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2006年04月01日
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カテゴリ: 露野
 姫君は車の簾の中で、女房が私に被け物を手渡そうとしているのを手に取り、自らの手で、私にその品を手渡してくださった。

 簾の下から差し出された御手は、昔より幾分ふっくらしていたが、相変わらず白く美しかった。紅梅重の袖からは、懐かしい梅花の薫りがする。

 ちょうど夕日が斜めに御車の中へ差し込んでいて、姫君が簾に近づくと、その光に照らされた白いお顔が、ほのかに簾の向こうに浮かび上がった。その表情までは私にはよくわからなかったが、あの眼は微かに微笑んでおられるように思えた。

 私の勝手な想像だろうか。それとも、私のことを本当にお許しくだされたのだろうか。

 私にはわからなかった。

 そして、今も、これから先も、それはわからないであろう。

 だが、今こうして美しい月を眺めながら、自分の家の庭先で涼やかな夜風に吹かれていると、それはもうどうでも良いことのように思える。

 私が確かにあの人を愛し、あの人からも愛されたという、その事だけで、私はこの世に生まれてきた甲斐があったのではないか。

 そう思えるからだ。





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最終更新日  2006年04月01日 15時35分34秒
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