のアシスタントををお願いしました。幸?受講生の継続希望者もそれまでで一番多かったとボランティアセンターからご報告を受けました。新しくサークルに加入された方たちは、私の上にまだ「先生」がいることに戸惑われたようでしたが、徐々に慣れてくれるだろうとhaco流お気楽主義を決め込んだのでしたが
2016.06.15
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平穏に何年かが過ぎました。点訳サークルも徐々に加入が増え、順調に運営されていました。残念なのは代表を務めてくださったF平氏が「視野狭窄症」という点訳者にとっては、致命的ともいえる疾患を抱えられることになり、サークルを退会されたことです。パソコン点訳にも取り組み始めて時で、お仕事の一部でもあるというパソコンに精通されているF平氏の退会は、大きな痛手でした。パソコン操作やトラブルなどで分からないことがあった時には、ご無理をお願いし度々ご足労いただいたものでした。最古参となった私が代表を引き継ぐことになりました。何時しか依頼される点訳を任されるようになり、実力もそれなりに着いたのだと思います。ボランティアセンターが毎年開催する『点字講習会』で、講師のZ先生のアシスタントも5年間務めました。そしてZ先生の任期5年が過ぎて、お鉢が回ってきたのです。アシスタントをしていて、いくつか気付いていたことがありました。先生が点字表記をなさる時、一々、ボード板に、6本の線を書き、その上に必要な点を書き込んでいらっしゃいました。手数と時間がかかりました。教える身になったとき、「何か工夫出来ないか」と考えたのが、マグネットを使うことでした。クラフト紙で作った点字用紙の拡大版を、ボード板に貼り、マグネットを置いていきました。 (どちらも書く側) ↑ ↑Z先生 私お邪魔した京都南高校のホームページでも同じような画像があり、考え付く事は、誰も同じだと思いました。このような幾つかの工夫が、後々、サークル崩壊の導火線になるなど思いも及びませんでした
2016.06.10
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点訳がパソコンで出来るようになったことは、革命と呼ばれても過言ではないと思っています。パソコン点訳も6点入力から自動点訳の時代になりました。引用このソフトは(1)漢字を含む文字列に正しい「読み」をふる、(2)「かな使い」を点字の規則に従って変換する、(3)点字の規則に従って「分かち書き」を行うの3種類の作業を行います。なので~ このソフトを使えば、点字の形や点訳の規則を知らなくても、漢字・ひらかな・カタカナ・ローマ字で原文を打ち込めば、点訳と「いわれるもの」を作ることが可能です。点訳サークルも、パソコン操作に精通した方が指導してこの自動点訳から始めるグループが誕生してきました。結果「点訳は出来ますが、点字は読めません」と堂々?と宣言されて、こちらは「エエッ。何じゃそれ」それでも点訳者と名乗るかって小難しい話ここまで<おの(己)が流>の お は な し をさて <おの(己)が流>とは・・・肩こりに悩まされる私は、何とか原文入力を省いて点訳する方法はないかと。スキャナ読み込み→OCRソフトでTXTファイル保管→点訳ソフトで点字に変換・保管する ことにしたことです。この方法ならキーを叩かずマウスのドラッグとクリックで事足ります。読んde!!ココが販売終了!信頼出来るOCRソフトはたった一つに残る一つは『読取革命』です。そして、「おい おい。そんなのありか?」って、点訳が生まれます。漢字・ひらがな・カタカナ・数字・同音異語。これを自動点訳ソフトで変換していくのだから、100%ご名答 とはいきませんよね。TXTファイルに校正漏れがあれば、その時点で、正確な点訳にはならない道理です。例えば新聞の見出し『首相 大飯原発再稼動を決断』これを点訳ソフトで点訳してみました。『なるほどね~ オオメシ ゲンパツ 馬ッ鹿じゃね?」こんな穢い言葉でパソコンを罵ってストレス発散が出来るのも<おの(己)が流>点訳ならではです。原文を直接入力して、校正の時、あまりミスが多いと、凹んでしまいますが、一切パソコン任せなら、「間違ったのは、お前だ!!」と、パソコンや、スキャナの誤読や、ソフトの未完成さのせいにして、ウップン晴らしも出来て、ストレスが溜まりません。 自分の知識で「おおい」と読むと知っていれば訂正し読み方が分らなければ「辞書保守」欄をクリックし必要事項を辿っていけば、福井県の地名で「おおい」と読むことがわかります。がY先生の教え「頭の上にアンテナを張って」おけば、あれこれ調べる時間が短縮できるわけです。そしてと完成です。引用1973年1月、漢字かな混じり文(通常私たちが読んでいる文)のデータから点字のデータを直接作る『自動点訳ソフト』の研究は、紙テープからの点字印刷が源泉。その後、商品化されるまで16年かかっている。1989年、「がってんだ」が発表。これには点訳辞書を取り入れられている。同年、「80点」がフリーウェアとして発表。1991年、「EXTRA」が発売。漢字かな混じり文を、より正確に点字に変換出来るようになった。1993年、「EXTRA Ver2」で、地名・人名なども含み変換効率が向上した。1998年9月、windows版のVer.1が発売。2005年までに、Ver.4までバージョンアップ。ホームページを見ると『EXTRA自動点訳エンジン『Version 6』2014年9月10日より発売となっていました。
2016.06.05
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点字は、点筆で1点1点書いていた 時代から、点字タイプライターで1字1字書けるようになりかなりスピードアップしました。 パソコンソフトが開発されて、パソコンキー のF・D・Sをそれぞれ1・2・3の点(左手2・3・4指)J・K・Lを4・5・6の点(右手2・3・4指) に対応させ入力できるようになりました。フロッピーに保存して、一度の入力で複数の部数を何部でも打ち出せるという画期的な変化がありました。点訳で大切なことは校正作業です。大部分は誤字・脱字の発見?訂正です。手書きだった頃は、1字抜けていると、その字から後ろの点字を点消し棒で、丁寧につぶして薄めた糊を塗って乾かし、正しく書き直しました。点字は1行32文字。1ページ16行の表裏です。ところが、1字追加したばかりに、その行に納まらなくなって、次の行まで直すことになる場合もあったりして大作業になることもありました。パソコン点訳になってからは、1文字の訂正が何行に影響しようともすべて、点訳ソフトがやってくれるので、校正の苦労は無くなりましたが、「簡単に直せる」という気の緩みで誤入力も多くなったりしました。また、文字校正のあとで、全体を見直さないと『見出しだけが最終行』(小見出し・中見出し・大見出しを含む)になってしまうこともあるので、5マス目以降の見出しを素早く検索するなど、効率的に校正を進めるには、『ソフトの機能を最大限に行使できる』ようにパソコンの操作や知識が求められるようになりました。そして、次のステップ『自動点訳ソフト』に移行していくことになります。金子みすゞの点訳です。点字では助詞のハ=ワ ヘ=エ と書きます。「なぜ点字は『打つ』ではなく、『書く』と言うのですか」と訊かれたことがあります。何故だ~
2016.05.31
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そうこうしているうちに時流はパソコン点訳の時代に向かって行きました歴史は以下のような経緯を辿ったようです。引用(抜粋)1970年代後半、アメリカ・ドイツ・日本などで、パソコン用点字プリンタの開発が本格化。1980年代、点字プリンタが実用化され、点字を書くための点訳ソフトのニーズが高まる。1987年、誰でも購入できる点訳ソフト「コータクン」発売。1990年、フリーウェア・ソフト「BASE」の発表。普及した。これらのソフトは点字を知っている人が点字を編集するためのもの。自動点訳ソフトではない。私が始めた時は、まだMSーDOS(マイクロソフト社のパソコン用のOS)の黒い画面でした。前述のF平氏がソフトをインストールしてくださいました。6点入力で操作し、フロッピーに保存すれば、同じ点訳書の複数を出力することができます。一度に一部しか作れなかった点字書には画期的でした。 でも、このソフトを使うには点訳のかなり面倒な規則を学ぶことが必要とされていました。いろいろ検索していて見つけた記事です。『点字の6点入力する人はパソコン買うとき「メ」が入力できるか確認します』こう記されています。(抜粋)点訳者はベテランになるほど、パソコンの点訳ソフトはカナ入力やローマ字入力でなく、6つのキーだけ使う6点入力を使います。 6点入力は慣れるのに多少時間がかかりますが、押すキーが少ないのでタイプミスや指の動きも少なく、結果的に速くタイピングできるからです。6点入力とは?パソコン点訳ソフトでは6つの点に対しそれぞれFDSJKLキーを割り当てています。(別のキーを使うこともあります。) 例えば「キ」の点字は、キーボードの FDLの3つのキーを同時に押すことにより「⠣」と表示されます。ところが「6点入力できるパソコンが少なくなってきた」「せっかくパソコンを買ったのに6点入力できない」という話が、視覚障がい者や点訳者の間で時々話題になります。パソコンの製造コスト削減のためか、6つのキーを同時押しできるキーボードが少なくなってきているようです。私も利用していましたが、記憶ではwindows9821が最後だったようです。買い換える度にF平氏のお手を煩わせていました
2016.05.30
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区の広報で点字の講習会の記事を見て、受講することにしました。一人でコツコツと、点訳をするのは、根気がいることを思い知り、仲間が欲しかったのでした。ここで、Z先生の講義を受け、講座の終了後、先生の発案で、グループを立ち上げました。その時、一緒に参加したF平氏が、代表を務めて下さいました。F平氏には、パソコン点訳に切り替えた時、個人的にも、言葉に尽せないほどお世話になりました。今、何とかキーを叩けているのは、この時があったからです。K毅氏・Yさわ子さん(故人)・T隆子さん・・・懐かしい人たち・・・今でも賀状と時折メールのやり取りをしています。Z先生のご指導で、種々の文書の点訳を手がけることが出来、20年以上も続けられたのは、Z先生のおかげと感謝しています。のちの話ですが、Z先生に「講義の時に、品詞の名前で教えてくだされば、効率も良かったのでは?」と、お聞きしたら「名詞・代名詞などと言ってしまうと、どっと受講生が減ってしまいます」と経験を話してくれました。この一言は、自分が講師を務めた時、とても参考になりました。こんな事情を知らないまま、私は講習会の期間中、学生時代の文法の『オサライ』をしました。グループも、年毎に人数が増え、順調に発展していきました。1990年と1998年版です。点訳の表記は常に見直され定期的に改訂されていました。引用この頃使っていた点字タイプライター、ライトブレーラーです。安価で手に入る日本製の点字タイプライターで、両面書きができる利点があるのですが、今ではほとんど使われていません。なぜなら、高価だけど読むのと同じ点の位置で指を動かせばいいパーキンスブレーラーが登場してきたからです。ライトブレーラーは点字盤と同じく上から下に点が打ち出されるので、左右逆転した指使いをしなければならず、また、打った点字を確認するのに、点字器本体部分をガチャッとはずして持ち上げて裏面を確認しなければならない面倒なこともあります。点訳ボランティアさんはこれを使って点訳してくださっていました。コンピュータ点訳が盛んになった現在ではほとんど使われなくなりました。このライトブレーラーは、通称「カニタイプ」と呼ばれています。それは点字を打っていくに従って、本体がカニの横歩きのように左に動いていくからで、ちょっとおもしろい動きをします。F平氏が、体調を崩されたあと、私が代表になりました。
2016.05.24
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Y先生の講習が終りました。講義が進むうちに日頃<読む>と云うことを、如何にお手軽に考えていたかを痛感させられました。ずっと後の話ですが、「徳川ケイキとヨシノブは別人だと思っていた」と聞かされたり墨訳(点字を通常の漢字仮名交じり文にする)をしていたら「ジュンプー■マンポ」と書かれていました。おそらく順風満帆の読み間違えだとは思うのですが原本が手元になければ確かめようもない訳で講習会は終りましたが、終了後の進路については、主催の行政からのフォローはなく、Y先生から日本点字図書館の通信教育を勧められました。と、言う訳で、2番目の先生は、日点でした。当時は、<読み>が、5回。点訳が30回。あまり間違いが多いと、『今回で中止させていただきます』と、ゴム印を押されて戻されると・・・校正をなさる方が手書きで中止を告げるのは忍びないと、ゴム印をつくられたのだとY先生から伺いました。月2回弱のペースで、出題・解答のやり取りがあり、2年弱で、日点の図書を点訳する"資格"を頂くことが出来ました。最初に渡されたのが、本というより冊子に近い『命(ヌチ)どぅ宝』。沖縄の方々の、抑圧された歴史・基地問題に、目を開かされました。今なお、私たちは、基地問題を、沖縄の人々に背負わせています。点訳をしていると、自分だけでは絶対に読まない本に出会い、違う世界へ目を開かされることが多いのです。点訳の条件は厳しいです。32マス・16行の点字を、表裏に書いて、5文字以上訂正したら、そのページは書き直し。裏面あと2行位で、濁点一つを書き落としたら大体OUTです。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 墨字=文章を書く(5文字) 点字=・フンショーヲ■カク(10文字) ↑(濁点) ↑(マス空け) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~例えばブの濁点を書き落とすと、先ず「フ」を消して、濁点を書き、以後マスが一つずつずれていき、結局10文字直すことになってしまい、この1枚は、書き直しです。1時間の作業が、徒労に終わることも、しばしばでした。講習会終了後4人で、勉強会も開いていましたが、夫々が介護・転居などで、解散せざるを得ませんでしたZ先生と出会うまで、コドクに点訳してました・・・手書きのお道具 左からルレッと大・中・小・極小。小筆(間違った点を潰して消した後、水で薄めた糊につけて紙を補強する)。点消し棒。一点打点筆。NHKの点字番組表、表紙の飾り部分。今では誰も使いません
2016.05.08
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20年以上関わってきた点字といよいよお別れしようと決心しました。退職してから何時も考えていたのですが、点訳(通常の墨字本を点字にすること)を通して知り合った方々との交流も保ち続けていたので、点字が書けなくなった時に辞めようと思っていました。昨年の暮れに、点字板に年賀はがきを差し込んだものの何としても気持ちが付いていきませんでした辞め時だと感じました。このブログは経験で得た視覚しょうがい者のことや、感じた社会の受け入れ態勢を書いていければと始めたのですが、今では点字に言及することも稀になってしまいました。別れに当たって過去の記事を読み直し、心の整理をつけたいと思います。よろしければお付き合いください。☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 初めは東京の西部の市の点字講習会への参加でした。その時、教えてくださったY先生が、講習会初日におっしゃった言葉、「点字を学ぼうとするなら、いつも頭の上にアンテナをピッと張って置きなさい」その時は、受講生一同 でも、この一言を、その後どれほど身に沁みて思い知らされたことでしょうか。何年か後、何かの会合での自己紹介で、Y先生に教えていただいたと話したら、「あのY先生に・・・」と、その幸運を知らされました。年賀状では、その年に行った点訳の報告などをしていましたが、何時も、続けてくれるとうれしいと書かれたお返事が届きました。2003年にお嬢様からご逝去のお知らせを頂きました。点字に一生を捧げられた方でした。 点字を習い始めた時に使用(購入)した、携帯用点字器。 年賀状や葉書を書くときに使用していました。Y先生の講習が終わった時、日頃、<読む>と云うことを、如何にお手軽に考えていたかを痛感させられました。講習会は終わりましたが、終了後の進路について、主催の行政からのフォローはなく、Y先生から日本点字図書館の通信教育を勧められました。と、言う訳で、2番目の先生は、日本点字図書館の通信教育でした。 通常の手書き点訳では、板状の点字版を使用し、点字用紙 (B5状)1枚の表裏にそれぞれ、1行カナ32文字・16行を書きますが、 誰かにお貸ししたまま戻って来なくなりました。
2016.05.04
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