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2007年12月18日
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カテゴリ: 蒼鬼
 良房は素読する惟仁親王の傍らで、額に懐紙を当てて汗を拭きながら、ある一人の陰陽師の言ったことを思い出していた。その陰陽師も結局明子の物怪を祓うことは出来なかったのだが、染殿を辞去する時にそっと良房に告げた。

「明子様に取り憑いた物怪たちは、明子様本人に恨みがあるわけではございませぬ。あれらはすべて、あなた様との政争に破れて滅んでいった者たち。本来なら、あなた様に害をなすことを望んでいるのです。しかし、あなた様は身体も頑健で心魂も強靭。その上、藤原氏の氏の長者として、春日大社の神々の御庇護を受けておられます。とても、物怪ふぜいが取り憑くことなどできませぬ。物怪というものは、恨みのある者に近づけぬ場合、もっともその愛顧を被っている者に取り憑いて、自らの無念を晴らそうとするものです。明子様は身体も弱く、心根もやさしいお方。怨霊どもにとっては、この上ない憑坐でございましょう。それに、明子様をお苦しめすれば、結局は明子様を目に入れても痛くないほど可愛がっておられるあなた様をも、お苦しめすることになるのですから」

 良房はその陰陽師の言葉を、祓えの験のないことへの言い訳かと思っていたが、確かに良房が立身していくにつれて、明子の元には頻繁に物怪が現れるようになった。

 それは、言葉を変えれば、良房がそれだけ多くの者たちを陥れ、失脚させ、ついには怨霊と化すほどの恨みをかって来たということだ。太政大臣になった今では、そのような者たちはもう数えきれないほどの人数になっているだろう。その中には、昨夜の物怪のように、無念のあまり自ら入水して果てた者もいるらしい。

 そのような夥しい死霊や生霊が、この良房の栄華の象徴ともいえる染殿に巣食っているのだ。何とかしなければ。いずれあの者たちは、明子をとり殺してしまうだろう。

 良房は、東宮御所を辞して内裏へ戻ってからも、ずっとそのことばかり考え続けていた。


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最終更新日  2007年12月18日 12時07分03秒
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