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2006年02月04日
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カテゴリ: 露野
 何と愚かな……。

 私は両手で顔を覆ったが、その指の隙間から、絶え間なく涙が零れ落ちた。

 深い悔恨の想いが胸を噛む。

 月は朧に霞んで、あの歌合せの日の夜の輝かしい明るさを失っていた。春の花が咲き誇っていたこの庭には、たった一本の梅の木しか残されていない。大勢の殿上人たちが集い煌びやかだった館は寂れ、あの姫君も永遠に去った。

 ただ、私だけが、あの頃と同じ心を抱いて、ここに座っている。

 私の唇から、歌が自然に溢れ出した。


月やあらぬ春や昔の春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして

(月も昔の月ではないのか、春も昔のままのあの春ではなくなったのか。自分だけが元のままのわが身なのに)


 私は夜がほのぼのと明けるころまで、ただ一人で白梅の花を見つめていた。







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最終更新日  2006年02月04日 14時40分28秒
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