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2006年10月31日
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カテゴリ: 孤舟
 おとどの家を出た袈裟が、当てもなくふらふら四条あたりを歩いていると、こざっぱりとした水干を身につけた若い男が袈裟に声を掛けてきた。自分はさる権門のお屋敷に仕える者だが、今そこで働く雑仕女を探しているのだと言う。手当てもそこそこだし、男は優しげで調子が良かった。身なりも上等だから、屋敷勤めをしているというのも嘘ではあるまい。そう思った袈裟は男の後について行った。

 しかし、男は人気のない河原まで袈裟を連れてくると急に姿を消し、かわりに現れた数人の男たちによって、袈裟は縛り上げられて近くに舫ってあった舟の中に押し込まれてしまったのである。人買い舟だ。今更そう気付いてももう遅い。袈裟はすでに舟の上にころがされていた数人の女たちと共に、どこへともなく連れ去られて行った。

 それからのことは、もう思い出したくもない。あれから何十年も経った今でも身震いがする。

 袈裟は人買いの男どもに気が済むまで弄ばれた後、若狭国の物持ちの館に下人として売られた。物持ちはそこに大きな塩田を持っていて、袈裟は毎日夕暮れまで休みなく潮を汲まされた。

 いや、それだけだったらまだ良い。男も女もいっしょにほおり込まれるような下人小屋で、まだ年若く器量も良かった袈裟がどんな目に遭うか、敢えて考えてみるまでもあるまい。

 地獄にでも落ちた方がどれだけましか。そんな生活から救ってくれたものが、あれほど嫌っていた今様だったのは、何と皮肉なことだろう。





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最終更新日  2006年10月31日 10時22分07秒
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