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NHKのプレミアム8紀行「コメ喰う人々」再放送をみた。舞台はタイ北部。主役は陸稲をつくっている少数民族だった。標高700メートル以上でなければ生産できないという古代米が、現代につながっていた。
アユタヤ遺跡のレンガ跡に、米粒が混ぜられていることがわかった。それにより建造物の年代から、米の品種も推察できるようになったらしい。
現代のタイで流通しているのは、細長い形の米である。うまいけれど、匂いが苦手だが。古代米は日本の米に近い。すばらしい番組だった。生きることの根源、米。天の恵みであると感謝をささげ、大切に育て食す人々。
稲刈りも脱穀も全部手作業で行う。機械化が遅れているのではない。人力による米作りが彼らの哲学なのだろう。原点回帰。この大切さを再認識させられた。辺見庸『もの喰う人々』を読んだときの感動が、よみがえってきた。食べ物の話は感動を生むようだ。
小川糸『食堂かたつむり』(ポプラ文庫)も、評判どおりのたべもの作品だった。お勧めである。近いうちに書評も発信したいと思う。本書を紹介してくれた書評家、著者、書店に感謝をささげ、小説ってこういう作品のことなんだよな、と痛感させられた。
立松和平さん死去。残念である。ずっと読みつないできた作家である。書棚からデビュー作『途方にくれて』(1978年、集英社)を引っ張り出して読み直した。ありがとう、と呟きながら。