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2011年09月09日
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カテゴリ: きりぎりす
 その時、男は急にすうっと目を開けた。

 堀河は驚いて後ずさった。男はぼんやりと堀河の顔を見る。堀河は勇気を振り絞って男に話しかけてみた。

「そなた、名は何という?」

 男はじっと堀河の顔を見つめたまま、それには答えずに言った。

「ここは?」

「ここは三条西殿。恐れ多くも今上の御母君様であられる待賢門院様の御所じゃ。わたくしは、女院様に仕える女房で堀河という」

 そして、もう一度訊ねてみた。

「そなたの名は?」

 男は自分の頭の中を見渡しているかのように視線を空にさ迷わせていたが、やがて首を振って言った。



「そんな馬鹿な。自分の名を覚えておらぬはずがあるまい」

 だが、男は堀河が何度訪ねても首を振るばかりだった。

 まさか、牛に突き当たった時に、頭でもひどく打ったのだろうか。それとも、何か名も言えぬような厄介なわけでもあるのか。

 堀河はますます男が胡散臭くなり、こんな男を助けてしまった自分を呪った。

 だが、とにかく男は命を取り留めたようだ。ここは何とか元気になってもらって、一刻も早くここから出ていってもらうしかあるまい。

 堀河はそう覚悟を決めた。

 幸い、この男のことを知っているのは、昨夜供をしていた者たちを除いては自分一人。何とか隠しおおせるかもしれない。


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最終更新日  2011年09月09日 15時16分02秒
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