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2006年01月04日
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カテゴリ: 露野
 私は床にごろりと仰向けになり、両手を枕にして暗い天井を眺めた。

 確かに、私との結婚は母親の希望を満たすことにはなるだろう。

 だが、少女はどうだろうか。

 私の数多い妻妾の一人となり、時折私の訪れを待つだけの女になることは、果たして少女にとって幸せなことだろうか。それに、今は私を父親のように信頼し慕ってはいるが、私のような男の妻でいるならば、いずれは女としての悲哀を骨の髄まで味わうことになる。

 私の脳裏に少女の無邪気な笑顔が浮かんだ。それを失わせるのは忍びない。

 だが、あの従兄とやらならば、心底少女を想っているようであるし、本家筋に当たる家の姫を粗略に扱うこともあるまい。いつまでも愛妻として傅き、大切にするだろう。少女の方も若者を嫌いではないようだし、いずれは母親も納得するに違いない。

 私はまた苦笑して起き上がった。

 馬鹿馬鹿しい、私が他の男にむざむざ気に入った女を譲るなんて。

 そうは思ったし、私の中にまだ未練がないわけではなかったが、しばらく考えているうち、私の気持ちは固まって行った。私は文机へ向かい、墨をすって筆を取ると、紫の薄様の料紙を選んで、そこへ歌を一首流し書いた。



(私の方に慕い寄るという気持ちで鳴いているという三吉野の田の面の雁を、私はいつまでも忘れることはないでしょう。それと同じように、この地で出会った少女のことも、私は決して忘れはいたしません)





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最終更新日  2006年01月04日 15時49分35秒
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