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2015年11月27日
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■小説「どん底塾の3人」021:充実した疲れ
ああ・どん底塾の3人.jpg


 アルバイトの女性が、かいがいしく準備を手伝っている。亀さんはなにもいわずに、厨房から手を振ってみせる。加納も亀さんに手を振り返す。
「会社を休んだので、手伝います」
「おまえの場合は、特別に許可しよう。大河内と海老原には、絶対にくるなと釘をさしてある」
「わたしから携帯メールで、情報提供することにしています」
 味噌汁の鍋が運ばれてくる。準備は整った。
「よし、開店だ。知美ちゃん、がんばってくれよ」
 開店と同時に、背広姿のサラリーマンが入ってきた。あとを追うように、次々とお客さんが入ってくる。
――7時15分ついに50食突破。
 加納は2人に、メールを送信する。

 昼の準備をしているときに、大河内と海老原が顔を見せた。亀さんは、笑って2人に手を上げた。指がVサインの形になっている。
「驚きましたよ。82食でしょう。亀さんの予想が、的中しましたね」
 大河内は厨房に向かって、声をかける。 
「あたぼーよ。昼も戦場になるぞ。おまえたちは、本業に戻れ。こんなところにいたって、1銭の稼ぎにもならん」

 昼の開店を待ちかねていたように、お客さんが入ってきた。ほとんどが、仲間といっしょだった。加納の名刺を、差し出すお客さんも多い。大河内と海老原はそれを確かめると、名残惜しそうに店を出た。
「インスタント・ラーメンって、こんなにおいしかったのね」
「きのうはミソ味を食べたんだけど、きょうは塩味にしたんだ」
 お客さんの会話が弾んでいる。加納はうれしかった。自分たちのアイデアが、お客さんに歓迎されている。
 午後2時、加納は2人にメールを送信する。充実した疲れが、心地よかった。
――最終116食。夜、待っている。

※ダントツ営業の知恵
 考え抜いて実践するから、心地よい疲れが残る。






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最終更新日  2015年11月27日 04時12分49秒
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