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2014年11月05日
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カテゴリ: 羅刹
 行綱はいつもの饒舌(じょうぜつ)で言い訳をはじめたが、小中将はぴしゃりとそれを遮(さえぎ)った。

「話を聞いてきたのはすべてこのわたくしでございます。わたくしから直接申し上げた方が良ろしかろうと思い、行綱殿に供をお願いしてこちらまでやってまいりました。行綱殿がおっしゃるには、他ならぬ能季様からのお尋ね。何としてもお力になりたいと」

 そう言って、小中将はまたにっこりと微笑んだ。

 小中将は行綱に頼まれたから一肌脱いだのではなく、あくまでも能季のためだと言いたいらしい。どうやら小中将の狙いは、宮中でも評判の貴公子である能季と近づきになることのようだ。

 行綱は得意なおしゃべりの機会を奪われて不満げだったが、小中将にはまるで逆らえないらしい。小中将の隣に座を占めると、忠実な番犬よろしくあっさり聞き役に回ってしまった。

 能季はまだ側に控えて小中将を睨(にら)みつけている真砂を下がらせると、小中将に言った。

「私が尋ねたいのは、大和宣旨のことなのだが」

「行綱殿がおっしゃるには、藤原道雅殿の北の方であった頃のことがお知りになりたいとか」

「そうだ。私の友人が道雅殿の婿になりたがっていてね。道雅殿のお人柄や家族のことを知りたいというのだよ」




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最終更新日  2014年11月05日 16時52分16秒
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