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2009年04月17日
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カテゴリ: 山吹の井戸
 この男との一件が終わってから、少将はその後一度も男と交渉を持っていない。本当の癒しを得るには、その相手が重要なのだということを、少将は骨身に染みて感じていたからだ。

 あの男と寝ていた時、少将は固く目を閉じて、心の中で醍醐帝の顔を思い浮かべていたものだ。

 自分を抱き締めている男が醍醐帝だと考えると、少将の心は熱い喜びに満ち、涙が込み上げるような切なさが胸を打った。身体は自然に柔らかく開き、男の背に回した腕に力がこもる。この一時が永遠に続いて欲しいと、ただそれだけを一途に願った。

 だが、目を開けると、そこには別の男の顔がある。それは少将に冷水を浴びせるようなものだった。

 人を恋うるということは、こういうことなのだ。同じことをし、同じ言葉を囁かれたとしても、その相手を愛しているかどうかによって、その意味するところはまるで違ってしまう。

 醍醐帝は少将に無限の愛と癒しを与えただろうが、あの男からもらったものはただの気休めとそれに倍する嫌悪だけだった。

 それに気づいてしまったからこそ、少将はますます気に染まない男を避けるようになり、結局今まで誰とも結婚する気になれなかったのである。

 だが、それが少将に幸せをもたらしてくれたかどうか。

 少将の今までの人生は、平坦な灰色の道が、ただ延々と続いているようなものだった。何の彩りもなく、心躍らせるような実りも何一つありはしない。



 この世で、何もない、ということほど恐ろしいものはない。

 だから、妹の人生に苛立ちを感じるのだ。妹は心の赴くままに人を愛し、多くの男たちの思い出で人生を飾り、それを何の呵責も遠慮もなく堂々と歌に詠んだ。

 それはそのまま少将の人生を、そっくり裏に返したようなものだった。


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最終更新日  2009年04月17日 13時00分49秒
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