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2011年10月14日
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カテゴリ: きりぎりす
 その日一日、堀河は人少なの御所の仕事に忙殺されて、夜遅くになってようやく局へ戻ってくることが出来た。

 兵衛の侍女が置いていってくれた夕餉(ゆうげ)を持って帳台の中を覗くと、男は茵(しとね)の上で目を覚ましていた。

 ぼんやりとした心細げな目で堀河を見つめる。堀河は何となくその目に哀れをもよおし、安心させるようににっこりと微笑んで言った。

「夕餉を持って来た。食べてみるかえ?」

 男は無言で頷くと、堀河の手助けで身を起こし箸を取ったが、白布を巻いた左腕はだらりと下がったままで椀を持てない。

 堀河は仕方なく椀を持って男の唇に近づけ、中の粥を啜らせてやった。菜の干魚も、箸でむしって口元まで運んでやる。

 何だか子供の世話でもしているようだ。と言っても、娘には乳母がつけられていたから、堀河自身は襁褓(むつき=おむつ)を取り換えてやったことすらないのだが。

 男が夕餉を食べ終わると、堀河は懐紙で男の口元を拭いてやりながら、もう一度訊ねてみた。

「名は何というのかえ? 名前がないと、どう呼んで良いのかわからぬ」



「覚えておらぬ。適当な名で呼んでくれ」


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最終更新日  2011年10月14日 15時02分02秒
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