時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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February 2, 2009
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 この端島は、石炭の島であった。石炭時代はとっくに終わり、現在は人の住まない廃墟の島となっているが、最盛期には、この小さな島に、石炭の採掘に従事する人とその家族が5000人以上も住んでいたとのことだ。 「棄霊島(上)」 (内田康夫:祥伝社 )は、この島で、30年前に起きた殺人事件に端を発する因縁による事件を描いた、浅見光彦シリーズの旅情ミステリーである。この事件がなんと100番目に当たるとのことであるが、光彦は永遠の33歳だから、3日に1回は事件に遭遇していることになる。さすがに、1年の間に出くわす事件としては多すぎるので、もうそろそろ一つくらい歳をとらせた方が良いかもしれないな。兄の陽一郎も刑事局長から警察庁の次長あたりに出世させてやっても良いころ合いだろう(笑)。

 ところで、上巻のお話の方だが、光彦が取材で親しくなった五島列島に住む元刑事が、静岡の海で死体で発見された。彼は信州に住む娘夫婦のところに行く途中だった。なぜ、彼はそんなところで死んだのか。彼の死に見え隠れする30年前に軍艦島で起こった殺人事件の秘密。

 それにしても、さすが内田センセ、軍艦島とは、いいところに目をつけるものだ。正に兵どもの夢の跡。かっては栄華を誇ったものが、今は無残な廃墟になり果てている。世の中には廃墟ファンと言われる人たちもいるようだが、この軍艦島の不気味と言ってよい風景も、人々の心に何か訴えるものがあるような気がする。


○「棄霊島(上)」(内田康夫:祥伝社 )




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Last updated  February 2, 2009 07:53:52 AM コメント(12) | コメントを書く
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