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2006年01月28日
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カテゴリ: 露野
 ところが、やはり親不孝というものは恐ろしいものだ。私が京に戻ってから三日後、長岡の母の館から遣いが来た。

 母が危篤に陥ったと言う。

 私は急いで仕度を整えると、馬に飛び乗って長岡へ向かった。

 長岡はこの京の地に都が築かれる以前、ほんの十年ほどの短い間だけ都が置かれたいたところだ。京の都から少し離れた南西にある。母は京の屋敷とは別に、この長岡にも広い館を持っていた。私は胸の奥に何となく嫌な予感を感じつつ、長岡への街道に馬を飛ばして、出来る限り急いだ。

 だが、私が辿り付いた時には、母の別邸は既に悲しみの声に包まれていた。

 私は案内も請わずに館の中へ入り、私に悔やみの言葉をかけようとする家の者たちに耳も貸さずに、一人で母の部屋へ向かった。

 母は部屋の真中に据えられた高麗縁の厚い畳の上に横たわっていた。長く豊かだった髪は尼そぎに切られ、小さな顔の周りを覆っている。その髪がほとんど白くなっていることに、私は愕然とした。

 これは母ではない。あの高慢で美しかった母では。

 母の傍らでは、母の乳母を勤めていたひどく年老いた尼が、泣きながら経文を呟いていた。私が近づくと、老尼は私を涙に濡れた目で見つめ、後ろへ退いて言った。



 後は言葉にならず、老尼は泣き伏した。





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最終更新日  2006年01月28日 12時26分21秒
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