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2012年12月14日
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カテゴリ: きりぎりす
「それで、かわりに追討の命を受けたのが、あの平正盛殿というわけか」

「はい。正盛は以前から白河院に取り入ろうといろいろ画策しておった上、その時たまたま因幡守でもあったのです。因幡と出雲は目と鼻の先。正盛はこれ幸いと白河院に働きかけて、まんまと追討使の命を受けることに成功したのでございます」

「そして、その正盛殿に……」

 堀河がそっと溜め息をつくと、資通の目にはまた新たな涙が溢れた。

「わしがもしあの時、若殿のお側にいれば……」

「そなたはその時どこかに行っておったのか?」

「はい。若殿はまた追討使が派遣され、それが因幡守の平正盛だと知ると、わしにお命じになりました。因幡守が相手だとすると、当然兵は因幡をはじめ周辺五カ国の官兵が集められる。この出雲からも、立場上どうしても正盛に兵を貸さねばならぬ豪族も多かろう。万が一のために、九州の者たちに援軍となってくれるよう、約束を取りつけてきてくれ、と。わしは大急ぎで九州へ下り、九州の豪族と約束を取り交わすと、その足ですぐに出雲へ戻ろうとしました。ところが、国境いへ入ろうかという辺りで、出雲から逃げ下ってきた若殿の郎党の一人と偶然出くわしたのでございます。そして……若殿はすでに平正盛に討ち取られ、その首はもう京へ持ち去られたと」

 資通はその時の衝撃を思い出したのか、しばらく言葉を詰まらせた。堀河は資通を慰めるべき言葉も見つからなかった。資通はやがて続けた。

「その郎党は、わしが出雲を出た後のことを話してくれました。我らは幾つか誤算をしておりました。一つは、出雲の豪族たちが、思ったより多く正盛方についたこと。正盛はどうやら以前から出雲の豪族たちに極秘に根回しをしていたようです。もしかしたら因幡守に任命された時から、この機会を狙っていたのかもしれませぬ。もう一つは、正盛の到着が考えていたよりずっと早かったことです。いくら若殿でも、まさか京にいる正盛が追討の命を受けてから一月足らずで、軍勢を引き連れて遠い出雲に下ってくるとは思いもしなかったでしょう。それでも、若殿はまだたくさんの出雲の豪族を味方につけていたし、若殿自ら鍛え上げられた私兵も多く養っておられました。出雲の地理にも明るく、九州からの援軍も期待できましたから、本当なら正盛ごときに簡単に討たれるはずはございませぬ」


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最終更新日  2012年12月14日 16時09分57秒
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