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2006年03月17日
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カテゴリ: 露野
 何と言うことだ。

 私はぞっとして、肌が粟立つのを覚えた。天照大神の御神罰、という言葉が頭を過ぎる。

 もちろん、噂は宮中で密かに囁かれているだけで、公にされているわけではない。清らかな乙女であるはずの伊勢の斎宮が子を産むなど、あってはならないことだからだ。それに、斎宮の今上帝の異母姉という尊い身分も、人の口をためらわせたのだろう。

 私に向けられた人々の目も冷たかった。ある者は好奇心を剥き出しにし、ある者は神のお怒りを恐れ憚り、ある者は私を非難した。だが、それらもすべて、内裏の隅で囁かれたり、私的な集まりで密かに伝えられたりするだけで、決して表に出ることはなかった。

 私は何とか少しでも斎宮の力になれぬものかと思ったが、当事者と目されている私が下手に動き回れば、斎宮に迷惑がかかるだけのこと。私は事の成り行きをただ無言で眺めているしかなかった。

 結局、斎宮の宮の一件は、今上帝のお立場を考えた太政大臣らの思惑によって握りつぶされた。斎宮がお産みなされたという御子も、そのまま伊勢守の元で育てられ、表向きは伊勢守の息子の実子と届けられた。そして、斎宮と私との関係も、一度も表ざたになることはなく、闇から闇へ葬られた。

 だが、斎宮の宮はそれ以降決して人前にお出になろうとはなさらなかった。帝の御世がかわって伊勢の斎宮を退かれた後も、京に造られた宮御所の奥深くに篭られて、今もそこでひっそりと寂しくお暮らしになっている。

 私は噂を聞いて以来いたたまれず、何とかして斎宮に一目お会いしたいと思い続けて来たが、結局果たせなかった。そして、斎宮がなぜ私を求めたのか、それを知ることも出来なかった。





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最終更新日  2006年03月17日 18時06分12秒
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