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2008年01月18日
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カテゴリ: 蒼鬼
 良房は早速染殿へ立ち帰り、信頼の置ける家司の一人を呼び出して、葛城の金剛山へ向かわせた。もちろん、屋敷内でも選り抜きの名宝をいくつも布施に包み、砂金の袋まであまた持たせてある。

 だが、不安な気持ちのままじりじりとして待っていた良房の元に、家司は財宝の荷車をそっくりそのまま持ち帰ってきた。

「これはどうしたことだ。持たせてやった財宝もそのままではないか。もちろん、葛城まで行ってきたのであろうな。葛城上人は何とした?」

 するどく問い質す良房に、夏の盛りに大急ぎで帰って来た疲れなのか、良房の叱責を恐れる冷や汗なのか、全身をびっしょり汗で濡らした家司は、畏まって答えた。

「もちろん、大臣のお申しつけ通り、私は大急ぎで大和の葛城まで行って参りました。そして、ようやく葛城上人が金剛山の文殊の岩屋というところにいることをつきとめましてございます」

「それで、上人には会ったのか」

「それが……会ったような、会わぬような」

 家司は言葉を濁した。

「どういうことだ」



「ただ、何だ」

「その岩屋の上に、カササギのような鳥が一羽とまっておりまして、それが人語を話したのです」

「何だと? 馬鹿馬鹿しい」

「いえ、本当のことで。鳥の声とも思えぬ、男のような低い声で、何用かと問いますので、訳もわからぬながら、私もその鳥に用件を申しました」

「それで?」

「鳥は何やら薄く笑うような声を立てて、帰れと言うと、そのまま山の奥へ向かって飛び去って行きました」

「それからどうした」

「待てど暮らせど、誰も来ませんし、あのカササギすら戻って参りませんでしたので、仕方なく山を降りてきました」

「馬鹿者! たったそれだけでおめおめと引き下がってきたのか。お前はそれでも太政大臣家の遣いか。鳥ふぜいに、よくも虚仮にされたものだ。すぐにもう一度葛城へ向かえ。そして、何が何でも葛城上人を京まで引っ張ってくるのだ。よいか!」


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最終更新日  2008年01月18日 14時07分24秒
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