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2006年06月08日
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カテゴリ: 心あひの風
 千手が死んでから、三回目の冬が来た。

 父の越前守の任期はもうじき終わる。父は冬中京に使いを送って、次の任官運動に奔走した。

 ところが、正月の県召で、父は大国の国守になり損ねた。父の怒るまいことか。あれほど権門の屋敷に高価な産物を贈ったり、荘園を寄進したりしたのに。

 父は激怒して、すぐに京へ帰って諸方へ訴えると言い出した。周囲の者は、もう少し暖かくなってから帰った方がいいと散々すすめたが、他人の言うことを聞くような父ではない。早速、越前の国中に手配して余すところなく富を狩り集め、京には持って行けないようなものは処分して、帰り支度を始めた。次の国司との大事な政務の引継ぎも、国府の目代に押し付ける始末。

 兵衛尉はそんな父を冷ややかに見ていた。

 あれほど心を尽くして権門に取り入り、財産の限りをつぎ込んで任官を願っても、大貴族の気まぐれ一つで運命を左右される。そんな父が哀れでさえあった。

 京に帰ると聞いても、大して興味は湧いてこない。兵衛尉はもはや権力や富に興味を失っていた。

 ただ、越前を離れるのは嫌だった。

 越前には千手の墓がある。兵衛尉はあれからも時々千手の墓を詣でていた。そして、千手の名の元になった千手観音を仏師に彫らせ、庵に寄進した。






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最終更新日  2006年06月08日 13時05分19秒
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がんばっていますね!  
時代考証がむつかしくありませんか? (2006年06月08日 13時20分54秒)

そうなんですよ。。  
元々歴史や古典文学が好きで、大学でも一応専門的に勉強したんですが、それでもやっぱり奥が深いというか、勉強しても勉強しても「し足りる」ということはなさそう…(T_T)

でも、調べ物をすること自体が結構好きなので、それもまた楽しいんですけどね♪
(2006年06月09日 12時38分46秒)

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