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2012年10月26日
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カテゴリ: きりぎりす
「何でございます?」

「若過ぎると言うのだ。義親が正盛に討たれたのは嘉承三年。今から二十二年も前だ。義親がもし生きていたとするならば、もうとうに六十歳は越えているはず。だが、鴨院の男は別れた頃の義親と同じ年頃だったそうだ。私もそれを聞いて、これは生前の本人に似た者を探し出して、本物として仕立て上げたのだと思った。それで、この男をこちらに奪い取って、世間に公表して偽者だとはっきり証言しようと考えたのだ。だが、いろいろ考え合わせると、鴨院の男は秘術によって生き返った義親であると考えるのが、一番つじつまが合う」

「でも、わたくしには少し解せないところがあるのでございます」

「何だ」

「わたくしの局にいた者が、そのように西国で悪行の限りを尽くしたような恐ろしい男であるとは思えないのです。確かに、腕は立つような風でございました。でも、気性は穏かで優しく、細かいことまでよく気がつき、わたくしのために花など摘んでくるような風流も持ち合わせておりました。その上、裁縫がたいそう好きで……」

「裁縫?!」

 実能はぶっと噴き出した。

「まさか。あの義親は、軍神と崇(あが)められる八幡太郎義家の再来と言われた猛将。女ではあるまいし、裁縫など好むわけがなかろう」

 そう言った実能は、ふっと首を傾げて考え込んだ。そして、改めて堀河に問うた。



「そうですね。とにかく奇妙な男でした。性格や振る舞いもその時々で違っていて、わたくしにもどれが本当のあの男なのかよくわかりませぬ。女のように嬉々として針を運ぶかと思えば、甘えた子供のように擦り寄って来るし。無口になったり、饒舌になったり。男なのか女なのか、大人なのか子供なのか、よくわからないようなところがございました。でも、決して悪い者ではございませぬ。心の優しい、可哀想な男でございます。とても、あの正盛殿が申されるような極悪非道な男では……」


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最終更新日  2012年10月26日 10時49分24秒
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