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2013年01月31日
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カテゴリ: きりぎりす
「それで、季通殿は官職を罷免されて……」

「本当は、それだけでは済まないはずだったのだよ。わたくしと季通殿が契ったことを但馬から聞かされると、白河院は今まで見たことがないほど激怒なされた。季通を流罪に処するとおっしゃってな。誰が宥(なだ)めてもお聞きにはならない」

「鍾愛の姫君を手折られて、院はさぞかし……」

「そうではない。白河院は、わたくしの最初の相手は自分、と。わたくしがまだ幼いうちから決めておられたそうな。だから、わたくしがそれなりに成長するまではと、ご自分を押さえておられた。それなのに、自分よりも早く、他の男がわたくしを手に入れた。それが何より許せなかったのじゃ。わたくしが白河院の寝所に召されるようになったのはそれから間もなくだが、院がどれほどわたくしをお責めになられたか。その時から、わたくしは優しい父を失ってしまった」

 待賢門院はその時の屈辱と恐れを思い出したのか、微かに身を震わせた。

 堀河は白河院と待賢門院の関係の噂を思い出す。同じ女として思えば、待賢門院はあまりにも哀れであった。

「わたくしは何としても季通殿をお救いしたかった。それで、わたくしは何度も流罪だけは勘弁してくれと白河院に懇願した。そのかわり、二度と季通殿には逢わぬ、文も交わさぬと誓ったのじゃ。白河院は、その後ご自分もわたくしを手に入れたことで少しは満足なされたからであろう、季通殿を勘当し官職を取り上げただけで許してくださった。でも、わたくしが季通殿を破滅させたことには変わりはない。わたくしとのことさえなければ、季通殿は今頃上達部(かんだちめ…御所への昇殿が許される上級貴族)ともなって、幸せに暮らしておられたであろうに」

 他の兄弟たちが順調に官位を上げていくにも関わらず、季通だけはその後いかなる官職も与えられず位階もそのままだった。

 その上、白河院への遠慮から、季通を歌会や管弦の宴に呼ぶ者もいなくなり、季通はいつの間にか世間から忘れ去られていった。以前は度々歌の席で顔を合わせていた堀河も、すっかり季通のことは忘れ果てており、待賢門院の口から出たその名で、久しぶりに思い出したくらいであった。


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最終更新日  2013年01月31日 15時58分35秒
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