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2014年04月11日
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カテゴリ: 羅刹
 母屋へ戻ってきた能季は、師実を取り囲んでいる少年たちではなく、あえて信長を見据えながら言った。

「師実の言うことにも、一理あるのではございませんかな。宴の松原はこの大内裏内だから良いけれど、大宮川のある東大宮大路はただの往来。追いはぎの横行など、近頃は物騒なことも多いと聞きます。年若い公達が一人でうろうろして、万が一何かあったらどうなさる? それこそ、関白様へ何と申し開きできましょう」

 それを聞いて、信長もさすがにちょっと考え込んだようだった。

 だが、少年たちは互いに小突きあいながら、師実を蔑むように見ている。師実は赤らめた頬を震わせながら、じっと俯いたまま黙っていた。

 このままうやむやにして引き下がっては、師実はこの先臆病者の烙印を押されてしまうだろう。

 そう思った能季は、師実の傍らに立って、周りの少年たちに言った。

「私が屈強の供を連れて、師実を大宮川までお送りしよう。我らは遠くで見張っていて、怨霊の出るという柳並木の辺りには近づかぬようにする。そこからは師実に一人で行ってもらおう。本当にできたかどうか、私が証人になる。それでいかがか」

 少年たちはしばらく互いに小声でぶつぶつ言っていたが、どうやら納得してくれたようだ。というより、怖がりの師実にはそれすら無理だろうと思ったらしい。

 信長も御簾の影からいつの間にか姿を消していた。




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最終更新日  2014年04月11日 15時23分06秒
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