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2007年11月17日
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カテゴリ: 蒼鬼
 そのような右近の馬場の様子を、真済は凍りついたような無表情で眺めていた。

 護法童子の剣の力が狂ったのだろうか。こんなことになるなんて、信じられない。何かの間違いだ。

 真済は剣の護法童子に詰め寄って、その手から長剣を引っ手繰った。そして、その面を袖で拭い、顔を近づけてもう一度幻を見つめた。

 間違いない。

 右の幕屋の中では、身体中傷だらけになった名虎が、ようやく息を吹き返したようだった。惟喬親王が宥めようとするのも聞かず、辺り構わず怒鳴り散らす大声が、剣の幻の中からでもよく聞こえる。

「これは一体何としたことだ! 真済め! あれほど己の法力を自慢していながら、肝心の勝利を落とすとは、口ほどにもない! あのようなうつけ者を頼りにしていたのが、悔やまれるわい。見ておれ、京の都はおろか、高尾の神護寺にも居られぬようにしてくれる。いや、まて。その前にせいぜい罵倒してやらねば気が済まぬ。ものども、これより私を東寺まで連れて行け!」

 引きとめようとする惟喬親王を振り切って、名虎は舎人たちに担がれて右近の馬場を出て行った。後に残された者たちの囁きも聞こえて来る。

「あれほど世間を騒がせていた真済の法力も、結局はたいしたことはないということか」

「そうですな。瀕死の恵亮にすら勝てぬとは。真言の衆も、これでは面目が丸つぶれ。いっそ、何もせんでおった方が良かったかもしれませぬな」



 そう口々に痛罵する囁きが、さざなみのように真済の耳に響いて来た。





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最終更新日  2007年11月17日 11時31分44秒
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