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2008年01月31日
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カテゴリ: 蒼鬼
「仲成殿の申されるとおり」

 その隣にぐったりと腰を下ろしていた男も頷いた。病み衰えたようなどす黒い顔の中で、青い光を帯びた眼だけがぎらぎらしている。

「あの事件を世に薬子の変などというが、仲成殿も薬子殿も冬嗣らに嵌められたも同じ。私とてそのあおりを食らったようなものだ。なあ、宮田麻呂」

 後ろの小官吏じみた貧相な男を振り返って言うこの男は、どうやら怨霊としても名高い橘逸勢らしい。逸勢はこの叛乱に連座して伊豆へ流される途中病死し、以後様々な祟りを成すようになったとして都の人々に恐れられている。

 薬子の変は、愛人の薬子尚侍とその兄仲成観察使にたぶらかされた平城上皇が、東国で兵を集めて対立している嵯峨帝を打倒しようとして起こした謀反とされているが、そんなことを信じているものなどほとんどいない。全ては、嵯峨帝とその皇后橘嘉智子と結んだ藤原北家の冬嗣らが、権勢を握っていた藤原式家の追い落としを謀って、裏で巧みに立ち回った結果だった。

 この変で仲成は捕らえられて射殺され、薬子は毒を仰いで自害した。逸勢もこの変の犠牲者であり、藤原北家に並々ならぬ恨みを抱いていたとしても不思議はなかろう。

 魅入られたように呆然と御霊たちを見つめる真済に、早良親王はゆっくりと言った。

「われらはこの国に仇を成す者。いずれはこの都を滅ぼしてくれよう。だが、それには相応しい時がある。それまでの暇つぶしに、じわじわとこの都の者どもを苦しめてきた。都を襲う疫病も飢饉も災害も、全てはわれらが引き起こしたもの。だが、それだけでは飽き足らぬとこの者たちがいうのでな。この都を大いに乱れさせ、藤原北家への恨みを雪ぐために、さまざまな工夫を凝らしてきた。お前を生かしておこうと思ったのも、その一つよ」


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最終更新日  2008年01月31日 14時08分11秒
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