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2007年10月18日
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カテゴリ: 蒼鬼
 その頃、京の都の一条大路の北にある右近衛府の馬場には、続々と月卿雲客が集まって来ていた。

 広い馬場の北側には、豪華な幕屋が三つ、既に据えられている。朝廷中の貴族たちは、それぞれの思惑を秘めて、それぞれの幕屋の側に詰めていた。

 やがて、一台の牛車が右近の馬場に到着した。人々が見つめていると、その中から小さな男の子が出て来て、牛車の踏み台をひらりと飛び降りた。

 みずらの髪に、朽葉色の固地綾の童水干。聡明な白い額の下で、黒目がちの瞳が曇りなく澄んでいる。大勢の貴族たちが自分を見つめているのに気がつくと、男の子は怖じ恐れることもなく、そちらに向かってにっこりと笑った。

 貴族たちの間から、ほぉっと溜め息とも称賛ともつかぬ声が漏れる。

 惟喬親王だった。

 惟喬親王は、慌てて後を追って牛車を降りる名虎にも構わず、子供らしい軽い足取りで右の幕屋に入っていった。

 左の幕屋には、既に座に腰を下ろし大勢の貴族たちに取り囲まれていた良房が、苦虫を噛み潰すような顔で、惟喬親王を見つめている。その良房の背後には、御簾を下ろした一間があり、簾の下から紅葉重の豪華な唐衣の袖が覗いていた。時折、むずがるような赤子の泣き声も聞こえる。

 良房はこの運命の馬場に、明子と惟仁親王を伴って来ていた。良房は、絶対の自信を持ってこの競馬に臨んでいる。そして、勝利のあかつきには、帝をはじめ朝廷中の人々の前で、この惟仁親王を初めて披露し、おのれの権勢と栄光を見せつけるつもりだったのだ。







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最終更新日  2007年10月18日 11時19分59秒
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