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2007年11月16日
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カテゴリ: 蒼鬼
 一方、右方の幕屋は、人々がまるで凍りついてしまったかのようだった。唖然とした口を開いたまま、身動き一つしない。中央の幕屋の前で、白目をむいて昏倒している名虎を省みる者もいなかった。

「誰か、名虎のじいを介抱してやってくれ」

 そう言う惟喬親王の幼い甲高い声だけが幕屋にこだまして、さらに哀れを誘う。その声にはっとした数人の舎人が、気を失った名虎に駈け寄ってその身を担ぎ上げた。

 右の幕屋へ運び入れられていく名虎の背後では、先ほどの竜巻の名残の微風に、半ば下ろされた御簾が揺れている。簾の奥に隠された竜顔は見えないが、御手に持っておられる扇をぴしりと激しく鳴らされたところを見ると、文徳帝の心中も察せられるというものか。

 安堵のあまり、しばらく腑抜けのようになっていた良房は、ようやく気を取り戻し、数人の公卿たちを引き連れて文徳帝の幕屋に入って行った。そして、長い間何やら談合しているようだった。

 右近の馬場に詰めかけていた人々も、それぞれの思惑に従って、数人で寄り固まって声高に喜び合ったり、逆にこそこそと姿を消したりし始めていた。






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最終更新日  2007年11月16日 12時03分51秒
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