佐遊李葉  -さゆりば-

佐遊李葉 -さゆりば-

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

vyゆりyv

vyゆりyv

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

露野

(129)

心あひの風

(63)

孤舟

(59)

かるかや

(68)

蒼鬼

(253)

光明遍照

(53)

山吹の井戸

(52)

きりぎりす

(217)

遠き波音

(50)

羅刹

(193)

コメント新着

vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -193-(10/05) 千菊丸2151さん いつもお読みいただいて…
千菊丸2151 @ Re:羅刹 -193-(10/05) 是非このブログを残してください。 ゆり様…
vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -192-(09/14) 千菊丸2151さん だらだら更新に最後まで…
千菊丸2151 @ Re:羅刹 -192-(09/14) 漸く完結しましたね。 ちょっと後味が悪い…
vyゆりyv @ Re[1]:羅刹 -190-(09/08) 千菊丸2151さん 花山院皇女は惚れた弱み(…

サイド自由欄

QLOOKアクセス解析
2012年12月13日
XML
カテゴリ: きりぎりす
 資通の目から涙が滴り落ちた。資通はしばらくすすり泣いていたが、やがてまた話し出した。

「わしは手始めに、急いで追討使の元へ取って返し、宿舎に泊まっていた両名を討ち取りました。追討使が九州に到着すれば、いずれは必ず合戦が始まり、せっかく皆で築いたものが踏み荒らされ大勢の死人が出ます。若殿はどうしてもそれだけは避けたいとお考えでした。追討使さえいなくなれば、指揮官を失った軍勢は取り敢えず京へ戻るほかありませぬ。ずっと追討使に随行してきたわしは、彼らのことをよく知っておりましたので、自らその役目を買って出たのです。若殿は大宰府への体裁上しばらくはわしを牢に入れましたが、またすぐ側近の郎党に戻してくださいました」

「でも、朝廷の面目は丸つぶれになろう。それに、そなたに裏切られた義家殿のもな」

「それはそうでございましょう。すぐに大殿からは源氏の立場も弁えよとの厳しいお叱りの書状が参りました。そして、朝廷からは若殿に隠岐へ配流との処置が下されたのです。若殿は、九州の者たちにこれ以上迷惑がかからぬようにとの配慮と、京での立場を悪くしているであろう大殿への心遣いから、恭順(きょうじゅん)の意思を示すように九州を離れて、取り敢えず隠岐へ渡る手前の出雲に居を移しました」

「でも、その出雲でも乱暴を働き、ついには国司の目代(もくだい)まで殺害して官物を横領したと、正盛殿は申されておったが」

「目代は国司の代理として、出雲中から根こそぎ富を狩り集め、国府の倉を満杯にしたどころか、おのれの私腹まで肥やしておりました。その上、国司の威光を笠に着て、好き勝手に所領を奪ったり、罪もない民人を面白半分に傷つけたり、村で少しでも気に入った女が目に入れば館へかどわかしてきたり。その振る舞いが常々目に余り、出雲の豪族たちからもひどく恨まれておりました。若殿はその豪族たちに懇願されて、目代を討ち取り、不正に蓄えられた官物を倉から出して、元の持ち主へ戻してやっただけでございます」

「それなのに、またもや追討の命が下された。それも、こともあろうに、実の父親の義家殿に」

「まことに。これで、朝廷が武士をどの程度に考えておるか、よくおわかりになりましょう。親子で殺し合いをさせるなど、畜生以下の扱いでございます。でも、そんな惨いことになる前に、大殿がお亡くなりになったのは、せめてもの幸いと申すべきでしょうか。おかげで、若殿は大殿と最期の対面をすることもかないませんでしたが」


にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
↑よろしかったら、ぽちっとお願いしますm(__)m





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年12月13日 16時20分39秒
コメントを書く
[きりぎりす] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: