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甲羅伏と逆川水門 ■第二十六章 水車■ 新しい週の最初の日に、楽しい気分で─ 愛する旭陽さんの日記からいただいていた【愛用品バトン】、 実に半年以上の時間を大切にとっておいたバトン、 小夜子バージョンにアレンジして、アップさせてください☆●携帯電話 ゴールドに風神雷神の蒔絵。 初対面の方との目印に良い。●財布 自由が丘「私の部屋」オリジナルの黒いシンプルなお財布。 これがものすごく使いやすいv●車 お兄ちゃんの乗っているハマーがどうしてもほしい。 ちなみに。 ヒロはプジョー。 英はポルシェ。 ヒカリはヒロのお見立てでBMWに乗ってるけど、 本人は車種すら関知していまい。 (ベンツは誰も乗らないのはなぜ? 楓の手術痕に似てるからか?)●歯みがき粉 クリアクリーンのつぶつぶ感がすき☆●歯ブラシ DENTA APATOとロゴのある八角形の透明グリップのもの。 極細のブラシが触感良し。 愛、燦々とさんも絶賛してくれたけど、検索に引っかからないのはなぜ。●釣竿 太公望、松丸に聞いてくれ。●バイク 英に聞いてくれ。 あと、意外かもしれないけど、ヒカリもよく乗っている。 (↑自転車乗れない疑惑を背負いつつ)●マフラー よくぞ聞いてくれました! バチカンのスイスの衛兵と同じものです!!! ものすごく自慢です。●自転車 電動自転車です(笑)。 クリスマスの朝、玄関先に置いてありました。 サンタさんからのプレゼントです☆●かばん バッグならコーチを揃えたい!!! ロゴのあるは苦手だけど、なぜかコーチだけは別。●メガネ 愛、燦々とさんのGUCCIが羨ましくて、 夫婦でお揃いで買ってしまったv オットはヨン様と呼ばれるようになった(←不可)。●香水 愛、燦々とさんからもらったレイジースーザン。 ファンシーショップの香りがする☆ ヒカリはブルガリ・プールオム。 (↑風早舞雪子ちゃんからのいただきもの。ちゃんと使いなさい) ヒロはバーニーズニューヨークのROUTE DU THE。 英はドルガバのプールオム。●シャンプー 架月真名さんからいただいたグレープフルーツの香りはじける逸品。 大切に大切に使わせていただいてます。●ボディーソープ 前世紀に大流行した痩せる石鹸。 オット曰く「石鹸が痩せていく…」●洗顔料 新潟に行く度に買ってくるひのき泥炭石。●入浴剤 六本木ヒルズ内「TOUCH」のCOCOLO。 ヒロに教えてもらったアロマの逸品。 土とオレンジの香りがする。これ以上の美しい香りをかいだことがない。 それにしてもヒロはなんだってこう、スペシャルなものを知っているのだ! そしていったい誰と一緒にソレを使うのだ。●靴 ハナ・アンダーソンのクロッグスはほめられる●ブランド BVLGARIかなぁ。 ヒロがヒカリに「女の子に何か買ってあげるときはブルガリに入れ」 と言っているから(笑)。 ショーメのアトラップモアシリーズにも興味あり。 「私を捕まえて」という意を持つ蜘蛛のモチーフ。 『箱根』が完結したら、記念に買ってください。●リップクリーム オットはメンソレータムを使っている。 メンタムを塗らないと、講義中に唇から血が噴き出すという。 どんだけ激しい講義をしてるんだ。●ファンデーション 愛、燦々とさんからもらったヘレナをそのまま愛用。●ポーチ ヒロさま御用達、H TOKYOのトラベルバッグ。 商品を買うと、無料でくれるのだv●ストラップ グッチの携帯ストラップ。やまぐっちだからだそうだ。●サングラス CDの古めかしいものを母とお揃いで(笑)。●帽子 私は巨顔なので…; 小顔の愛、燦々とさんにあげちゃう。●薬 ヒカリからもらう最強抗生物質 ジスロマック(風邪をこじらせた時用) クラビット錠(持病の慢性盲腸炎用) ゼッタイ薬事法に引っかかってる!●タバコ オット一族、私一族ともに吸いません。 ヒロ&英はフランス製の煙草を愛飲。 ヒロはやめなさい。●酒 英のカクテル。 自作のカクテルに付ける、ヘンなネーミングがかわいい。 (作例)臨港バスの夕べ SEX ON THE めがね橋 総持寺ミルク●時計 1960年の頃の話である。 ひとに呼ばれた野暮用でフランスはマルセイユにやって来たものの、手違いから当人に出会えず、私(小夜子の祖父)はホテルの仮住まいのままどうしていいのやら戸惑っていた。雨ばかりの寂しい初秋だった。 外のレストランで夕食をとった後、フランス人の真似をして傘なしで歩いて、近くのカフェに入った。夜も遅いのに、たくさんの老人たちが騒いでいた。 カウンターでコーヒーを飲んでいると、身なりの貧しい小柄な老婆が少女のような声で話しかけてきた。 「なんとうるさいじゃありませんか。私はこんな下品なフランス人なんかじゃありません。モナコ人です。あなたはどちらから?」 「日本です」 「日本! 私は日本人には思い出があるのです」言いながら、彼女はカウンターの上にどさりと手提げ袋を置いた。傾いた口から、乾いて固くなったパンがカラカラと転げ出した。彼女は恥じたようにあわててそれを袋に戻した。 「なにか飲みませんか」と私は言った。 「ありがとう、じゃ、オレンジジュースを。私の母は世界初の女性新聞記者でした。小さな私は母に連れられて世界中を旅しました。日本にも行きました。帝国ホテルに泊まって、地下のお店で赤いキモノを買ってもらいましたよ。それはそれはきれいでしたよ」 目の奥にその赤いキモノが今もはっきり見えているかのように彼女は笑った。 「それから船でフランスに行くことになりました。1913年のことです。船の上で、私は二人の若い日本の男性と友達になりました。私はまだ小さかったから、とても可愛がってもらったんですよ。ひとりは貴族で、ナベシマという人でした。もうひとりは画家で、フジタという名でした」 一瞬、私は鳥肌が立った。画家というのは藤田嗣治ではないか。ナベシマというのは佐賀の鍋島家のことではないか。 「船の上で、私にこの時計をくれたのです」 老婆は腕からそれを外し、大切そうにかざしてみせた。オメガの小さな金の時計だった。 それにしても、いかなる巡り合わせだろう。果たして今やこの老婆は、身寄りのない貧しい老人の定番ともいえる大きな手提げ袋に、飢えから逃れるための乾いたパンをつめて歩いているのである。 「彼らは本当に素晴らしい人たちでした。あの船旅は私の人生の大切な思い出です」 夜ふけて、彼女を暗い路地の奥の老人用の慈善宿舎のようなところまで送っていった。 「また会いましょう」と言って別れたきり、再び会えないまま二十年が経っている。 先日、私は佐賀県の鹿島という町の古い大きな酒蔵に用があって呼ばれた。その折、すぐ裏手の竹林の丘の麓に、泰智寺という素朴な寺を見つけた。本堂の縁で涼んでいると、奥さんが出てきてお茶をいれてくれ、ここは鍋島家の菩提寺だと教えてくれた。 それで私はあの老婆のことを思い出した。二十年前の夜のことを話すと奥さんは、「ああ、それはきっとナオタダさんの奥様のひとり、セイラさんですよ」と言って、堂内に林立する巨大な位牌の中の、一番手前の小さなひとつを指差した。 「この方です」 雨が降ってきた。 あの日の夜のように。 帰宅した私は、旅行鞄の底に光るものを見つけて声をあげた。 それは、小さな金のオメガの腕時計だったのだ。 ── 現在、祖父から私がその時計を受け継ぎ、大切に愛用しています。 出かけるときには必ずつけているので、今度ぜひご覧になってください。●コンビニ 今はローソンだけど、鶴見ではファミマだった。 わかるヒトにはわかるだろう(笑)。●お茶 毎朝オットが丁寧に淹れてくれる日本茶が好きです。 夜のコーヒーもありがたい。 豆は椿屋珈琲店がお好みらしい。 紅茶はフォートナムメイソンのエルダーフラワー&シャンパン。 英が密輸してくる「VERT A LA MENTHE」も絶品。 ミントティーは飲みつけないのだけど、これだけは納得。●手帳 ペーパーブロンクス(桜さんと一緒だった☆)●ピアス 自分で開けようとして痛い目に遭ったからもう二度としない。 英とかヒカリって、どうやって開けたんだろう。●パジャマ 愛、燦々とさんにもらった「ゴージャス薔薇柄パジャマ」。 ビミョ~に似合っていない;●アクセサリー 今はミキモトをよく贈り物にします。こういうの、かわいいよね☆●ゲーム オセロは誰にも負けません。●まくら オットの胸。●パソコン NEC。文豪時代より。●目覚まし 娘のタックル。●音楽マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナは世界一美しい! ──と楓が申しておりました。 ああ久しぶりのバトン! 書いていて楽しかった☆ ありがとうございます^^ バトンをお持ち帰りいただける方、ぜひ!!! ご自分のバージョンとして、好きな項目をアレンジしてアップしても♪ さて、本日の本編に登場する鳥吉(ちょうきち)の初出はこちらです。 箱根用水物語、最後の艱難─■第二十六章 水車■ ◆応援ありがとうございます! 次回更新は7月1日(水)●谷間の茶屋●です。 鳥吉の意外な正体とは─ 6月30日、そういえば多摩川のタマちゃんってどこいったの?弁当v 6月26日、しょくぱんまんさまーっ ◆よろしければこちらにもアップしていますv
2009年06月15日
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「犬下がり」痕役割を終えた後は、人間や資材があやまって落下するのを防止するため、瓦礫を積んで穴を封鎖してある ■第二十五章 水神■ 本日は一緒に企画してくださった透子さんと、現在を頑張る旭陽さんに捧ぐ、 『ヒロの留学日記』を三部に分けて掲載させていただこうかと考えていたのですが、突発的にふたつの報をいただいたので、勝手ながらこちらを優先させていただきます。まずは吉報から、 【本屋大賞2009に掲載されましたv】 本屋大賞(2009) 皆さま、どうぞご一緒に喜んでください! 楓が連れてきてくれたお友達からのお便りによると、2009年度版『本屋大賞』の「もういちど推薦! 発掘本」コーナーに『青木学院物語』がv 今、私は思わず楓と互いに手を取り合ってしまったかのような、嬉しさと気恥ずかしさで胸がいっぱいになっています。この方に出会えたこと自体が楓からの贈り物であることを、はっきりと確信した瞬間でもありました。 貴重な情報を本当にありがとうございました! 本屋大賞2007に載せていただいてから二年。 さらに応援してくださる方がいらっしゃることに感激しています。 どうか皆さまもよろしければ本屋さんで確認していただければ嬉しいです☆ さて、本日はもうひとつ、ぜひお話しさせていただきたいことを─ 【天才前衛学者の残像】 カラヤンがクラシックを殺した 艶やかなオールバックの髪を首の後ろで束ね、アルマーニのカラースーツのはだけた胸元には北斉時代の菩薩のごとく貴石が幾重にも輝き、手には女性器と蛙というエロスとタナトスを如実にあらわす装飾がなされたステッキを携えて彼は現れる。JRの電車内にも、子供らの遊ぶ公園にも。ちなみに、専らの移動手段はフォードのクラシックカーだったけれど。 先週末、私はオットからこの方の訃報を、茫然としながら聞いていました。 今をさかのぼること一ヶ月も経たない4月下旬のこと、家族ぐるみで都内の公園にてピクニックなどをご一緒した人です。というか、ご本人はオットが学生時代から仲良くしていた、実に尊敬すべき先輩でした。 二十年来の友人であるオットが悲しんでいないので、私も嘆くまい。 オットには“あいさつ”があったらしく、「あのヒトらしー」と、のほほんとひとりごちているのを横目にしつつ、だが私はかの人のことを今回の更新で取り上げずにはいられません。 本を出した以上、その内容に関する賛否両論はあって当然あってしかるべきなので、皆さまもぜひ、このリスキーなタイトルの本を手に取っていただければと思います。 去年末の新刊当時、どの本屋さんでも、平積みどころか二列三列の平積みになっていた話題の本です。 鎌倉に建つ、ラピスラズリ色の壁に金の縁取りの邸宅。 その一角の書斎の扉は、ロダンの「地獄の門」のレプリカとなっており、来客は以下のダンテの神曲による銘文に迎えられます。 Per me si va ne la città dolente, per me si va ne l'etterno dolore, per me si va tra la perduta gente. Giustizia mosse il mio alto fattore; fecemi la divina podestate, la somma sapïenza e 'l primo amore. Dinanzi a me non fuor cose create se non etterne, e io etterno duro. Lasciate ogne speranza, voi ch'intrate' 我を過ぐれば憂ひの都あり、 我を過ぐれば永遠の苦患あり、 我を過ぐれば滅亡の民あり 義は尊きわが造り主を動かし、 聖なる威力、比類なき智慧、 第一の愛我を造れり 永遠の物のほか物として我よりさきに 造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、 汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ 書斎の中には賽の河原のように積み上げられた石の数々。かの人は石のコレクターでもありました。 天寿をまっとうする──とよく言われますが、神の定めた寿命までもを自らの意志で決定しようとしたその神をも畏れぬ挑戦的な態度こそ、奇行をもって世界にその名を轟かせる、実にかの人らしい生き様でありました。 とはいえ、素顔の宮下誠さんは、外見上は妖気ぎらぎらではありながら、心は穏やかで優しく、私のような小娘が隣席しても面倒な顔ひとつせず、相手が誰であろうが「今この時の会話を楽しむ」というスタンスを何時間でも保つことのできる、はるかな余裕のある方でした。 京大進学を嘱望されるかの人のご子息もまた、私の心を放さない魅力にあふれた少年です。 どんなふうに魅力的なのかというと─ お父上に似て、髪の毛をびみょ~に長くしているのも私としてはかなり好ましいけれど(笑)、その言動がまた素晴らしい。 ピクニックの折、公園に着くまでの相当長い距離を恥ずかしがることもなくすすんで小学一年生のわが娘の手を取り、リードしてくれたお兄ちゃん。 そっとふたりの会話に耳をすませば… 「みのりちゃんさぁ、学校で嫌いな先生っている?」 ズルッ! 夫婦して吉本のようにずっこけそうになりました☆ 入学したばかりの娘に、「学校楽しい?」などといったちやほやとした赤ちゃん的会話を求めなかった君は最高だ! 娘は今、毎晩お兄ちゃんと、お兄ちゃんのパパのためにお祈りをしています。 ご子息と奥様のことは、宮下誠氏のご著書の謝辞に記してあります。 奥様は私の「悪友」でもあるので──今、私は何をしたらいいのかを自問しています。 先日、令夫人は開口一番、「今日のファッションのテーマは“蝉”」 「蝉ですか? 禅ではなくて?」 「よく見て! 蝉よ蝉!」 たしかに、その衣装は本当に「蝉」だった…(背中から翅が生えてた) このご家族、前置きなしに揃っていつも奇々怪々な風貌で現れるのだ。 とはいえ、絶品のカルボナーラをお作りになる令夫人もまた、夫である稀代の前衛学者にこよなく愛された人でした。 しばらくはそっと祈りを捧げるのみ。 世間の冷笑にさらされつつ、男どもは机上に旅し、迷宮を作る。 宮下誠は、おそらくケーゲルのアルビノーニ『アダージョ』とともに旅立った。 私たちも、しばらくは強く生きていこうと思う。 吉報と訃報。 宮下さんもまた、実に深く人生について教えてくれる人です。 私の小さな物語も、愛してくれた人でした。 今、吉報を喜んでくれていることでしょう。 どうぞ皆さまもこのご家族に心を合わせていただければさいわいです。 水、為政者、そして神までも敵にまわして、まだこれからも戦うだろうか─ ■第二十五章 水神■ ◆応援ありがとうございます! 次回更新は6月15日(月)●水車●です。 現在、箱根用水を動力とする水力発電所は三基を数えます。 6月12日、草原のパチリス弁当v 6月11日、ペンギンの双子ちゃんの魚つりv 6月10日、炎のように元気いっぱい!ヒコザルv(←英) 6月8日、みのり『青木学院物語』読了記念、楓弁v 黒く渦巻き、世界がざわざわと泡立った私たちの週末を救ったのは、娘の授業参観でした。 入学式以来の「きっちり」感で行なわれるのかと、夫婦ふたり、ビビリながら赴いたところ── 国語の授業などは思いっきり「みんなでダジャレを考えよう!」でした(笑)。 おとなしいはずのみのりが、「はいはいはーいっ」と大興奮で授業に参加していた…; 「○かつ先生(←担任の先生の姓)かつどんを食べる」 前回の習字といい、おまえはどんだけ「かつどん」が好きなんだ!!! 宮下先生ならば「センスあるね~」と言ってくれそうなので、泣きたいほどの話題の後にこのエピソードを入れさせていただきました。 それにしても最近の授業参観って、朝から下校まで、つまりお昼をはさんで五時間目までの長丁場なのね~ ◆お弁当の画像は、順次こちらのアルバムに収めてあります☆ よろしかったらぜひ遊びにきてください^^
2009年06月01日
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