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2014年10月08日
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カテゴリ: 羅刹
「もうちょっと待ってくれ。私が必ず師実を助ける。今、いろいろと探っているところだ」

「でも、せめてご祈祷の僧だけでも」

「人目が増えれば、どこから話が洩れるか知れぬ。騒ぎが大きくなっては、かえって師実のためにはならぬだろう」

「行綱殿は師実様が怨霊に祟られていると申されました。それならば、やはり尊い僧にご祈祷を願って」

「おそらく、よほどの僧でないかぎり、あの怨霊を鎮めることはできまい。もちろん、私もそれを考えていないわけではない。だが、それなりの僧を呼ぶとなると、関白様のお耳に入らずにはすまない。とにかく、今は師実のために精一杯のことをやっているところだから、もう少し時間をくれ。私の手におえぬとはっきりした時は、すぐに私から関白様に申し上げよう」

 乳母はなおも泣きながら能季に訴えたが、能季が必死に宥めると、どうやら落ち着いてくれたようだった。

 乳母は衾から覗いている師実の手を取り、さめざめと泣きながら撫でさすっている。その手も、どす黒く腫れ上がり、ぴくりとも動かなかった。

 能季は次第に高まってくる恐怖と重圧に、胸が押しつぶされる思いだった。

 もし私の力が及ばなければ、師実はこのまま腐り果てるようにして死んでしまうだろう。すべて、私のせいだ。




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最終更新日  2014年10月08日 16時54分52秒
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